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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
東京都立中央図書館 (2110013)管理番号
(Control number)
中央-2018-9
事例作成日
(Creation date)
20180108登録日時
(Registration date)
2018年11月29日 00時30分更新日時
(Last update)
2020年03月24日 18時31分
質問
(Question)
インフルエンザの流行による学級閉鎖(休業)が導入された経緯とその効果を知りたい。
回答
(Answer)
都立図書館の蔵書検索および論文が検索できる以下のデータベースを次のキーワードを組み合わせて調査したところ、資料1~6や雑誌論文に記載があった。資料4は都立多摩図書館所蔵の資料である。

調査したデータベース(最終確認日:2018年7月30日)
・「CiNii Articles」(国立情報学研究所)
・「J-STAGE」(科学技術振興機構)
・「医中誌Web」(医学中央雑誌刊行会)
・「JDream3」(G-Search)

調査したキーワード
<インフルエンザ><学校><学級閉鎖><臨時休業><効果><有効>等


1. 導入された経緯

資料1の以下のページに、明治初期から戦後の各時期の伝染病予防についての解説があり、学級閉鎖に関する記述がある。
p.45-46「第一編 明治前期の学校衛生 第四章 疾病予防 第二節 伝染病予防」
1890(明治23)年の小学校令における伝染病流行時の学校閉鎖の規定について記述されている。
ただし、対象として記されている伝染病の中に「インフルエンザ(流行性感冒)」はない。
p.89-91「第二編 明治後期・大正初期の学校衛生 第四章 疾病予防 第一節 伝染病予防」
1898(明治31)年の「学校伝染病予防及消毒方法」(明三一・九・二八 省令第二〇号)において、「流行性感冒」が「学校ニ於テ特ニ予防スヘキ伝染病ノ種類」として「第一類」に含まれていたことが記されている。
p.189-192「第三編 大正後期・戦前の学校衛生 第四章 疾病予防 第一節 学校伝染病予防」
1919(大正8)年の「スペインかぜ」の世界的流行に際して示された「流行性感冒予防要項(大一〇・一・六 内務省訓令第一号)」の中に、「学校閉鎖」の項があった旨の記述がある。
また、同年8月の「学校伝染病予防規定」(大八・八・二九 省令第二九号)において、「流行性感冒」が学校伝染病の「第二類」に含まれていたことが記されている。
p.402-405「第五編 戦後の学校保健とその発展 第四章 疾病予防 第一節 伝染病予防」
1957(昭和32)年の「アジアかぜ」の発生と、その対策として同年10月に通達された「学校におけるインフルエンザの予防措置要綱」(昭和三二・一〇・一八 文初保第五二〇号)について記述されている。

資料2は、1958(昭和33)年に刊行された学校保健法の逐条解説『学校保健法の解説』(第一法規出版)を復刻したものである。
p.126-128「第三章 伝染病の予防 四 臨時休業」で「従前伝染病予防のための臨時休業について明確な法令の規定は無かつたとも言える」として学校保健法以前の規定の内容に触れ、「法第十三条においては、学校の臨時休業が伝染病予防上の重要な方法の一つであることにかんがみ、明確な規定を設けているのである。」と解説している。

また、雑誌論文「公衆衛生からみたインフルエンザ対策と社会防衛 -19世紀末から21世紀初頭にかけてのわが国の経験より-」(逢見憲一著)に、日本におけるインフルエンザ対策の歴史が解説されている。インターネット上のデータベース「CiNii Articles」で全文をみることができる。( https://ci.nii.ac.jp/naid/110009848604
1890(明治23)年流行時に「地方によっては学校の一時閉鎖を命じたりする等、相当の予防警戒に努めた府県があったが、多くは一般的な予防注意を行ったにとどまったようである」(p.241)などといった記述がある。
なお、当該論文は、以下の雑誌に収録されているが、東京都立図書館では所蔵していない。
・雑誌『保健医療科学』58巻3号 国立保健医療科学院 2009.9(p.236-247)


2.効果

資料3のp.119-124「2009年に発生した新型インフルエンザA(H1N1)ウイルスによるパンデミック : 日本の経験とアウトカムを振り返る」(岡邦子[ほか]著)に、「学校や学級の臨時休業は、アウトブレイク早期に介入することで、感染のピークを下げて平坦化し、ピーク時の医療への需要を30~50%減少させる可能性が示唆されている。」(p.123)とある。
2009年のパンデミック時における諸外国の学校・学級の臨時休業についても言及している。

資料4のp.103-117「わが国におけるインフルエンザ(H1N1)2009に対する学校閉鎖の効果」(内田満夫[ほか]著)に、次のように記載されている。
「感染拡大初期に積極的な学校閉鎖を行うと、流行のピークを下降させ、また遅らせることができると考えられ、わが国でもインフルエンザ(H1N1)2009パンデミックの初期より学校閉鎖は頻回に実施された。その結果、迅速な学校閉鎖措置は、最終的にわが国における感染拡大の抑制に寄与したと考えられている。しかし一方で、この学校閉鎖措置の有効性を科学的に検証した報告は不足しており、その詳細な効果は明らかにされていない。従って、現在のところ有効とされる閉鎖日数や閉鎖のタイミングを具体的に提示することは困難とされている。」(p.103-104)
なお、当該論文はインターネット上のデータベース「J-STAGE」で全文を見ることができる。( https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjh/68/2/68_103/_article/-char/ja

資料5のp.117-122「学校でのインフルエンザ対策」(川合志緒子, 南里清一郎著)では、著者らが学校医として勤務する私立A小学校、B中高一貫校でのインフルエンザ対策とその結果を分析している。
「学級閉鎖・学校閉鎖の効果としては、そのシーズンの累積罹患者数を減少させるものではないが、一時的に流行拡大が防止できると推察される。とくに、学校閉鎖の効果は大きい。」(p.121)とある。

資料6のp.9-17「学級閉鎖の有効性に関する研究 : 新型インフルエンザ流行時の小学校におけるクラス内欠席者割合と実施日数より予測される学級閉鎖後の欠席者割合」(山本駿[ほか])に、茨城県T市の全小学校(37校481クラス)の全クラスおよびその生徒を対象とし、各学校の養護教員あてに質問紙調査を行った研究の報告がまとめられている。
「新型インフルエンザに対し、感染症拡大防止という点で学級閉鎖は有効であった(中略)少なくとも20%が欠席した時点で開始し、期間を6日以上とすれば、欠席者を10%程度まで減少させるという意味で効果があることが示された」(p.9)との記述がある。
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
学校経営.管理.学校保健  (374 9版)
参考資料
(Reference materials)
【資料1】学校保健百年史 / 日本学校保健会/編 / 第一法規出版 , 1974 <3749/9/74>
【資料2】教育基本法制コンメンタール 34 学校保健法の解説 / 平原春好/責任編集 / 日本図書センター , 2002.12 <3732/3122/34>
【資料3】医薬ジャーナル 51巻10号 通巻627号 (2015年10月) / 医薬ジャーナル社 , 2015.10
【資料4】日本衛生学雑誌 68巻 2号 (2013年5月) / 日本衛生学会 , 2013.5
【資料5】インフルエンザupdate 課題と問題点 (別冊・医学のあゆみ) / 菅谷憲夫/編 / 医歯薬出版 , 2013.4 <493.87/5014/2013>
【資料6】厚生の指標 59巻7号 通巻926号 (2012年7月) / 厚生労働統計協会 , 2012.7
キーワード
(Keywords)
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
登録番号
(Registration number)
1000246580解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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