レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/03/09
- 登録日時
- 2011/07/28 02:00
- 更新日時
- 2011/08/03 09:38
- 管理番号
- 千県中千葉-2011-0006
- 質問
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未解決
明治期に刊行された『木更津新聞』について調べている。『木更津新聞』については、長野県出身のジャーナリスト栗岩英治(1878-1946)の年譜によると、栗岩が20代に新聞社の編集主幹となったとあるが、それについても知りたい。
- 回答
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千葉県立中央図書館所蔵の『木更津新聞 第1号』(澪川定夫〔1987〕)には刊行主、編集主幹の記載はありませんでした。また、複数の資料に木更津新聞に関する記載がありましたが、刊行主、編集主幹についての記載はありませんでした。
この木更津新聞は、『日本初期新聞全集 別巻索引・年表・解題集』(鈴木雄雅監修 編年複製版 ぺりかん社 2000)p146「木更津新聞」の項によると、明治6年(1873)に創刊し、「翌明治七年木更津県が廃止される頃には、同紙も消滅したようである」とあり、栗岩英治の生没年(1878-1946)と年代が合いません。
- 回答プロセス
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以下の資料に「木更津新聞」について記載あり。
『千葉県の歴史 通史編 近現代1』(千葉県史料研究財団編 千葉県 2002)p92に1871(明治4)年木更津県成立時の施策について書かれた中に、1873(明治6)年1月に『木更津新聞』を発行などにより施策の浸透に気を配っているという旨の記述あり。
『日本初期新聞全集 別巻索引・年表・解題集』(鈴木雄雅監修 編年複製版 ぺりかん社 2000)以下、p146『木更津新聞』の項-「明治六年一月に創刊された、千葉県で最初の地方新聞。当時木更津には木更津県庁が置かれていた。官報的色彩の強かった『木更津新聞』は二号活字の木版刷り、半紙大の大きさで、政府や県の宣伝、発表的な記事が多かった。価格は二銭五厘。
『木更津新聞』の原存紙は、一月十五日付け創刊第一号だけである。「題言」で新聞の意義が書かれており、「木更津新聞ハ?ク海内外公私ノ異聞ヲ輯メコレヲ房総ノ人ニ示シ又房総公私ノ異聞ヲ採り…」出版するとしている。学校設立や学資金の配布、育児手当て、街灯設置など社会状況にも触れ
ている。江戸時代から明治にかけてその地理的特性が木更津・東京間の船運を盛んにしたが、それにより東京とこの地の文化接触を強くしたといえる。しかし翌明治七年木更津県が廃止される頃には、同紙も消滅したようである。同年には『千葉輯録』『千葉県日誌』が発行されるが、長くは続かなか
った。(鈴木雄雅)
『木更津市史』(木更津市 1972)p506-508「第一節 明治時代初期の社会相」の中に木更津新聞について以下の記述あり。「現在、東京大学法学部明治新聞雑誌文庫中に保存されているが、判は半紙半切の大きさで、木版摺りである。木更津新聞第壹号、明治六年一月、價貳銭五厘、木更津県検査との印章が刻されている。全編は半紙十二枚綴りで、ことごとく二号活字で印刷されている。奥付はなく発行所は不明であり、第一号だけでその後発行されたか否かも不明であるが、これは木更津県に県庁があったためにできた新聞であることは疑いない。県庁が布告布達を印刷して頒布する便宜上、活版所を設けさせて、それに印刷御用を命じたものであろう。
「題言」として巻頭に載っている一文は、当時の世相・風潮を知る上において、興味深いものがある。以下その記事を転載して、木更津周辺の社会生活を概観してみよう。」とあり、更に約2ページにわたって、記事の転載があり。
見出しは、「題言」、「学資金戸口配賦方略之」、「木更津村字南町一同」、「第一区一画望陀郡請西村長楽寺願書写」、「叢談」。
昭和62年に復刻された『木更津新聞 第1号』(澪川定夫 〔1987〕)の付録として木更津県庁の文書及び県庁新聞掛による掲示文あり。付録の表紙には、木更津県庁では、何人かに新聞を発行させることにし、文部省に出願して発行の許可を得たこと、何故かこの1号限りで廃刊したこと、木更津県の存在が1年7ヶ月だったことなどが書かれている。
『房総新聞史料展』([千葉県読書週刊実行委員会][1956])p2-4「千葉県新聞小史」の冒頭に以下の記述があり。「千葉県で最初に新聞が誕生したのは、明治6年1月木更津で発行された木更津新聞である。発行は木更津県庁で、新聞係という官員が編集発行したもので、ニュースは県下三カ所に投書箱を置き、これによって取材、県報と併せて発行するという半官半民的な新聞であったが、一号にして廃刊した。」また、p4-8には千葉県新聞年表が記載。
『木更津新聞 第1号』(澪川定夫 〔1987〕)復刻版を発行した澪川定夫が書いた文章を下記データベースで探すがなし。
・千葉県立図書館ホームページ「歴史関係雑誌記事索引」
(http://www.library.pref.chiba.lg.jp/03search_chiba/index.html)
栗岩英治を『講談社日本人名大辞典』で調査。生没年は1878-1946である。
・国立国会図書館「雑誌記事索引」
(http://opac.ndl.go.jp/index.html)
(インターネットの最終アクセス:2011年6月23日)
- 事前調査事項
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『栗岩英治日記』(ほおずき書籍 1990)
- NDC
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- ジャーナリズム.新聞 (070 9版)
- 参考資料
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- 『千葉県の歴史 通史編 近現代1』(千葉県史料研究財団編 千葉県 2002) (0200785843)
- 『日本初期新聞全集 別巻索引・年表・解題集』(鈴木雄雅監修 編年複製版 ぺりかん社 2000) (0105537827)
- 『房総新聞史料展』([千葉県読書週刊実行委員会][1956]) (9200008207)
- 『木更津新聞 第1号』(澪川定夫〔1987〕) (9200015177)
- 『木更津市史』(木更津市史編集委員会編 木更津市 1972) (9200271963)
- 『講談社日本人名大辞典』(上田正昭ほか監 講談社 2001) (0105671421)
- キーワード
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- 木更津新聞
- 千葉県-木更津市
- 栗岩英治
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000089295