レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年03月08日
- 登録日時
- 2015/10/04 11:51
- 更新日時
- 2015/10/04 11:52
- 管理番号
- 川図14-32
- 質問
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解決
社史や技報等に、日本で最初に作られたアイスクリーム用冷凍ショーケースに関する記述はあるか。
- 回答
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以下の①~⑨の資料を紹介した。
①『日本冷凍史』(日本冷凍協会日本冷凍史編集委員会、日本冷凍協会、1975)
②『冷凍空調史』(井上宇一、日本冷凍空調設備工業連合会、1993)
③『富士電機社史 2』(富士電機製造株式会社、富士電機製造、1974)
④『明治乳業50年史』(明治乳業株式会社 編、明治乳業株式会社、1969)
⑤『三菱電機冷熱事業史』(三菱電機株式会社、三菱電機、1985)
⑥『東京芝浦電気株式会社八十五年史』(東京芝浦電気株式会社、東京芝浦電気総合企画部社史編纂、1963)
⑦沖本政夫.「冷凍機応用品」.『三菱電機技報』.35巻4号(1961年),p.30-35
⑧『三共電器三十年史』(三共電器株式会社、三共電器、1973)
⑨ 『コールドチェーンハンドブック』(食品流通システム協会、日刊工業新聞社、1977)
- 回答プロセス
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当館OPACで<日本 冷凍>と検索し、①、②の図書を確認した。
次に、①の記述と巻末年表の裏付けとして4社(富士電機・明治乳業・三菱電機・東京芝浦電気)の社史③~⑥を調査した。三菱電機に関しては、CiNiiで<三菱 ショーケース>と検索したところ、製品を紹介する⑦の技報が見つかった。
社史の棚をブラウジングをしている際に、⑧の社史にも関連する記述が見られた。
また、検索エンジンで<冷凍>と検索したところ、日本冷凍空調学会のウェブサイト(http://www.jsrae.or.jp/ 最終確認日:2015/10/2)がヒットし、<コールドチェーン>というキーワードが出てきた。OPACで<コールドチェーン>と検索すると、⑨の参考図書が見つかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 熱機関.熱工学 (533)
- 電気工学 (540)
- 食品工業 (588)
- 参考資料
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日本冷凍史編集委員会 編 , 日本冷凍協会. 日本冷凍史. 日本冷凍協会, 1975.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001143725-00 (→p.295 に次の記載あり
・昭和30年(1955年)ころ富士電機製造㈱では、冷凍食品販売用にはじめてガラスぶた付きのディープフリーザを製作し、市販した。
まもなく起こったアイスクリームブームに便乗して、各家電メーカーではアイスクリーム店頭販売用として冷凍ショーケースの量産をはじめ、このショーケースが冷凍販売にも利用された。
→巻末年表p.519-554に次の記載あり
・昭和25年 明治乳業㈱が冷凍機付アイスクリーム用ショーケースを輸入。
・昭和29年 三菱電機、アイスクリームストッカ2000台を量産して協同乳業に納入。
・昭和31年 東京芝浦電気、アイスクリームストッカ開発。) -
井上 宇市/著 , 井上‖宇市. 冷凍空調史. 日本冷凍空調設備工業連合会, 1993.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I064476521-00 (→p.51 国内各社の冷凍機開発年度の表において、ストッカーの開発で最も古いのは「三菱電機」(昭和21年)となっている。) -
富士電機製造株式会社 編 , 富士電機製造株式会社. 富士電機社史 2. 富士電機製造, 1974.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I014226773-00 (→①の記述の裏付けとなるような箇所は見つからず、p.220に次の記載があるのみ。
・昭和40年から中小形の冷蔵ショーケースを発売。その後機種をそろえ冷凍ショーケース(アイスクリーム用)など7形式を市場に。) -
明治乳業株式会社/編 , 明治乳業株式会社. 明治乳業50年史. 明治乳業株式会社, 1969.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I014312490-00 (→p.196に次の記載あり
・昭和20年~昭和.25年 GHQにより横浜工場と両国工場が進駐軍用アイスクリーム工場として接収される。その間当社も新たに学ぶところがあった。
→p.272に次の記載あり
・アイスクリーム製造用の機器、早くも大正時代に輸入。すべて同社が先手を打った。
・太平洋戦争後、両国工場が連続式フリーザーを我が国で初めて輸入。) -
三菱電機冷熱住設事業部/編 , 三菱電機冷熱住設事業部. 三菱電機冷熱事業史. 三菱電機冷熱住設事業部, 1985.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I021526805-00 (→p.201-「ショーケース物語」において、次の記載あり
・冷凍機によるストッカーの開発は、昭和29年(1954)名古屋製作所でCM-40形を開発し、協同乳業に納入したのが始まり。
・上ぶたにペアガラスをはめ込み、内壁にロードラインを設定したCP形ショーケースへ。
→巻頭p.56にストッカーのカラー写真あり
→巻末に冷熱技術についての年表あり) -
東京芝浦電気株式会社 , 東京芝浦電気株式会社総合企画部社史編纂室 編. 東京芝浦電気株式会社八十五年史. 東京芝浦電気, 1963.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000745568-00 (→p.487-「第3章 家庭用電気器具」にアイスクリームストッカおよび冷凍・冷蔵ショーケースに関する次の記載あり
・昭和31年にCR-12形として、内容積12ℓのストッカを市場に出すにいたった。
・昭和35年に80ℓ・170ℓ級のアイスクリーム、冷凍食品用のショーケースを開発し、需要先から絶賛を受けた。) -
沖本 政夫 , 沖本 政夫. 冷凍機応用品. 1961-04. 三菱電機 35(4) p.30-35.
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I9207844-00 (→⑤の社史で挙げられていた、当時の三菱製アイスクリームストッカ(CM形、CP形)が紹介されている。) -
三共電器株式会社社史編纂委員会 編 , 三共電器株式会社. 三共電器三十年史. 三共電器, 1973.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001148995-00 (→p.44-冷凍冷蔵ショーケースの開発について次の記載あり
・昭和33年に甲府の石山冷果にストッカー50台を納入。
・上蓋をガラスに改良したショーケース・タイプのストッカーがはじめて登場。
・その後、アイスクリームの冷凍ショーケースは、横から見ても中の商品がよく見えるように、また子供が上蓋を開いて中のアイスを直接手にとって買えるようにした純然たるショーケースを業界に先がけて開発した。
※サンデン(現在の社名)のウェブサイト(http://www.sanden.co.jp/company/history.html#1950 最終確認日:2015/10/2)にも、「1958(昭和33年)6月 アイスクリーム冷凍ストッカー、冷蔵ショーケースの生産開始」と掲載されている。) -
食品流通システム協会 編 , 食品流通システム協会. コールド・チェーン・ハンドブック. 日刊工業新聞社, 1977.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001343029-00 (→p.602に次の記載あり
・ガラスぶた付きのディープフリーザーの国産の初めは富士電機工業㈱で昭和30年ころである。まもなくアイスクリームのブームが起こって、各家電メーカーがアイスクリームの店頭販売用のショーケースを量産するようになり、これが冷凍食品の販売にも利用された。) -
新三菱重工業株式会社 編 , 新三菱重工業株式会社. 新三菱重工業株式会社史. 新三菱重工業, 1967.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I014229635-00 (→p.393に次の記載あり
・昭和25年、2気筒1/4馬力小型開放型冷凍機をベースにアイスクリーム貯蔵用ストッカが開発されてから、31年に密閉型コンプレッサを装備するように改良した。)
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日本冷凍史編集委員会 編 , 日本冷凍協会. 日本冷凍史. 日本冷凍協会, 1975.
- キーワード
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- 冷凍
- コールドチェーン
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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追加調査として、三菱重工のウェブサイト(https://www.mhi.co.jp/aircon/introduction/history/1942.html 最終確認日:2015/10/2)を閲覧したところ、「昭和24年 ストッカ(冷蔵・冷凍ショーケース)第1号機完成」という記述があったため、⑩の社史で確認した。
⑩『新三菱重工業株式会社史』(新三菱重工業株式会社、新三菱重工業、1967)
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000182009