レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 1997/06/09
- 登録日時
- 2005/02/11 02:34
- 更新日時
- 2009/10/07 08:18
- 管理番号
- 埼久-1997-028
- 質問
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解決
寺田寅彦の「天災は忘れた頃にやって来る」という言葉が載っている随筆をみたい。
- 回答
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弟子の中谷宇吉郎が「天災は忘れた頃来る」(昭和30年8月)という題の随筆を書いており、『中谷宇吉郎随筆集』(岩波文庫)に記述が見られる。これを回答する。
- 回答プロセス
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『成語大辞苑』(主婦と生活社)には言葉は出ているが、出典はなし。
『朝日人物事典』では「ジャーナリズムに引用される「天災と国防」のような警世の言」とある。
『寺田寅彦全集』の中の随筆「天災と国防」にあたるが確認できず。
『人物記念館事典』から高知県の寺田寅彦記念館に問い合わせる。弟子の中谷宇吉郎が「天災は忘れた頃来る」(昭和30年8月)という題の随筆を書いているとの回答を得る。
『中谷宇吉郎随筆集』(岩波文庫)でこれを確認する。
追記:《Google》で検索すると「寺田寅彦記念館」は独自にWebサイトを運営はしていない模様。連絡先は以下の通り。高知市小津町4-5 電話:088-873-0564 問合せ先 高知市教育委員会生涯学習課 電話:088-822-6394(2008/03/14確認)。
追記:備考欄コメント(2009/10/06分)にしたがい、『寺田寅彦と現代 等身大の科学をもとめて』(池内了 みすず書房 2005)の県立熊谷図書館所蔵を確認する(2009/10/07確認)。
- 事前調査事項
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「寺田寅彦随筆集 1~5」(岩波文庫)「現代の随想 8 寺田寅彦集」(弥生書房)にはなかった。
- NDC
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- 評論.エッセイ.随筆 (914 9版)
- 人生訓.教訓 (159 9版)
- 環境工学.公害 (519 9版)
- 参考資料
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- 『中谷宇吉郎随筆集』(岩波書店 1988)
- キーワード
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- 自然災害
- 寺田 寅彦(テラダ トラヒコ)
- 随筆
- 中谷 宇吉郎(ナカヤ ウキチロウ)
- 格言-人生訓
- 照会先
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- 寺田寅彦記念館
- 寄与者
- 備考
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香川県立図書館よりコメントをいただく(2008/11/05)。以下、調査情報の本文。
関連情報があったので、次の通りコメントします。よろしくお願いします。
・スープのさめない距離 辞書に載らない言い回し56 道浦俊彦/著 小学館 2007. 12
p.144-146「天災は忘れたころにやってくる」
この事例で書かれているような内容をもう少し掘り下げて書かれていました。
香川県立図書館より再度コメントをいただく(2008/12/25)。以下、調査情報の本文。
・児童生徒に聞かせたい名言1分話 「贈る言葉」として最適253話 柴山一郎/著 学陽書房 2008.2
※p.79「天災は忘れた頃にやってくる。」の項に、次の記述あり。
「この名文句は、寺田寅彦の随筆『天災と国防』(昭和九年)にある一節を弟子の中谷宇吉郎が要約したものといいます。「寺田先生が防災科学を説くときにいつも使われた言葉」として紹介され広く知られるようになりました。・・・」
香川県立図書館より再度コメントをいただく(2009/10/06)。以下、調査情報の本文。
・寺田寅彦と現代 等身大の科学をもとめて 池内了/〔著〕 みすず書房 2005.1
※p.134-「第5章 自然災害の科学」の冒頭の「天災は忘れた頃にやってくる」の項に、
次のような趣旨の文章があります。
寺田寅彦の文章にこの言葉は発見できないが、近い表現として、「天災と国防」(S9.11)にある
「畢竟そういう天災が極めて稀にしか起こらないで、ちょうど人間が歯車の転覆を忘れた頃に
そろそろ後車を引き出すようになるからであろう」という文章が紹介され、
これを要約したのが、「天災は忘れた頃にやってくる」である。
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000017074