レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年12月19日
- 登録日時
- 2016/02/03 12:59
- 更新日時
- 2016/02/07 15:06
- 管理番号
- 宇南16-00231
- 質問
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解決
「寶祚之隆 天壌無窮」の意味を知りたい。寶は宝の旧字体である。
- 回答
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1『日本書紀 1 新編日本古典文学全集2』により,『日本書紀』の記載は下記のとおり。
p.130「日本書紀 巻第二 神代下 第九段 一書第一」
原文:葦原千五百秋瑞穂之国,是吾子孫可王之地也。宜爾皇孫就而治焉。行矣。宝祚之隆,当与天壌無窮者矣。
訓下し本文:「葦原千五百秋瑞穂国は、是,吾が子孫の王たるべき地なり。爾皇孫就いて治せ。行矣。宝祚の隆えまさむこと,天壌と無窮けむ」とのたまふ。
(「あしはらのちいほあきのみずほのくには,これ,あがうみのこのきみたるべきつちなり。なむぢすめみまゆきてしらせ。さきくませ。あまつひつぎのさかえまさむこと,あめつちときはまりなけむ」とのたまふ。)
現代語訳:「葦原千五百秋瑞穂国は、我が子孫が君主たるべき地である。汝皇孫よ,行って治めなさい。さあ,行きなさい。宝祚の栄えることは,天地とともに窮ることがないであろう」と仰せられた。
2『神道事典 縮刷版』
p.389 「神勅」の項に,「天壌無窮(てんじょうむきゅう)の神勅」についての説明あり。
「『日本書紀』天孫降臨章にみえる皇孫ニニギがアマテラスより受けた「天壌無窮(てんじょうむきゅう)の神勅」「宝鏡奉斎(ほうきょうほうさい)の神勅」「斎庭稲穂(ゆにわのいなほ)の神勅」のいわゆる三大神勅をいう。」
p.391 「天壌無窮」の項に,下記の説明あり。
「『日本書紀』天孫降臨章第一の一書にある、アマテラスが皇孫ニニギに勅した「葦原の千五百秋の瑞穂国は、是れ吾子孫の王たるべき地なり。宜しく爾皇孫就いて治せ。さきくませ。宝祚の隆えまさむこと、まさに天壌と窮り無かるべし」に由来した語句。語義は天地のある限り永遠の意。」
3『わかりやすい神道の歴史』
p.23 「補記 三大神勅」の項に,「天壌無窮」についてのわかりやすい説明あり。
「天つ日嗣(あまつひつぎ)の栄えることは、天地とともに永久につづき、窮まることがないであろう。〈注/天つ日嗣とは天照大神の系統をうけつぐ天皇の位〉」
- 回答プロセス
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ジャパンナレッジで「天壌無窮」を検索した。
日本国語大辞典に「天壌無窮の神勅」があり,出典が日本書紀であることがわかった。
レファレンス協同データベースで「天壌無窮」を検索すると類似事例があり,神道の本にも記述があることがわかった。
近畿大学中央図書館 「天壌無窮の神勅を知りたい」
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000101836
- 事前調査事項
- NDC
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- 神衹・神道史 (172 8版)
- 日本史 (210 8版)
- 小説.物語 (913 8版)
- 参考資料
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小島, 憲之 , 小島, 憲之. 日本書紀 1. 小学館, 1994. (新編日本古典文学全集)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I045391896-00 , ISBN 4096580023 -
國學院大學日本文化研究所 編 , 国学院大学日本文化研究所. 神道事典 縮刷版. 弘文堂, 1999.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002855849-00 , ISBN 433516033X -
神社本庁研修所 編 , 神社本庁. わかりやすい神道の歴史. 神社新報社, 2005.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008073676-00 , ISBN 4915265056
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小島, 憲之 , 小島, 憲之. 日本書紀 1. 小学館, 1994. (新編日本古典文学全集)
- キーワード
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- 天壌無窮(てんじょうむきゅう)
- 神勅
- 三大神勅
- 日本書紀
- 天照大神(あまてらすおおみかみ)
- 邇邇芸命(ににぎのみこと)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000187808