レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/08/01
- 登録日時
- 2014/10/03 00:30
- 更新日時
- 2014/10/03 00:30
- 管理番号
- 滋2014-0047
- 質問
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解決
岩波文庫の『古句を観る』(柴田宵曲著)に、「子を運ぶ猫の思ひや春の雨 里倫」という俳句が収録されている。この句が掲載された俳書の書名と発行者・発行年など基本的な書誌事項を知りたい。
- 回答
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ご質問のありました句が掲載されている俳書は「俳諧猿舞師」です。『日本俳書大系 3』で確認しました。『元禄時代俳人大観 第2巻』によりますと、「俳諧猿舞師」は「京寺町二条上ル町/井筒屋庄兵衛板。松氏種文編。発句・連句集。半紙本一冊。(中略)元禄十一年寅歳七月(後略)」とあります。「元禄十一年」は西暦1698年です。
- 回答プロセス
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1. 『古句を観る』の中にある森銑三の解説「宵曲子とその著『古句を観る』」に、「『古句を観る』の古句は元禄時代芭蕉の息のかゝつた俳書から集めたのであるが、その中には芭蕉やその周囲の主だった人達の句は一つも採らず、無名作家の手になった作句ばかりを集めてゐる。」とあった。
2.『元禄時代俳人大観 第1巻』と『元禄時代俳人大観 第2巻』を調査し、「芭蕉庵小文庫」が元禄9年に、「俳諧猿舞師』が同11年に、「京寺町二条上ル町/井筒屋庄兵衛板。」で発行されていることを確認。
3.「蕉門」と「俳諧」をキーワードに資料を検索。『日本俳書大系 2』の巻名が「蕉門俳諧 前集」、『日本俳書大系 3』が「蕉門俳諧 後集」であることを確認。後者に「俳諧猿舞師」が収録されていて、質問のあった句が掲載さ;れていることを確認。
4.「俳諧猿舞師」の書誌事項は『元禄時代俳人大観 第2巻』の記載を回答。
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 8版)
- 参考資料
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- 1 日本俳書大系 3 蕉門俳諧 後集 日本俳書大系刊行会 1926年 2-P308-3 p.300
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2 元禄時代俳人大観 第2巻(元禄11年~宝永4年) 佐藤勝明∥編 伊藤善隆∥編 八木書店 2011.11 R-9113-ケ p.36-37 -
1 古句を観る 柴田宵曲∥著 岩波書店 1984年 3-IG-106 p.95,355
- キーワード
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- 里倫
- 俳人俳諧猿舞師
- 井筒屋庄兵衛
- 松氏種文
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000160528