レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年6月14日
- 登録日時
- 2019/01/08 16:59
- 更新日時
- 2019/03/22 11:20
- 管理番号
- 埼久-2018-077
- 質問
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解決
松尾芭蕉の俳句「荒海や佐渡に横たふ天の川」についての句評や解説などを載せている文献及びこの句に付けられている「銀河の序」という俳文について初稿と最終稿の成立時期や出典の違いなどを知りたい。
- 回答
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以下の資料を提供した。
1 句評や解説について
『新芭蕉俳句大成 諸注評釈』(堀切実[ほか]編 明治書院 2014)
p65-66「あら海や佐渡によこたふ天河(あまのがわ)」(真蹟懐紙)の解釈・語釈あり。
p66-68 文献を分類し、本文を引用しながら要旨を紹介している。
p(3)-(17) 引用書目及び引用書目改題あり。
『新芭蕉講座 第8巻 紀行文篇』(三省堂 1995)
p47-48「あら海や佐渡に横たふ天河」に対する著者の句評あり。
p268-271「荒海や佐渡によこたふ天河」に対する句評あり。
『諸注評釈芭蕉俳句大成』(岩田九郎著 明治書院 1991)
p5-6 引用及び参考にした「引用書目解題」あり。
p76-79「荒海や佐渡によこたふ天の河」(「奥の細道」所収。)の解釈、鑑賞と句評あり。
注釈に記載されていた文献は、『芭蕉雑談』『研究』『綜合』『細道評論』『批評』。
『奥の細道 俳句 俳文 俳論』(弥吉菅一著 文研出版 1969)
p12 参考書・注釈書の一覧あり。
p238-244「四六 越後路」の項に「荒川や佐渡によこたふ天川」の句あり。句の「句解」、「研究」あり。
2 「銀河の序」について
『奥の細道 俳句 俳文 俳論』(弥吉菅一著 文研出版 1969)
p238-244「四六 越後路」の項に「荒川や佐渡によこたふ天川」の句あり。
p243「研究」に「銀河の序」についての考察あり。
「ほぼ四種類のものがある。①『風俗文選』のもの、②『柴橋』所収のもの、③『雪丸げ』所収のもの、④菊本直次郎氏蔵の真蹟。そのうち『風俗文選』に収めたものが、最も長くて整っている。」とあり。
『芭蕉俳文集 上 岩波文庫』(芭蕉著 堀切実編注 岩波書店 2006)
p255-263 「銀河ノ序」について記述あり。5つの俳文(出典「本朝文選」、「真蹟懐紙『俳人の書画美術・芭蕉』」、「しばはし」、「真蹟懐紙『おくのほそ道・芭蕉展図録』」、「真蹟懐紙『定本芭蕉大全』」)の解説と評あり。
解説では「銀河の序」の初稿に近いものとして、「真蹟懐紙『俳人の書画美術・芭蕉』」と「芭蕉図譜」をあげている。最終稿は、おそらく『本朝文選』収録の文としている。画賛として許六に送られ、「芭蕉が許六に、完成した「銀河ノ序」を与えたのは、『おくのほそ道』の執筆とのかかわりから、元禄六年四月末から五月はじめの頃であったであろう。」とあり。
『新芭蕉講座 第9巻 俳文篇』(三省堂 1995)
p60-67「銀河の序」あり。この俳文についての解説、語釈、口訳等が掲載されている。
p61「解説」中に、「芭蕉が『奥の細道』の文をものした時、あら海の句を「文月や六日も常の夜には似ず」と並べて、「暑湿の労に神を悩まし、病起 りて事をしるさず」とのみ、極めて簡潔に記事をはこんでしまったために、後世の撰集では、詞書に異同を生じてしまった」、「自作、他作とりまぜて いろいろある。」とあり。
「一般に流布されているのは本編にとった『風俗文選』ので、これは『蓬莱島』『芭蕉翁文集』に採られているのと同じである。」とあり。参考として6書が挙げられている。(注)参考については、p66-67参照。
p66「参考」に、「解説にも述べたごとく、この序は所伝がいろいろあるが、本文のが決定された文で他はその過程を示すものらしい」とあり。
『芭蕉俳文句文集 諸本対照』(弥吉菅一[ほか]著 清水弘文堂 1977)
p475-482「銀河の序-元禄六年三・四月-」の項あり。多数の俳文と出典等の記述あり。
p479「解説」に「「荒海」の句の前文は、特に題はつけられておらず、一般に『風俗文選』にのった文の「銀河の序」が総名として用いられる。 この種の文の初稿は、『定本芭蕉大成』『校本芭蕉全集第六巻』にのった真蹟懐紙である。これには蝕損があるが、同系統のロ『蕉翁文集』所収のものに よって充塞し得る。」とあり。(注)「真蹟懐紙」についてはp476参照。
p483「荒海の句文成立伝来過程図」あり。
- 回答プロセス
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1 NDC分類〈911.32〉(松尾芭蕉)の棚を確認する。
2 データベースを検索する。
(1)《CiNii Articles》(http://ci.nii.ac.jp/ 国立情報学研究所)を〈銀河の序〉で検索する。
桜井武次郎著「句と文の親密度(銀河の序)--佐渡に横たふ天の河 (芭蕉を読む--いま,原点から<特集>) -- (俳文を読む)」(『国文学 解釈と教材の研究 1983年1月 28(1)』p79-83 学灯社 1983.1)
該当記述なし。
(2)《CiNii Articles》(http://ci.nii.ac.jp/ 国立情報学研究所)を〈おくのほそ道〉で検索する。
(3)《CiNii Articles》(http://ci.nii.ac.jp/ 国立情報学研究所)を〈おくのほそ道 & 銀河の序〉で検索する。
(3)《CiNii Articles》(http://ci.nii.ac.jp/ 国立情報学研究所)を〈おくのほそ道 & 越後〉で検索する。
ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2018年6月14日。
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 9版)
- 参考資料
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- 『新芭蕉俳句大成 諸注評釈』(堀切実[ほか]編 明治書院 2014) , ISBN 4-625-40407-X
- 『新芭蕉講座 第8巻 紀行文篇』(三省堂 1995)
- 『諸注評釈芭蕉俳句大成』(岩田九郎著 明治書院 1991) , ISBN 4-625-40008-2
- 『奥の細道 俳句 俳文 俳論』(弥吉菅一著 文研出版 1969)
- 『芭蕉俳文集 上 岩波文庫』(芭蕉著 堀切実編注 岩波書店 2006) , ISBN 4-00-302069-3
- 『新芭蕉講座 第9巻 俳文篇』(三省堂 1995)
- 『芭蕉俳文句文集 諸本対照』(弥吉菅一[ほか]著 清水弘文堂 1977)
- キーワード
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- 松尾 芭蕉(マツオ バショウ)
- 俳句-評釈
- 俳文-歴史
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000249918