レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008/1/11
- 登録日時
- 2009/12/18 02:10
- 更新日時
- 2021/02/25 14:19
- 管理番号
- 中央-2009-05
- 質問
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「朝霜の 岡の紅葉は 思い知れ おのが下なる 苔の心を」の出典が知りたい。お茶のお稽古で聞いた。
- 回答
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出典は、藤原定家の「藤川(河)百首」である。
手がかりを得るために、インターネットで、日本文化に関する様々なデータベースを作成している国際日本文化研究センターの[和歌データベース]
http://lapis.nichibun.ac.jp/waka/menu.html の「語句検索」で、<こけのこころ>で検索すると、2件ヒットした。
「鎌倉時代」00256と01552で、どちらも同じ句で、定家の句である。
例えば「01552」には、「拾遺愚草員外 藤川百首」の中の「あさしもの にはのもみちは おもひしれ おのかしたなる こけのこころを 定家」と記されている。(最終検索日:2020年4月30日)
藤原定家の歌と確認されたので、資料2を調査したところ、p.14に 「あさしもの-をかのもみちは」は 3613(通し番号)とあった。
資料3:p.125には、通し番号3613 「霜埋落葉」の題で
「朝霜のをか([庭]と横に添え書きあり)のもみちは思しれをのか下なるこけの心を」とあり、「拾遺愚草員外雑謌」の「藤川百首」のうちの「冬十首」の第2番目に書かれている。
資料4:「拾遺愚草 しゅういぐそう」の項目には、「四巻。和歌。藤原定家の家集。自撰。建保四年(1216)正編の三巻が成り、以後何次かにわたって追補され、最晩年に員外(続集)一巻を編むことによって最終的に成立。(以下略)」とある。
資料5:「藤河百首 ふじかわひゃくしゅ」の項目には、【諸本】のところに「『拾遺愚草』員外の末尾に加えられているが、後人の増補。単行のものは続群書類従所収。」と記載されている。
資料6:p.814-819に「定家卿藤川百首」があり、当該の和歌はp.817に「霜埋落葉」の題のもとに
「朝霜の庭のもみちは思ひしれをのかしたなる苔の心を」の字遣いで掲載されている。
資料7:p.135には、3行程度の訳注が記されている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】 新編国歌大観 [ 電子資料 ] : CD-ROM版 / 『新編国歌大観』編集委員会∥監修 . Ver.2 / 角川書店 , 2003.6 <PR/911.10/5086/2003>
- 【資料2】 藤原定家全歌集全句索引 索引篇 / 赤羽淑∥編著 / 笠間書院 , 1974 ( 笠間索引叢刊 第42 ) <R/J114/フ41/5-2>
- 【資料3】 藤原定家全歌集全句索引 本文篇 / 赤羽淑∥編著 / 笠間書院 , 1973 ( 笠間索引叢刊 42 ) <J114/フ41/5-1>
- 【資料4】 日本古典文学大辞典 第3巻 / 日本古典文学大辞典編集委員会∥編 / 岩波書店 , 1984 <R/J033/21/3C>
- 【資料5】 日本古典文学大辞典 第5巻 / 日本古典文学大辞典編集委員会∥編 / 岩波書店 , 1984 <R/J033/21/5C>
- 【資料6】 続群書類従 第14輯 下 和歌部 / 塙保己一∥編纂 . 訂正3版 / 続群書類従完成会 , 1977 <0810/Z340/Z1-14-2>
- 【資料7】 藤原定家全歌集 : 訳注 下 / 藤原定家∥著 / 河出書房新社 , 1986.6 <J114/フ41/18-2>
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000060912