レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年05月24日
- 登録日時
- 2013/11/19 10:52
- 更新日時
- 2014/02/03 15:00
- 管理番号
- 埼熊-2013-060
- 質問
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未解決
木戸孝允が友人に宛てた手紙の中の語句「移り上もって」の読み方が知りたい。
出典資料は「岩倉使節団」(泉三郎著 祥伝社 2012)引用の出典は不明。
「本朝ただ開化開化と名利に相馳せ、友人知己も旧を忘れ、本を失し、軽薄をもって常となし候様、畢竟これらは儒も仏も耶蘇も何もこれなく、主として枝葉の利に移り上もって意となさるる処より生じ申すべく候」
参考文献として「木戸孝允日記」(東京大学出版会)「史実考証 木戸松菊公逸事」(有朋堂書店)とあり。
- 回答
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読みが掲載されている資料は見つからなかった。
- 回答プロセス
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出典の手紙、出典資料の参考文献を確認する
『木戸孝允関係文書 1-4』(木戸孝允関係文書研究会編 東京大学出版会 2005-2009)
本書に収められている書簡は木戸孝允宛のもので、木戸孝允が発信したものではない。
『山縣有朋関係文書 2』(尚友倶楽部山縣有朋関係文書編纂委員会編 山川出版社 2006)
p27-55に木戸孝允発信の書簡を収録。該当なし。
『伊藤博文関係文書 4』(伊藤博文関係文書研究会編 塙書房 1976)
p168-308に木戸孝允発信の書簡を収録。該当なし。
「岩倉使節団 誇り高き男たちの物語」(質問資料)
p243に質問の文章あり。「主として枝葉の利に移り上もって意となさるる処より生じ申すべく候」句読点なし。出典も「友人宛の手紙」とあるのみ。
『史実考証木戸松菊公逸事』(妻木忠太著 村田書店 1984)
出典資料の該当箇所が「岩倉使節団」に関する項だったため、明治5年-7年頃の記述をみるが、該当なし。
古文書関係資料を確認する
以下の資料の〈うつる 移〉の項を確認するが、該当なし。
『古文書用語大辞典』(佐藤孝之、天野清文著 新人物往来社 2006)
『古文書用語辞典』(佐藤孝之、天野清文編 東京 新人物往来社 2012)
『新編古文書解読字典』(根岸茂夫〔ほか〕編 柏書房 1993)
『古文書古記録語辞典』(阿部猛編著 東京堂出版 2005)
『古文書解読事典 文書館へいこう』(太田尚宏、保垣孝幸編 東京堂出版 2000)
国語辞典・古語辞典で用例を調べる。すべて大体同内容で「上もって」の記述なし。
『言泉 日本大辞典 〔1〕』(落合直文著 芳賀矢一改修 日本図書センター 1981)
p824「かみ 上〔名〕」の項より、「高き処。うへ。上部。(下(シモ)に対して)」「天皇の尊称」「官庁の敬称」「かみ(神)」「尊き人。人の上に位する人。主人。」との記述あり
『大辞林』(三省堂 2006)
p514「かみ 上」の項
『新潮国語辞典 現代語・古語』(新潮社 1995)
p445「かみ 上」の項
『角川古語大辞典 1』(中村幸彦〔ほか〕編 角川書店 1982)
p866「かみ 上 名」の項
『言泉 日本大辞典 〔5〕』(落合直文著 芳賀矢一改修 日本図書センター 1981)
『現代に生きる幕末・明治初期漢語辞典』(佐藤亨著 明治書院 2007)
『角川古語大辞典 5』(中村幸彦〔ほか〕編 角川書店 1999)
該当なし。
方言辞典類を調べる
『山口県方言辞典』(山中六彦著 マツノ書店 1975)
p17「うつり 贈物へのおうつり。いれぞめ。」「うつる (動) よく似つく。恰好よい。」との記述あり。
『全国方言辞典』(東条操編 東京堂出版 1984)
p813「もって (助) つつ。ながら。」(徳島・愛媛・高知)との記述あり。
- 事前調査事項
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『大漢和辞典』(大修館書店 1984-86)
『日本国語大辞典』(小学館 2000-2002)
『解読近世書状大鑑』(林英夫監修 柏書房 2001)
『古文書大字叢』(柏書房 1999)
『古文書用字用語大辞典』(柏書房 1980)
『江戸語辞典』(大久保忠国、木下和子編 東京堂出版 1991)
『明治のことば辞典』(惣郷正明、飛田良文編 東京堂出版 1986)
『木戸孝允 維新前夜の群像 中公新書』(大江志乃夫著 中央公論社 1984)
- NDC
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- 個人伝記 (289 9版)
- 語彙 (814 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 書簡
- 木戸 孝允(キド タカヨシ)
- 岩倉使節団
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 人物 言葉
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000140712