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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
埼玉県立久喜図書館 (2110009)管理番号
(Control number)
埼浦-2014-024
事例作成日
(Creation date)
2013年02月03日登録日時
(Registration date)
2014年07月16日 16時44分更新日時
(Last update)
2014年09月19日 14時36分
質問
(Question)
上意を伝える書状の、表書きの使い分けについて知りたい。
時代劇でみる「上意である」と書状を掲げて言う場面において、その書状の表書きに「上」と書いてある場合と「下」と書いてある場合があった。
回答
(Answer)
上意を伝える場合の表書きで「上」と「下」を使い分けるという記述のある資料を見つけることはできなかった。
上から下に命令を伝える場合、「上意書(じょういがき)」「下文(くだしぶみ)」「下知状(げじじょう)」等の書状があり、これらの書き始めに「下」や「下す」といった言葉で始まることがあるようである。表書き(封式)については、「内容と同一であることが通例である」とあったので、表書きが「下」一字である可能性は考えられるが、はっきり記述のあった資料はなかった。
また、下から上に申し上げる場合の書状「上書(じょうしょ)」の説明に、「標題や表書きには上書・口上書・口上・上などと書かれている」という記述があったため、この場合の書状の表書きには、「上」の一文字が使われているようである。
参考に、回答プロセス中の資料を紹介した。
回答プロセス
(Answering process)
日本史関係のレファレンスブックを調査する。
『古文書用字用語大辞典』(荒居英次ほか編 柏書房 1980)
 p260<上意(じょうい)>主君または上級者の意見、あるいは命令。特定の人を意味することもあった。近世ではとくに将軍の命令をいう。
 p260<上意書(じょういがき)>主君のおぼしめしや命令を伝える書。江戸時代にはおもに将軍の命令を伝える書をいった。
 p266<上書(じょうしょ)>下から上に申し上げる書。すなわち上への書の意味で、(中略)標題や表書きには上書・口上書・口上・上などと書かれている。

自館目録を〈古文書〉で検索する。
『日本の古文書 上』(相田二郎著 岩波書店 1949)
 p258-259「下文」の項に「書出しに差出者の名称、例へば蔵人所とか或は関白家政所とかの如き文言を表して、次に下といふ一字を副えて何々下すと読ませるものと、単に一字下、下すと書き始めるものとの両様がある。」とあり。
 p302「下知状」の項に「書出しの部分は全く下文と同じであるから」との記述あり。
 p616-633 封式について、p623に「充所は、その主体も上所も脇附も、本紙即ち中味のものと同一であるのが通例である。」とあり。
 p764-「第五部上申文書」にある各形式を見るが、宛先を「上」とするという記述は見つからず。

『古文書学入門』(佐藤進一著 法政大学出版局 2003)
 p75 「解は下級の役所が上級の役所に差し上げる文書と規定されたが、実際にはその範囲を拡大して、個人から役所に差し出す文書にも用いられて(中略)さらに個人対個人の場合でも下位の者から上位の者、貴人に対して用いられた。」とあり、p76「解には充名を書かない。」とある。

《Google Books》を〈封式 & 宛名〉〈封式 & 表書〉で検索する。
『日本古文書学論集 2 総論』(日本古文書学会編 吉川弘文館 1987)
 p89-94「横ノ内折の式と封紙のうは書」に本文の宛名と「封のうは書」(封の上書)の宛名を比較した記述あり。(本文の宛名より「封のうは書」の宛名の方が簡略になっている例の紹介あり。)

《リサーチ・ナビ》を〈封紙〉で検索する。( http://rnavi.ndl.go.jp/rnavi/  国会図 2014/09/19最終確認)
 荻野三七彦著「御内書の封紙と受領名などの諸問題」(『歴史手帖 4(3)』p47-55 名著出版 1976)
 宛名を「上」「下」とすることについての記述はなし。封紙の実物の写真あるが「上」「下」というものではない。

その他、自館目録を〈時代劇〉〈小道具〉〈時代考証〉などのキーワードで検索、NDC分類〈210.02〉の書架を調査したが、該当の記述なし。
調査済み資料
『江戸ものしり475の考証』(稲垣史生著 ロングセラーズ 1982)
『時代考証学 ことはじめ』(大石学、時代考証学会編 東京堂出版 2010)
『時代考証事典』(稲垣史生著 新人物往来社 1971)
『時代考証事典 続』(稲垣史生著 新人物往来社 1985)
『間違いだらけの時代考証』(名和弓雄著 グリーンアロー出版社 1980)
『時代考証うらおもて』(林美一著 毎日新聞社 1969)
『時代考証の話』(稲垣史生著 早川書房 1964)
『時代考証百科』(八剣浩太郎著 新人物往来社 1975)
『古文書入門』上・下(歴史教育者協議会編 河出書房新社 2000)
『古記録入門』(高橋秀樹著 東京堂出版 2005)
『江戸幕府の制度と伝達文書』(高木昭作著 角川書店 1999)
『近世武家文書の研究』(笠谷和比古著 法政大学出版局 1998)
『代官の日常生活』(西沢淳男著 講談社 2004)
『江戸の役人事情』(水谷三公著 筑摩書房 2000)
『近世公文書論』(大石学編 岩田書院 2008)
『ヴィジュアル百科江戸事情 3 政治社会編』(NHKデータ情報部編 雄山閣出版 1992)
『古文書研究 方法と課題』(荻野三七彦著 名著出版 1982)
『三田村鳶魚全集 別巻』(三田村鳶魚著 中央公論社 1983)
『時代劇を考証する』(稲垣史生著 旺文社 1983)
『時代劇映画の思想』(筒井清忠著 PHP研究所 2000)
『完本チャンバラ時代劇講座』(橋本治著 徳間書店 1986)
『映画と小道具』(南正守著 稲垣浩監修 高津装飾美術 1979)
『こだわり映画館 Monoカタログ』(「こだわり映画館」編纂委員会編著 立風書房 1990)
『芝居の小道具』(藤浪与兵衛著 日本放送出版協会 1974)
『小道具再見』(藤浪与兵衛著 日本放送出版協会 1978)
『考証江戸事典』(南条範夫、村雨退二郎編 新人物往来社 1969)
『事典しらべる江戸時代』(林英夫、青木美智男編 柏書房 2001)
『日本歴史大事典 2』(平凡社 2000)
『国史大辞典 7』(吉川弘文館 1986)『同 8』(吉川弘文館 1987)
『江戸時代用語考証事典』(池田正一郎著 新人物往来社 1984)
『日本史大事典 3』『日本史大事典 4』(平凡社 1993)
『日本史総合辞典』(林陸朗ほか編集 東京書籍 1991)
『図録古文書入門事典』(若尾俊平編著 柏書房 1991)
『古文書用字用語大事典』(池田正一郎著 新人物往来社 1995)
『文章表現辞典』(広田栄太郎ほか編 東京堂出版 1978)
『日本語文章・文体・表現事典』(中村明、佐久間まゆみ編 朝倉書店 2011)
『手紙文例・スピーチ例事典』(三省堂編修所編 三省堂 1998)
『そのまま使える文書・書式実例事典』(宮園正光編著 新星出版社 1998)
『TV時代劇のウソを見抜いて楽しむ法』(稲垣史生 PHP研究所 1983)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
日本史  (210 9版)
文章.文体.作文  (816 9版)
参考資料
(Reference materials)
キーワード
(Keywords)
上意書
上書
下文
下知状
封式
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
言葉
質問者区分
(Category of questioner)
個人
登録番号
(Registration number)
1000156235解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
未解決
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