レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年12月01日
- 登録日時
- 2012/01/31 19:03
- 更新日時
- 2012/03/27 17:44
- 管理番号
- 名古屋市鶴-2011-044
- 質問
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解決
謡曲の本の謡い始めに書かれている“へ”のような山が2つある字は何と読むか。漢和辞典でさがしたが見当たらない。漢字ではないらしい。
- 回答
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いおりてん(庵点)と読みます。「庵点」の名称は、家の屋根の形をかたどった「庵形」をしているところからきています。『句読点、記号・符号活用辞典。』(小学館 2007年)に“謡本(能楽の台本)で、演じ手(主役〔シテ〕や相手役〔ワキ〕など)が代わるところの冒頭に示す。歌舞伎・舞踊劇などの台本でも用いられる”という用法を始め6つの用法(解説)、用例、文字コードなどが書かれています。
また、レファレンス協同データベースに「庵点(いおりてん)の意味とその使い方、譜例」(国立音楽大学附属図書館 国音-2008-0001)の登録事例がありますので併せてご覧ください。→https://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000049240
- 回答プロセス
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(1)まず『邦楽百科辞典 雅楽から民謡まで』(音楽之友社 1984年)の楽譜→譜の項を見ましたがありませんでした。
(2)次に『記号の事典 セレクト版 第3版』(江川清/[ほか]編 三省堂 1996年)を調べましたが、見当たりませんでした。となりに配架されていた『句読点、記号・符合活用辞典。』(小学館 2007年)も調べてみると、p.113「近代小説にみる会話文の変遷1」の文中にさがしていた記号があり、“(庵点いおりてん)”とカッコ書きされていました。
(3)同書は“書籍・雑誌・新聞や各種広告・webページ・電子メールなどで現在広く使われているものを中心に200の記号・符号・しるしを収録”したもので、意味や用法のほか日本語入力システムでの入力方法や文字コードが示されています。また、名称索引だけでなく記号・符号・しるしを形から引くための形態索引もあります。庵点についてはこの辞典では「音楽記号」の章ではなく「目印・装飾類」の章に書かれており、用法(解説)を始め文字コード(JIS:233C,シフトJIS:825B,ユニコード:303D)も掲載されていましたので、質問者には『句読点、記号・符合活用辞典。』をご覧いただきました。
(4)後日、レファレンス協同データベースで“庵点”で検索してみると「庵点(いおりてん)の意味とその使い方、譜例」(国立音楽大学附属図書館 国音-2008-0001)の事例があることがわかりました。
- 事前調査事項
- NDC
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- 言語学 (801 9版)
- 邦楽 (768 9版)
- 参考資料
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『句読点、記号・符号活用辞典。』 小学館辞典編集部/編 小学館 2007年 p.113,173-174
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『句読点、記号・符号活用辞典。』 小学館辞典編集部/編 小学館 2007年 p.113,173-174
- キーワード
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- 庵点
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000100922