レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013/11/28
- 登録日時
- 2015/06/16 17:54
- 更新日時
- 2015/10/02 14:15
- 管理番号
- 埼熊-2015-039
- 質問
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未解決
「台風の目」という言葉の語源を知りたい。
- 回答
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「台風の目」の語源は見当たらなかったが、「台風」の語源は見つかった。関連した記述のあった以下の資料を提供した。
『語源辞典 名詞編』(草川昇著 東京堂出版 2003)
p155〈台風〉の項に「(前略)語源 台風の中心部の静穏な区域を「台風の目」といい、転じて、激しく動く物事の中心となる勢力や人物をいう。二十世紀初頭、tyhoon(タイフーン)に合わせて、時の気象台長の岡田武松がタイフウ(颱風)と呼んだのが始め。それ以前は「大風(おおかぜ)」「野分(のわけ)」などと呼んでいた。」とあり。
『平凡社版気象の事典』(平凡社 1999)
p332〈台風〉の項に「中国では、台風のように風向の旋回する風系(つむじ風)を昔から〈颶風(ぐふう)と呼んでいたが、このような風系をアラブの航海者たちはtufanと呼び、フランスやイギリスではそれぞれtyphon,typhoonと呼んだ。日本では、江戸時代に熱帯低気圧を中国にならって〈颶風〉と訳した文献があるが 、明治の初めには〈タイフーン〉または〈大風〉とかいっていたようである。明治の末か大正の初め以後は〈颱風(たいふう)〉という言葉が広く用いられるようになった。この語は17世紀の中国の文献にみられるが、その語源は、アラビア語のtufanまたは英語のtyphoonの音訳、あるいは台湾地方に来襲する暴風を意味するもの、といった説などがあるが定かではない。日本では1946年の当用漢字の制定以降、〈台風〉と書くようになった。」とあり。
『日本国語大辞典 8(せりか-ちゆうは)』(日本国語大辞典第二版編集委員会編 小学館国語辞典編集部編 小学館 2001)
p732〈台風〉の項に〈たいふうの目〉に関する記述あり。「台風の中心付近にある、風が弱く雲の少ない円形の区域。台風眼(がん)。転じて、激しく動いている物事の中心にあって、それを引き起こす原因となっている人や物。」とあり。
p1057〈目〉の項に「位置、形状などが人や動物の感覚器官(目)に似ている物事をいう。事柄の中心となる点、または主要な点。物の中心。中心にある穴など。「台風の目」」とあり。
- 回答プロセス
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語源辞典や気象用語の参考図書を調査する。
【その他調査済み資料】
『日常語語源辞典』(鈴木棠三著 東京堂出版 1992)
『日本語源辞典』(村石利夫著 日本文芸社 1981)
『国語語源辞典[正]』(山中襄太著 校倉書房 1985)
『語源のたのしみ 1』(岩淵悦太郎著 毎日新聞社 1975)
『語源のたのしみ 2』(岩淵悦太郎著 毎日新聞社 1976)
『語源のたのしみ 3』(岩淵悦太郎著 毎日新聞社 1976)
『語源散策』(岩淵悦太郎著 毎日新聞社 1974)
『語源博物誌 正・続』(山中襄太著 大修館書店 1976)
『語源入門』(杉本つとむ著 東京書籍 2007)
『日本語『以前』辞典』(村石利夫著 村田書店 1992)
『雑学日本語おもしろ辞典 知っているようで知らない言葉の知識!!』(村石利夫著 日東書院 1991)
『学術用語集 気象学編』(文部省編 日本学術振興会 1987)
『気候学・気象学辞典』(吉野正敏編 二宮書店 1985)
『最新気象の事典』(東京堂出版 1993)
『気象ハンドブック』(朝倉正編 朝倉書店 1995)
- 事前調査事項
- NDC
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- 語源.意味[語義] (812 9版)
- 気象学 (451 9版)
- 参考資料
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- 『語源辞典 名詞編』(草川昇著 東京堂出版 2003) , ISBN 4-490-10628-9
- 『平凡社版気象の事典』(平凡社 1999) , ISBN 4-582-11507-1
- 『日本国語大辞典 8(せりか-ちゆうは)』(日本国語大辞典第二版編集委員会編 小学館国語辞典編集部編 小学館 2001) , ISBN 4-09-521008-7
- キーワード
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- 台風の目
- 日本語-語源
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000175934