レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2004年4月16日
- 登録日時
- 2011/11/19 17:13
- 更新日時
- 2013/12/21 17:08
- 管理番号
- 塩尻025
- 質問
-
解決
「嘘も方便」の「方便」という言葉は仏教語であるが、その原語であるサンスクリット語の文字を知りたい。
また、「方便」の意味はサンスクリット語で「近づく」という意味であり、その物語があるはずなので知りたい。
- 回答
-
「方便」はサンスクリット語“upaya”の漢訳。「近づく」という意味での方便に関する物語は、法華経の「化城喩品」に書かれている。
- 回答プロセス
-
語源辞典から「方便」を引いたところ、資料1)、2)にサンスクリット語の表示と、もとは「近づく」という意味であるという記述があった。また、「仏教では衆生を新の教えに導くための便宜的な手段」とあった。
仏教の本から方便についての物語を探したところ、資料3)にいくつか例話が載っていたが、“便宜的な手段”としての方便の例を示す話だった。資料4)には“近づく”という意味に近い話が載っており、出典は『法華経』の「化城喩品」とあった。
法華経関連の本を確認すると、資料5)に「化城喩品」の概略が書かれており、上記の内容と一致した。また、資料6)には「化城喩品」のサンスクリット語の原典、漢訳、現代語訳が掲載されていた。
なお、法華経の中に「方便品」もあったが、“近づく”という意味に近い話は「化城喩品」だった。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 語源.意味[語義] (812 9版)
- 経典 (183 9版)
- 各宗 (188 9版)
- 参考資料
-
- 【資料1】『暮らしのことば新語源辞典』 山口佳紀/編 講談社 2008 p.785
- 【資料2】『身近なことばの語源辞典』 西谷裕子/著 小学館 2009 p.195
- 【資料3】『ブッダの教えがわかる本』 服部祖承/著 大法輪閣 2006 p.134
- 【資料4】『日本語になった仏教のことば』 ひろさちや/著 講談社 1988 p.33-36
- 【資料5】 『あらすじでわかる!日蓮と法華経』 永田美穂/著 青春出版社 2010 p.176
- 【資料6】『法華経 上』 植木雅俊/訳 岩波書店 2008 p.428
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000097037