レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022年08月27日
- 登録日時
- 2022/10/01 14:55
- 更新日時
- 2023/02/17 11:58
- 管理番号
- 埼久-2022-054
- 質問
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未解決
小津安二郎の監督の映画「風の中の牝鶏」に登場するガスタンクの場所を知りたい。
- 回答
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ガスタンクの場所を断定する記述は確認できなかった。
参考までに「風の中の牝鶏」に登場するガスタンクや映画の舞台設定について記述のあった資料を紹介した。(回答プロセス参照)
- 回答プロセス
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1 自館目録を〈風の中の牝鶏〉〈小津安二郎〉で検索する。
『小津安二郎大全』(松浦莞二[ほか]編著 朝日新聞出版 2019)
p466-467「風の中の牝鶏(正しくは鶏の異体字)」に、「ガスタンクが主人公たちの家のすぐそばにあり、冒頭から頻繁に映る。脚本によると、舞台設定は江東地区あたりなので『出来ごころ』『東京の宿』『一人息子』と同じ北砂(きたすな)にあったものだろう。」とあり。ガスタンクの写真あり。
『小津安二郎全集 下』(小津安二郎著 井上和男編 新書館 2003)
p27-48「風の中の牝鶏(正しくは鶏の異体字)」に、「1 東京都の江東地区あたり 瓦斯タンクの見える風景。」とあり。
『小津安二郎を読む』(フィルムアート社編 フィルムアート社 1982)
p190-193「風の中の牝鶏(正しくは鶏の異体字)」の「ストーリー」に、「東京の江東地区あたり。巨大なガスタンクが見える原っぱを(後略)」とあり。
2 《Google》(http://www.google.co.jp/ Google)を〈風の中の牝鶏 & ロケ地〉〈江東区 & 砂町 & ガスタンク〉で検索する。
《ウィキペディア》(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8 ウィキメディア財団)
「風の中の牝鶏(正しくは鶏の異体字)」(https://w.wiki/5mUs)の脚注に記載された資料を確認する。
《小津安二郎紹介展示コーナー》(https://www.kcf.or.jp/furuishiba/josetsu/ozu/ 江東区古石場文化センター)
「江東を舞台にした作品」に、『風の中の雌鶏(正しくは鶏の異体字)』あり。「相生橋やガスタンクが東京・下町の風物として小津的モチーフを表現。」とあり。
3 参考図書を調べる。
4 東京ガス(瓦斯)の社史を調べる。
『東京瓦斯七十年史』(東京瓦斯株式会社編 東京ガス 1956)
p174 空襲による戦災の被害について「各設備の被害(3)工場関係」表あり。砂町工場は昭和20年3月10日に工場は「大部焼失」したが、「ガス溜厭送器完全につき供給所として使用可能」とあり。
p174と175「砂町工場の無水槽ガスホルダー」(昭和20年春頃と8月)の写真あり。
5 江東区史を調べる。
『江東区史 中巻』(江東区編 江東区 1997)
p707「二 江東ゆかりの文学―荷風が歩いた江東―」中の「ガスタンク」の項に、「(前略)戦前、東京ガスのガスタンクが二か所あった。一つは深川製造所のもので、所在地は猿江町(猿江一丁目)である。もう一つは砂町製造所のもので、北砂町(北砂一丁目)に建てられていた。」「ちなみにこのガスタンクのうち砂町の方は、小津安二郎監督の映画『一人息子』『出来ごころ』に背景として登場している。深川・砂町のガスタンクは、太平洋戦争にともなう金属類供出のため、いずれも昭和二〇年、解体された。」とあり。
p692「一 活動写真と庶民の娯楽」に「小津作品でこの他に江東を舞台にしたものは、戦後の『風の中の牝鶏』(昭和二三年)がある。」とあり。
6 《国立国会図書館オンライン》(https://ndlonline.ndl.go.jp/ 国立国会図書館)を〈風の中の牝鶏〉で検索する。
7 NDC分類〈778.21〉の棚を調べる。
8 《CiNii Research》(https://cir.nii.ac.jp/ 国立情報学研究所)を〈風の中の牝鶏〉で検索する。
《北海道武蔵女子短期大学リポジトリ》(https://hmjc.repo.nii.ac.jp/ 北海道武蔵女子短期大学)中澤千磨夫著「痙攣するデジャ・ヴュ-ビデオで読む小津安二郎- : (6)『風の中の牝鶏』-反復する階段、あるいはプシュケーの祈り-」(『北海道武蔵女子短期大学紀要 34』p1-50 北海道武蔵女子短期大学 2002.3 http://id.nii.ac.jp/1548/00000367/)
p7に「冒頭。画面上半分に大きくガスタンク。江東区の東京ガス(当時は東京瓦斯)だろう。」とあり。
9 《風の中の牝鶏(正しくは鶏の異体字)》(https://w.wiki/5mUs ウィキメディア財団)の脚注に記載された資料を確認する。
〈その他調査済み資料〉
『小津安二郎のまなざし』(貴田庄著 晶文社 1999)
『小津安二郎と映画術』(貴田庄著 平凡社 2001)
『小津映画の日常 戦争をまたぐ歴史のなかで』(朱宇正著 名古屋大学出版会 2020)
『小津安二郎日記 無常とたわむれた巨匠』(都築政昭著 講談社 1993)
『小津安二郎全発言 1933?1945』(小津安二郎著 田中真澄編 泰流社 1987)
『全日記小津安二郎』(小津安二郎著 田中真澄編簒 フィルムアート社 1993)
『全国映画ドラマロケ地事典』(日外アソシエーツ株式会社編 紀伊国屋書店 2011)
『東京ガス百年史』(東京瓦斯株式会社編 東京ガス 1986)
『東京瓦斯九十年史〔本篇〕』(東京瓦斯株式会社編 東京瓦斯 1976)
ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2022年8月27日。
- 事前調査事項
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インターネットで調べたところ、東京都の砂田か南千住ではないかと思われる。
- NDC
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- 映画 (778 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 小津 安二郎(オズ ヤスジロウ)
- 映画-日本
- ロケ地-東京都
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 映画
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000322011