レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/08/11
- 登録日時
- 2015/10/22 16:17
- 更新日時
- 2016/01/15 18:30
- 管理番号
- 埼久-2015-081
- 質問
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解決
尾形光琳(雁金屋市之承)が細井つねに訴えられた時の示談書の釈文・読み下し文を見たい。原文は、テレビ放送で視聴した。
- 回答
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自館資料では示談書の釈文等は見つからなかった。
後日、質問館手配の「小西家旧蔵光琳関係資料とその研究」(中央公論美術出版 1962 国会図蔵)に該当の釈文が掲載されていたと判明した。
- 回答プロセス
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質問館調査済み資料の参考文献を調べる。
『日本美術絵画全集 17 尾形光琳』(集英社 1976)
p144 「尾形光琳年譜」・元録2年(1689年)の欄に「二月、元之助という子を生んだ細井つねに訴えられ、家一ヵ所、銀二〇枚その他を与えて示談とする(文書112-114)」とあり。注によると「文書=小西家文書(番号は山根有三氏『小西家旧蔵光琳関係資料とその研究』による)」とのことである。
以下の資料にも同様の記述はあるが、示談書の本文や釈文等なし。
『日本の名画 5 尾形光琳』(講談社 1973)
『日本の美 5 宗達 光琳 京焼』(学習研究社 1977)
『日本を創った人びと 19 尾形光琳』(平凡社 1979)
『世界の人間像 7』(角川書店編集部編 角川書店 1962)
『江戸時代 中公新書 476』(大石慎三郎著 中央公論社 1977)
『人物日本の歴史 12 元禄の時代』(小学館 1975)
山根有三「尾形光琳 その生涯と芸術」(『美術手帖 1958年3月』p103-119 美術出版社 1958)
自館目録を〈光琳〉で検索し、関連資料を調べる。
『男色の景色』(丹尾安典著 新潮社 2008)
p163「光琳研究の第一人者たる山根有三は、『国華』(1023号 昭和54年5月)に(後略)」とあり。
山根有三「光琳と中村内蔵助」(『国華 1023号』p7-22 國華社 1979)
p9「妾のさん」という記述はあるが、「細井つね」とその子「元之介」についての記述なし。
《CiNii Articles》を〈光琳 & 小西家〉で検索する。
狩野博幸著「光琳芸術の基層-小西家旧蔵資料を中心に」(『日本の美術 462号』p1-84 至文堂 2004)(http://ci.nii.ac.jp/naid/40006464110 国立情報学研究所 2015/08/22最終確認)
p17 つねと光琳の示談について「つねの弟の細井七郎兵衛が「雁金屋市丞(光琳のこと)」にあてて書いた「一札」、および奉行に差し出した光琳・つね・七郎兵衛と町年寄二名による連判皆済状の写し(光琳の筆跡)が遺存する(後略)」とあり。
p18-19 小西家に伝存した光琳関係資料についての文献が数点紹介されているが、大正から昭和前期の文献であり自館未所蔵である。決定版といえるのが質問館手配済みの「小西家旧蔵光琳関係資料とその研究 資料」とのこと。
p19 「平成十三年、文化庁保管の「尾形光琳関係資料」が京都国立博物館の保管となったのを機に、調査および写真撮影をほぼ完了した。」とある。
《京都国立博物館 館蔵品データベース》(http://www.kyohaku.go.jp/jp/syuzou/db/index.html 2015/08/07最終確認)では「尾形光琳関係資料 小西家伝来」の収蔵品情報は確認できたが、収録の詳細等はなし。
《国会図デジタルコレクション》(http://dl.ndl.go.jp/ 国会図 2015/08/11最終確認)で関係資料を調べる。
山根有三著「小西家旧蔵光琳関係資料とその研究」は国会図書館内限定のため、閲覧できず。
望月信成著「大阪市立美術館蔵の光琳資料」(「大和文華 23号」p40-52 大和文華館 1957)(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/7934557 国会図 2015/08/22最終確認)図書館送信参加館公開
小西家旧蔵資料のうち、大阪市立美術館所蔵分の資料が紹介され、光琳関係書簡はすべて写真・釈文付きで掲載されているが、細井つね・元之助に関する文書はなし。
京都の奉行所を調べる。
『国史大辞典 4 き-く』(国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館 1984)
p352「きょうとまちぶぎょう 京都町奉行」の参考文献に「京都御役所向大概覚書」(国会図蔵)、『京都の歴史4-6』が挙げられている。
『京都の歴史 5 近世の展開』(京都市編 京都市史編さん所 1980)
p448「『小西家旧蔵文書』によれば、父の死んだ貞享四年(一六八七)九月、光琳は「我等子次郎と三郎と申男子当年壱歳」を松屋勘左衛門へ養子に出し、翌々年の元禄二年には、元之助という子を生んだ細井つねから奉行所に訴えられ」とあり。
国書総目録で小西家文書を確認する。
『国書総目録 3 け-さ』(岩波書店 1982)
〈小西家文書〉「小西家由緒覚書」「小西方守覚書」「小西方淑覚書」があり。いずれも山根有三『小西家旧蔵 光琳関係資料とその研究資料』にて活字化されているとのこと。
- 事前調査事項
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調査済み資料
『日本大百科全書 4』(小学館)
『国史大辞典 2』(吉川弘文館)
『山根有三著作集 3,4 光琳研究 1,2』(中央公論美術出版 1995,1997)
『日本美術全集13 宗達・光琳と桂離宮』(小学館 2013)
- NDC
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- 日本画 (721 9版)
- 参考資料
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- 「小西家旧蔵光琳関係資料とその研究」(中央公論美術出版 1962)
- キーワード
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- 尾形 光琳(オガタ コウリン)
- 画家-日本-歴史-江戸時代
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000182806