レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年12月09日
- 登録日時
- 2015/02/14 15:46
- 更新日時
- 2015/02/14 15:46
- 管理番号
- 相-140017
- 質問
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解決
「ゴンドラの唄」はアンデルセンの「ベネチアのゴンドラ」という作品をもとにしているときいたが本当か
- 回答
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「ゴンドラの唄」は森鴎外が翻訳した『即興詩人』(アンデルセン著)の一節を基にして吉井勇が作詞したようです。
吉井勇が松井須磨子にあてた公開書簡(「松井須磨子に送る手紙」1916.5『新演芸』誌上)及び吉井勇の「いのち短し」というエッセイ(『吉井勇全集第8巻 』番町書房 1964 <918.6/153/8>(12063459) p247-248所収)にゴンドラの唄の作詞の経緯が記されています。
- 回答プロセス
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①『歌おう大正時代』高橋整二編・刊 2002 <767.8/312B 常置>(22311120)
「ゴンドラの唄」解説に、「森鴎外の「即興詩人」に出てくるベネチアの民謡の一節に、「朱の唇に触れよ、誰れが汝の明日猶在るを知らん。恋せよ汝の猶少く(わかく)、汝の血猶熱き間に云々」を基にして吉井勇が作詞したと伝えられており」(p57)と記載あり。
②当館所蔵資料を確認すると『即興詩人 下巻』アンデルセン著 森鴎外訳 岩波書店 1969 <イ949/ア/2A>(12274288) p168に該当部分の掲載あり。
③『甦る『ゴンドラの唄』』相沢直樹著 新曜社 2012 <767.8/507> ( 22654586 ) によると吉井勇は松井須磨子にあてた公開書簡(「松井須磨子に送る手紙」1916.5『新演芸』誌上)の中で、ゴンドラの唄の作詞の経緯について述べている。
「この時作った「ゴンドラの唄」は、実を云ふと鷗外先生の「即興詩人」の中の
「妄想」と云ふ章に、「其辞にいはく、朱の唇に触れよ、誰れか汝の明日あるを知らん。(略)」とあるのから取ったものですが(略)」(p68)
また「いのち短し」というエッセイにもやはり、森鷗外の「即興詩人」からとった旨を吉井が書いていると記載があり、該当部分を引用している(p256)
このエッセイは『吉井勇全集第8巻 』番町書房 1964 <918.6/153/8>(12063459) p247-248に所収されている。
- 事前調査事項
- NDC
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- 声楽 (767 9版)
- その他のゲルマン文学 (949 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 歌詞
- 歌謡曲
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000167707