レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年05月11日
- 登録日時
- 2010/11/14 13:55
- 更新日時
- 2010/11/14 13:55
- 管理番号
- 9000006429
- 質問
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解決
甲州印伝の菖蒲の柄の図案を見たい。またその由来を知りたい。
- 回答
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菖蒲革は、1368年に京都八幡の神官が内職に染め始めたものといわれ、勝武・勝負・尚武に音が通じるところから武具に用いられた。図案、詳細については照会資料をご覧ください。
- 回答プロセス
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1.自館システムで書名「印伝」×郷土資料で検索。『甲州印伝と私』(出沢利美著 印伝屋上原勇七広報部 1987年)の巻末にある「鹿革の歴史(年表)」をみると、「1368(年)菖蒲革・山城国(京都)の神人が考案した菖蒲の花葉を染め出した革」と記述がある。
2.『鹿韋彩飾の考察と甲州印伝』(出沢利美著・発行 1999年)をみると、p17に「……勝武とか勝負または尚武に音が通じることから、縁起がよいとして武具に用いられました」との記述と、図柄の掲載(白黒)あり。また、巻末の図版部分p154に「漆文様の一部」というカラー図版があり、菖蒲の掲載もある。
3.『印傳博物館図版目録 資料篇』(印傳博物館 2005年)には、以前の展示の記録としてはあるが、図版が小さすぎて判読不可。
4.インターネットで印伝博物館(印伝屋上原勇七)webサイト(http://www.inden-ya.co.jp/ ※2010.11.14確認)を見ると、「印伝の世界」の「模様」に菖蒲革の画像と、「健胃薬として用いられたことや「尚武」「勝負」に音が通じることから疫病を防ぎ、邪気を払うといういわれが生まれ、古くから武具等に模様として多用されました」と説明がある。
5.伝統工芸という観点から資料を見るが、『ふるさとの特産品』(地域活性化センター編・発行 1987年)p28、『Yamanashi Brand-山梨の物産カタログ-』(山梨県物産振興協会製作 山梨県商工労働観光部商業振興課 199-)p10には、印伝の説明、写真はあるが、菖蒲革などの細かい説明はない。
6.『綜合郷土研究』(山梨県師範学校編・発行 1936年)の「産業」の章で「印伝加工業」の部分をみると、「特に菖蒲絵のものは、菖蒲革、桜模様のものは小桜革と呼ばれ、昔は専ら武士の陣羽織其他の武具を作った」との記述がある。
7.自館システムで件名「図案」で検索すると、『文様の事典』(岡登貞治編 東京堂出版 1977年)p159に、「菖蒲革」の項があり、印伝に限らず一般的な「絵革の一種」として、図案と解説がある。
- 事前調査事項
- NDC
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- 宝石.牙角.皮革工芸 (755 9版)
- 参考資料
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- 『鹿韋彩飾の考察と甲州印伝』(出沢利美著・発行 1999年) (p17,p154)
- 印伝博物館(印伝屋上原勇七)webサイト(http://www.inden-ya.co.jp/ ※2010.11.14確認)
- キーワード
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- 印伝
- 甲州印伝
- 菖蒲革
- 図案
- 皮革工芸
- 伝統産業
- 山梨県
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土(技術・工業)
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000073404