レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007/07/19
- 登録日時
- 2007/12/01 02:12
- 更新日時
- 2007/12/27 16:11
- 管理番号
- 埼熊-2007-056
- 質問
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解決
NHKの「海のシルクロード」の番組で紹介されていた貿易風について、1 貿易風の概要や発見した人 2 貿易風を利用した航海ルートについてわかる資料が見たい。
- 回答
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ヒッパロスの風(季節風)のこと。記述のあった資料を以下に紹介する。
①『海のシルクロード史 四千年の東西交易』(中央公論社)
p25「インド洋における季節風の発見は『エリュトゥラー海案内記』(中公文庫)によればギリシア人の舵手ヒッパロスによって行われ、「ヒッパロスの風」とよばれているが(中略)季節風の存在そのものは、それより以前にインド航海者にひろく知られていた・・・」
p30-43「ヒッパロスの風」の項に記述あり。「ギリシャの航海者〈ヒッパロス〉が、季節風を利用した大海横断による航路を発見したことで、ローマ時代になって、エジプトからインドまで達する船が急激に増えた。この季節風・南西風を最初の発見者に因んで〈ヒッパロス〉の風と呼んでいるという・・・。」
ヒッパロスはいつ頃の人かの考察や、かなり小さい地図だが、ローマ時代の主要航路の図あり。
② 『シルクロードを知る事典』(東京堂出版)
p144-146「いつごろ季節風が発見されたかについては諸説があるが、1世紀半ばの『エリュトゥラー海案内記』には〈ヒッパロスの風〉としてこの季節風が紹介されている。」
p146小さい航路地図の「海のシルクロード図」あり。
③『シルクロード』(ジャン-ピエール・ドレージュ 創元社)
p30-31「ヒッパロスによってインド洋横断航路が発見され、海の交易路も発展を始める」の項に上記資料と同様の記述あり。p136-137見開きに、シルクロード(陸の道・海の道)航路図がカラーで掲載。
④『海のシルク・ロード事典』(新潮社)
p61-62「ヒッパロス Hippalos(西暦紀元前後)」、p179「エリュトゥラ海案内記」の項に説明あり。
p140に「モンスーン」の項に季節風に関する説明あり。季節ごとに異なった方向からの風が吹き、紀元前ギリシャのヒッパロスはモンスーンを利用してインド洋を航海した。(中略)季節風をいかに発見しどのように利用するかが帆船時代の航海術であったと記述あり。同ページ「貿易風」の項には、熱帯または亜熱帯の大部分をほぼ一定に吹く東寄りの風、trade windのこととあり。
⑤『海が創る文明 インド洋海域世界の歴史』(朝日新聞社)
p12-13に「インド洋のモンスーン、海流・吹送流(5-9月・11-3月)」の航路地図あり。
⑥『海のシルクロードを求めて』(三菱広報委員会)
p106-107「船と航海」の項に、インド洋は季節風がよく発達しているので有名・・・との記述あり。
巻頭の記述に、貿易風下の大航海時代と名づけた・・・。「第1章はじめに-貿易風の下で」の項あり。
参考までに、気象学上の〈貿易風〉についてあわせて紹介する。
『気候学・気象学辞典』(二宮書店)『日本大百科全書 21』(小学館)『世界大百科事典』(平凡社) それぞれの資料の「貿易風」の項。
- 回答プロセス
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百科事典類では貿易風の項目には発見者の名前は見あたらなかった。
シルクロード関係資料を確認し、『海のシルクロード史 四千年の東西交易』に貿易に利用されることから貿易風とも呼ばれる「ヒッパロスの風」という季節風に関する記述が見つかる。〈ヒッパロスの風〉をキーワードに資料の記述を確認する。
- 事前調査事項
- NDC
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- 世界史.文化史 (209 9版)
- 気象学 (451 9版)
- 海運 (683 9版)
- 参考資料
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- 『海のシルクロード史 四千年の東西交易』(中央公論社)
- 『エリュトゥラー海案内記』(中公文庫)
- 『シルクロードを知る事典』(東京堂出版)
- 『シルクロード』(ジャン-ピエール・ドレージュ 創元社)
- 『海のシルク・ロード事典』(新潮社)
- 『海が創る文明 インド洋海域世界の歴史』(朝日新聞社)
- 『海のシルクロードを求めて』(三菱広報委員会)
- 『気候学・気象学辞典』(二宮書店)
- 『日本大百科全書 21』(小学館)
-
『世界大百科事典』(平凡社)
- キーワード
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- 海運-歴史
- ヒッパロス
- 貿易風
- シルクロード-インド洋
- 語彙
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000039895