レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019/1/27
- 登録日時
- 2019/07/26 00:30
- 更新日時
- 2019/08/02 15:18
- 提供館
- 京都市図書館 (2210023)
- 管理番号
- 伏見中央19-1
- 質問
-
解決
江戸時代の「伏見港」の様子がわかる絵が見たい。また江戸時代の古地図,埋め立てまでの変遷がわかる航空写真が見たい。
- 回答
-
伏見港は京都の南郊に位置し,高瀬川が宇治川に合流する地点に開けた港。江戸期,京都・大阪間の貨物輸送の拠点として繁栄した。【資料1】
江戸期の伏見港の様子を描いたものには, 安永9年(1780)刊『都名所図会』【資料2】に「伏見船場」,天明7年(1787)『拾遺都名所図会』【資料3】に伏見港の中心部である京橋を俯瞰から見た絵が,文久3年(1863)『宇治川両岸一覧』【資料5】の「伏見船宿」には船宿の賑わいが描かれるなど,京都の地誌に探すことができる。
【資料2】「伏見船場」京橋を中心とした俯瞰図(『都名所図会』巻5)
【資料3】「伏見京橋」京橋の俯瞰図(『拾遺都名所図会』巻4)
【資料4】 賀茂川,桂川,宇治川,木津川と主な橋・道を書いた古絵図。中心付近に「京バシ」の文字が見える(『山州名跡志』巻1)
【資料5】「京橋」および「伏見船宿」船宿の様子を描く(『宇治川両岸一覧』)
江戸時代に書かれた古地図に,伏見港を確認できるものは多数ある。寛文10年(1670)『山城国伏見街衢近郊図』,安永9年(1780)に刊行された『安永新彫伏見図』など。【資料6】は平成23年に行われた特別展覧会『伏見の古絵図』の総目録で,伏見に関する古地図,古絵図が多数掲載されている。
明治期,鉄道の発達によって淀川水運が衰退し,重要性を失った伏見港は,現在は舟溜まりを埋め立てられ,京都府立伏見港公園として整備されている。
その埋め立ての様子がうかがえる航空写真を掲載したものに,【資料7】がある。
【資料7】「下鳥羽・伏見・横大路地域」の航空写真 昭和21年,昭和36年に確認できる伏見港の舟溜まりが,昭和44年には埋め立てられているのが確認できる。
- 回答プロセス
-
・『京都大事典』『日本歴史地名大系 27』で伏見港の概要を確認【資料1】
・『新修京都叢書』の索引で「伏見港」を調査【資料2】【資料3】【資料4】
・伏見の河川の様子がわかる古絵図から【資料5】
・伏見の古地図から【資料6】
・伏見地区の航空写真を掲載している資料から【資料7】
- 事前調査事項
- NDC
-
- 日本 (291 9版)
- 海運 (683)
- 参考資料
-
- 【資料1】『京都大事典』(佐和 隆研/[ほか]編集 淡交社 1984)p790 , ISBN 4-473-00885-1
- 【資料2】『新修京都叢書』 第6巻(野間 光辰/編, 新修京都叢書刊行会/編著 臨川書店 1967)p573 , ISBN 4-653-02602-5
- 【資料3】『新修京都叢書』 第7巻(野間 光辰/編, 新修京都叢書刊行会/編著 臨川書店 1967)p494 , ISBN 4-653-02603-3
- 【資料4】『新修京都叢書』 第15巻 (野間 光辰/編, 新修京都叢書刊行会/編著 臨川書店 1967)p4 , ISBN 4-653-02611-4
- 【資料5】『淀川両岸一覧 宇治川両岸一覧』(暁 晴翁/著, 松川 半山/画 柳原書店 1978)p110,p184
- 【資料6】『伏見の古絵図 伏見区誕生80周年記念事業』(伏見城研究会 2011) p38,p44
- 【資料7】『洛南地域の変貌 設立六十周年記念誌』(京都市洛南土地改良区 2012)p83~89
- キーワード
-
- 伏見港
- 伏見
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000259086