レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014年7月16日
- 登録日時
- 2014/07/29 16:16
- 更新日時
- 2014/12/26 10:49
- 管理番号
- 中央-1-00796
- 質問
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解決
浦和駅の近くにある「調神社」について、「さいたま市の観光・国際交流情報」というWEBページに「 「調宮縁起」によると、(中略)伊勢神宮へ納める貢(調)物(みつぎもの)の初穂を納めた倉庫群の中に造営されたため、貢物搬出入の妨げになる鳥居がないと伝えられています。」とあり(http://www.stib.jp/info/data/tsuki.html)
全国に他に「伊勢神宮へ納める貢物の初穂を納めた倉庫」がどこにあったかを知りたい。また、古代の伊勢神宮に初穂を納める制度というのも詳しく知りたい。
- 回答
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①「伊勢神宮」 櫻井勝之進 学生社 2013
p.68~ 秋祭の古儀
"いわゆる「抜穂の行事」のことである。神郡を初め、そのほかの各地におかれた神郡付属の農民から貢納する米は、懸税の稲といって刈りとったままの穂を束ねて、内宮と外宮に当日持参し"
②「伊勢神宮」 清水潔 平凡社 2013
p.152~ 由貴大御饌
"農家からは懸税という初穂が奉納されます。”
③「神さま・仏さま・ご先祖さま」 神崎 宣武 小学館 1995
p.38~ 願をかけるというのは、物を掛けるということ
"これは、諸国の神戸(伊勢神宮領)から寄進された懸税(税とは租税とか貢物とかの意で、稲穂の束が単位となっていた)が千と五百束と表現するほどにたくさんあったことを表しており"
④「太陽と稲の神殿」 小島 瓔礼 白水社 1999
p.35~ 新嘗の祭りの懸け税
⑤「日本古代地名の謎」 本間 信治 新人物往来社 1975
p.187~ 「調」「貢」のつく地名
"埼玉県浦和市岸町にある調神社も、古代税制にちなむもの。社伝によれば、崇徳天皇の勅命により伊勢神宮斎主・姫倭命が参向し、入間川の自然堤防上を選んで貢ぎ物を納める御倉を建てられたとある。つまり武蔵野国の初穂米、調の収納倉であったわけである。"
⑥「日本倉庫業史」 日本倉庫協会 2005
p.4 1古代。中世の倉庫
"大和(古墳)時代(4~7世紀)には「屯倉」が現れるが、これは税収としての稲を収納するために天皇家が各地に設けた倉庫であった。"
"税制としての「租庸調」(3種の現物税)が制定されて、国家機関としての「倉」・「蔵」・「庫」の3種の倉庫に関する規定が設けられた。"
"田畑に対する税(田税)は、原則として稲をもって納められ、「正倉」と称する官倉に貯蔵された。"
質問『全国に他に「伊勢神宮へ納める貢物の初穂を納めた倉庫」がどこにあったかを知りたい。』については具体的な場所は見つけられなかった。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 神社.神職 (175)
- 系譜.家史.皇室 (288)
- 農業経済・行政・経営 (611)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 郷土 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000157004