レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016/1/14
- 登録日時
- 2016/02/18 00:30
- 更新日時
- 2016/02/18 11:03
- 管理番号
- B151225161237
- 質問
-
未解決
1929年7月18日、阪和電気鉄道(現在のJR阪和線)の「仁徳御陵前停車場」(現在の百舌鳥駅)が開業しました。この「仁徳御陵前停車場」の開業時の駅舎の写真及び設計図が掲載されている資料があれば紹介してください。また、「仁徳御陵前停車場」の設置経緯と工事の状況がわかる資料があれば紹介してください。
- 回答
-
・「仁徳御陵前停車場」の開業時の駅舎の写真及び設計図が掲載されている資料について
下記の[その他の調査済み資料及びデータベース]に記載の情報源を調査しましたが、「仁徳御陵前停車場」の開業時の駅舎の写真及び設計図が掲載されている資料は確認できませんでした。
なお、調査の過程で、1972年以前に撮影されたと思われる百舌鳥駅の駅舎の写真が掲載されている資料(1)が見つかりましたので、参考としてご紹介します。(【 】内は当館請求記号です。)
(1)
鉄道ジャーナル社 編. 日本の駅 : 写真記録. 日本図書センターP&S, 2009.7 【DK53-J192】
p.3(ページ番号の表記なし)に、「昭和47年7月現在 国鉄には(中略)全国でおよそ5500もの多数の駅があります.その中から 旅客を扱う駅を対象に約三千数百駅を写真で紹介(後略)」とあり、p.320に、「阪和線 百舌鳥(もず) 大阪府堺市百舌鳥夕雲町」と題する駅舎の写真が掲載されています。この写真の解説として、「①昭和4年7月18日 ②昭和47年2月(一部) ③なし ④和 ⑤駅の周囲に仁徳天皇陵(第16代)・履中天皇陵(第17代)・反正天皇陵(第18代) ⑥なし ⑦通路に泉水と噴水」とあります。この解説文中の丸数字については、「①・・・駅の開設年月日 ②・・・駅舎の改築年月 ③・・・接続鉄道線名 ④・・・職場の標語・モットー ⑤・・・付近の名所旧跡など ⑥・・・特殊弁当 ⑦・・・その他の特記事項」との注記があります。ただし、この写真の撮影年月日に関する記載は確認できず、昭和47年2月に一部改築がなされる前に撮影された駅舎の写真であるかも不明です。
なお、資料(1)は『日本の駅 : 写真でみる国鉄駅舎のすべて』(鉄道ジャーナル社 1972 【DK53-57】)の復刻版であり、原本のp.320に、同一の写真及び解説が掲載されています。
また、『日本の駅 : 写真でみる国鉄駅舎のすべて』(竹書房 1979.6 【DK53-297】)の内容は資料(1)と同一のものであり、この資料のp.323にも、同一の写真及び解説が掲載されています。
・「仁徳御陵前停車場」の設置経緯と工事の状況がわかる資料について
下記の[その他の調査済み資料及びデータベース]に記載の情報源を調査しましたが、「仁徳御陵前停車場」の設置経緯と工事の状況がわかる資料は確認できませんでした。
なお、調査の過程で、阪和電気鉄道の旅客誘致と「仁徳御陵前停車場」の設置に関する記載のある資料(2)及び阪和電気鉄道の開業の理由の一つとして大仙陵古墳(仁徳天皇陵)の存在を挙げている資料(3)が見つかりましたので、参考としてご紹介します。
(2)
貝澤武史. 昭和初期における大都市圏郊外電気鉄道の遊覧地開発--阪和電気鉄道を事例として. 空間・社会・地理思想 / 科学研究費基盤研究 (B) 「公共性とガバナンスからみた近・現代社会の空間編成に関する研究」 編. (11) 2007 pp.19-43 【Z8-B522】
pp.20-25に「Ⅱ 阪和電気鉄道の遊覧地開発と旅客誘致」の章があり、「本章では,「大阪朝日新聞」に掲載された阪和電鉄の遊覧広告を資料として,阪和電鉄がどのような遊覧地にどのような手段をもって旅客を誘致したのか,その営業施策を明らかにしたい。」(p.20)とあります。p.21の「(b) 仁徳天皇陵」の項目に、「阪和電鉄の当時は主として初詣での対象として宣伝されている(第7図)。開業当初から仁徳御陵前駅(現・百舌鳥)が設置され,年末年始のほか散策やハイキングの広告も若干みられる。また,北の反正天皇陵,南西の履中天皇陵とあわせて,「三御陵巡拝」と宣伝されることもあった(第8図)。」とあります。この文中の「第7図」と「第8図」は、p.33に「第7図 新聞広告 1931年1月1日」及び「第8図 新聞広告 1938年1月1日」として掲載されています。
資料(2)は、大阪市立大学地理学教室のホームページの「出版物」のページで全文がPDFで閲覧できます(http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/geo/Space,%20Society%20and%20Geographical%20Thought.htm#vol11)。なお、公開されているPDFには、遺漏の表及び写真が追加されているとありますが、仁徳御陵前駅に関する表及び写真は確認できませんでした。
(3)
宇田正. 阪和電気鉄道の成立と泉南人・谷口房蔵 ―国鉄阪和線前史の一齣―. 泉南市史紀要 / 泉南市. (8) 1980 pp.1-50 【Z8-1451】
史料(8)として、「大正拾五年貮月」(p.27)付の「阪和電気鉄道株式会社(創立広報一件書類)」をpp.26-35で引用しています。「二、本鐵道の特徴」(pp.29-31)に、「一、沿線一帶には名所舊跡豐富で其主要なるもののみでも左の通りなる事」(p.29)として、「◎ 大仙陵 大阪に御因緣深き仁徳帝を鎭め奉る 附近には反正帝履仲帝の御陵ありて四時巡拝者絶えず」(p.29)とあります。
この他、国立公文書館デジタルアーカイブ(http://www.digital.archives.go.jp/)を「阪和電気鉄道」で検索したところ、阪和電気鉄道の開業及び「仁徳御陵前停車場」に関すると思われる資料(4)-(8)が見つかりました。この資料(4)-(8)に「仁徳御陵前停車場」の設置経緯及び工事の状況に関する記載があるかは不明ですが、参考としてご紹介します。内容及び利用方法等、詳細は所蔵機関である国立公文書館(http://www.archives.go.jp/)に直接お問い合わせください。
(4)
簿冊標題:鉄道免許・南海鉄道(元阪和電気鉄道)2・昭和2~3年
請求番号:本館-3B-014-00・平12運輸01713100
作成部局:鉄道省監督局
年月日:昭和02年 - 昭和03年
(5)
簿冊標題:鉄道免許・南海鉄道(元阪和電気鉄道)3・昭和3年
請求番号:本館-3B-014-00・平12運輸01711100
作成部局:鉄道省監督局
年月日:昭和03年 - 昭和03年
(6)
簿冊標題:鉄道免許・南海鉄道(元阪和電気鉄道)4・昭和4年
請求番号:本館-3B-014-00・平12運輸01710100
作成部局:鉄道省監督局
年月日:昭和04年 - 昭和04年
(7)
簿冊標題:鉄道免許・南海鉄道(元阪和電気鉄道)7・昭和9年
請求番号:本館-3B-014-00・平12運輸01727100
作成部局:鉄道省監督局
年月日:昭和09年 - 昭和09年
(8)
簿冊標題:鉄道免許・南海鉄道(元阪和電気鉄道)8・昭和10~11年
請求番号:本館-3B-014-00・平12運輸01706100
作成部局:鉄道省監督局
年月日:昭和10年 - 昭和11年
※資料(4)-(8)について、国立公文書館デジタルアーカイブの検索結果に表示された資料名又はその下部にある「<件名一覧があります>」をクリックすると、「件名・細目一覧」の画面に遷移し、内容細目が確認できます。
[その他の調査済み資料及びデータベース]
末尾に*が付いている資料は、国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)国立国会図書館内限定公開資料です。末尾に**が付いている資料は、国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)国立国会図書館/図書館送信参加館内公開資料です。末尾に***が付いている資料は、国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)インターネット公開資料です。
・朝日新聞. [大阪]. 国立国会図書館 (製作) マイクロフィルムリール 【YB-3】
・毎日新聞. [大阪]. 国立国会図書館 (製作) マイクロフィルムリール 【YB-7】
※「仁徳御陵前停車場」の開業年月日である1929年7月18日及びその前後1週間分を通覧しました。
<鉄道(阪和電気鉄道、阪和線等)に関する資料>
・藤原浩 著. 南海電鉄昭和の記憶 : 大阪と和歌山・高野山を結ぶ現存最古の私鉄. 彩流社, 2014.12 【DK53-L265】
・小野田滋 著. 関西鉄道遺産 : 私鉄と国鉄が競った技術史. 講談社, 2014.10 【DK53-L247】
・和久田康雄 著. 鉄道ファンのための私鉄史研究資料 = Handbook for private railway history studies : 1882 to 2012. 電気車研究会, 2014.4 【DK53-L174】
・高橋修 著. 南海電車 : 大阪と和歌山を結ぶ日本最古の現役私鉄. JTBパブリッシング, 2013.9 【DK53-L78】
・大阪府立大学観光産業戦略研究所, 関西大学大阪都市遺産研究センター, 大阪府, 新なにわ塾叢書企画委員会 編著. 熱き男たちの鉄道物語 : 関西の鉄道草創期にみる栄光と挫折. ブレーンセンター, 2012.4 【DK53-J594】
・鉄道沿線と文化. 関西鉄道協会都市交通研究所, 2011.5 【DK53-J423】
・日本鉄道旅行地図帳編集部 編 ; 今尾恵介, 原武史 監修. 日本鉄道旅行歴史地図帳 : 全線全駅全優等列車. 10号 (関西私鉄). 新潮社, 2011.2 【Y94-J18981】
・曽根悟 監修. 週刊歴史でめぐる鉄道全路線 : 大手私鉄. no.16 (南海電気鉄道). 朝日新聞出版, 2010.11 【Y94-J17125】
・週刊歴史でめぐる鉄道全路線国鉄・JR. no.42 (阪和線/和歌山線/桜井線/湖西線/関西空港線). 朝日新聞出版, 2010.5 【Y94-J13487】
・国書刊行会 編. 懐かしの停車場. 西日本篇. 国書刊行会, 2010.4 【DK53-J285】
・三宅俊彦 著. 古写真にみる日本の鉄道. 新人物往来社, 2008.3 【DK53-J89】
・日本近代文学会関西支部 編. 鉄道 : 関西近代のマトリクス. 和泉書院, 2007.11 【KG748-J4】
・近畿圏の鉄道網と沿線の変遷. 関西鉄道協会都市交通研究所, 2004.6 【DK53-H124】
・作間芳郎 著. 関西の鉄道史 : 蒸気車から電車まで. 成山堂書店, 2003.1 【DK53-H8】
・佐竹保雄, 佐竹晁 著. 私鉄買収国電. ネコ・パブリッシング, 2002.10 【DK53-G409】
・高山禮蔵 著. 関西電車のある風景今昔 : 大阪・京都・神戸の国鉄・・・定点対比昭和30-40年代といま. 1 JTB, 2002.4 【DK53-G384】
・JR全線全駅 : すべての路線、すべての駅が、これ1冊でわかる駅の百科事典. 2001年版. 弘済出版社, 2000.12 【DK53-G302】
・高山拡志 編著. 旧国鉄・JR鉄道線廃止停車場一覧. 補訂第2版. 2000.5 【DK53-G288】
・停車場変遷大事典. 国鉄・JR編. JTB, 1998.10 【DK53-G162】
・武知京三 [著]. 日本の地方鉄道網形成史 : 鉄道建設と地域社会. 博士論文(授与大学:京都大学) 授与年月日:平成5年1月23日 【UT51-93-B298】*
・往来倶楽部 編. JR全線全駅データブック. 政界往来社, 1987.6 【GB645-E26】
・宮脇俊三, 原田勝正 編集. 国鉄全線各駅停車. 8 (近畿400駅) . 小学館, 1983.9 【DK53-253】
・竹田辰男 著. 阪和電気鉄道史. 鉄道史資料保存会, 1989.2 【DH22-E218】
・すばる社 編. 阪和線 : 激動の軌跡. 鉄道文化研究会, 1981.4 【DK53-206】
・奥田晴彦 編著. 関西鉄道略史. 鉄道史資料保存会, 1975.10 【DK53-196】
・平山昇. 関西私鉄・国鉄と「聖地」参拝 : 娯楽とナショナリズムの交錯. 歴史地理学 / 歴史地理学会 編. 57(1)=273 2015.1 pp.28-45 【Z8-1263】
・宇田正. 阪堺間交通近代化と鉄道・軌道の役割. 堺研究 / 堺研究堺市立中央図書館 編. 2012.3 pp.1-30 【Z8-299】
・竹田辰男. 南海鉄道山手線史の考察. 鉄道史料 = The journal of railway history / 鉄道史資料保存会 編 (108) 2003 pp.1-174 【Z16-1606】
・高田隆雄. 阪和電気鉄道の時代. 鉄道ピクトリアル / 鉄道図書刊行会 [編]. 37(12)(488) 1987.12 pp.25-27(14-15コマ目) 【Z16-498】*
・武知京三. 大阪・和歌山間の鉄道建設について--国鉄阪和線生誕の過程. 大阪の歴史 / 大阪市史編纂所 編 (2) 1980.12 pp.80-91(43-48コマ目) 【Z8-1687】**
・亀井一男. “暗い谷間”を生きた異色の私鉄―阪和電鉄の歩み. 鉄道ファン / 交友社. 15(11) (通号 175) 1975.11 pp.14-21 【Z16-495】
・宇田正. 近代堺における鉄道問題とその産業史的背景. 堺研究 / 堺研究堺市立中央図書館 編. 1968.3 pp.1-63 【Z8-299】
・吉田明雄. 「買収国電を探る」阪和線. 鉄道ピクトリアル / 鉄道図書刊行会 [編]. 3(12)(29) 1953.12 pp.40-44(22-24コマ目) 【Z16-498】*
<大仙陵古墳(仁徳天皇陵)及び堺市に関する資料>
・堺歴史読本 : 読む・見る・歩くおとなのための街歩きガイドブック. KADOKAWA, 2015.4 【Y94-L24870】
・百舌鳥古墳群 : 堺の文化財. 第7版. 堺市文化観光局文化部文化財課, 2014.2 【GC165-L71】
・堺市の昭和 : 写真アルバム. 樹林舎, 2012.10 【GC165-L1】
・外池昇 著. 天皇陵論 : 聖域か文化財か. 新人物往来社, 2007.7 【GB77-H297】
・山中永之佑 監修. 堺市今昔写真帖 : 保存版. 郷土出版社, 2006.8 【YP5-H300】
・堺市博物館総合案内. 堺市博物館, 1997.11 【GC165-G25】
・堺 : もの・ひと・こと. 堺市博物館, 1997.10 【GC165-G24】
・堺市制百年史. 堺市, 1996.3 【GC165-G9】
・堺の文化財 : ハンドブック. 改訂版. 堺市教育委員会, 1996.3 【K16-G132】
・大阪府の史蹟と名勝. 大阪府, 1932 【631-18】***
・東村日出男 著. 歴代皇陵参拝誌. 20版. 歴代皇陵参拝会, 1928 【特222-687】**
<調査に用いたインターネット情報源及びデータベース>
・NDL-OPAC (https://ndlopac.ndl.go.jp/)
・国立国会図書館サーチ (http://iss.ndl.go.jp/)
・国立国会図書館デジタルコレクション (http://dl.ndl.go.jp/)
・CiNii Articles (http://ci.nii.ac.jp/)
・聞蔵IIビジュアル[当館契約データベース]
・毎索[当館契約データベース]
・雑誌記事索引集成データベース[当館契約データベース]
・大阪市立図書館 デジタルアーカイブ(http://image.oml.city.osaka.lg.jp/archive/)
・堺市立図書館 地域資料デジタルアーカイブ(https://www.lib-sakai.jp/kyoudo/archive/index.html)
・交通科学博物館 図書室(http://www.mtm.or.jp/infolibrary/index.html)
・運輸政策研究機構 情報資料室蔵書検索(http://www.jterc.or.jp/tosho/zosho_kensaku.html)
・JR西日本ホームページ(https://www.westjr.co.jp/)
・南海電鉄ホームページ(http://www.nankai.co.jp/index.html)
インターネット及びデータベースの最終アクセス日は2016年1月7日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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・『堺市史』
・『堺市史 続編』
・『阪和電気鉄道史』(竹田辰男 鉄道史資料保存会)
・『堺の鉄道110年』(郷土出版)
・『国鉄JR関西圏近郊電車発達史』(JTBパブリッシング)
・『全線全駅鉄道の旅 8』
・『関西の鉄道 6』
・『関西の鉄道 8』
・『鉄道ピクトリアル』(2003年2月号)
- NDC
-
- 建築計画.施工 (525 9版)
- 鉄道運輸 (686 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 阪和電気鉄道
- 仁徳御陵前停車場
- 百舌鳥駅
- 駅舎
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000188243