レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010/02/03
- 登録日時
- 2010/09/11 02:00
- 更新日時
- 2010/09/21 12:35
- 管理番号
- 埼久-2010-016
- 質問
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未解決
①船橋随庵(フナハシズイアン)に関する伝記を読みたい。②幕末期農民の生活改善に功績があったとのことだが詳しく知りたい。③船橋随庵の著作「農一戸業一人力之本」を読みたい。
- 回答
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船橋随庵の伝記は『開削決水の道を講ぜん、幕末の治水家・船橋随庵』(高崎哲郎 鹿島出版会 2000)があり。また、『近世の日本農業』(岡光夫 農文協 1981)と、関連記事所収の『研究報告』(千葉県立関宿城博物館)をあわせて提供する。
船橋随庵の著作「農一戸業一人力之本」は提供できず。千葉県立関宿城博物館所蔵の寄託文書目録の情報と、同館の利用案内などを連絡する。
- 回答プロセス
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自館目録を〈船橋随庵〉で検索する。以下の2件がヒットする。
①『論集・江戸川』(質問者利用済み)
②『開削決水の道を講ぜん、幕末の治水家・船橋随庵』(高崎哲郎 鹿島出版会 2000)
②は船橋随庵の伝記でp147に随庵の著作紹介があり。下記のとおり。
「古今田制通考 全12巻」「田法独合点 全12巻」「班田論」「度量衡解(ドリョウコウゲ)」「皇国封建郡縣考」「宿駅人馬助合考」
《NDL-OPAC》を〈船橋随庵〉で検索する。
前掲①②の他に、『近世の日本農業』(農文協 1981)がヒットする。本書は県立図でも所蔵。本書を確認する。
第7章に「近世の農業経営規模論 船橋随庵の「農一戸業」論を中心に」(三橋時雄)が所収。
p240-268「船橋随庵の経歴」「学問と著作」「『田法獨合點』の内容」「『古今田法通考』の内容」「船橋随庵の「農一戸業」論」「「農一戸業」論の系譜」「「農一戸業」論の社会経済的背景」の構成となっている。
p241-242「本稿では,あまり知られていないこの船橋随庵の「農一戸業」論を、私が昭和十五年(1940)に静岡県葵文庫でみせていただいた『田法獨合點』から紹介し、「農一戸業」論とはどのようなものであるかを具体的に説明するとともに、船橋随庵の人と思想についてもふれてみたい。」とあり。
自館目録を〈三橋時雄〉で検索する。
ヒットした5件のうち、以下が該当すると思われたが記述なし。
『日本農業経営史の研究』(三橋時雄 ミネルヴァ書房 1979)
上記③『近世の日本農業』に「農一戸業」論の比較的詳しい説明があり。
p252「四 船橋随庵の「農一戸業」論」の項に「まず、葵文庫所蔵の『田法獨合點』巻二と京大国史研究室所蔵の『古今田制通考』巻之三に収録されている「農一戸業一人力之事」をとりあげ…つぎのようにいっている。」と本書の概略を紹介している。
『国書総目録 6』(岩波書店 1982)には「農一戸業一人力之本」記載なし。
《NDL-OPAC》を〈農一戸業一人力之本〉で検索するがヒットせず。
《Google》を〈農一戸業一人力之本〉で検索するが、有効な情報ヒットせず。
《千葉県立図書館 千葉県歴史関係雑誌記事索引検索》を〈船橋随庵〉〈農一戸業一人力之本〉などで検索するがヒットせず。
情報源の「関宿領水土功績者船橋随庵」(『論集・江戸川』p248-258)の著者、林保は千葉県立関宿城博物館客員研究員なので、博物館のウェブサイトを見る。
当サイト《刊行物のページ》の『研究報告』に、随庵に関する林保の論文掲載あり。
(http://www.sekiyadohaku.com/index.asp 2010/02/03最終確認)
上記『研究報告』は県立図書館では埼玉資料の雑誌として受け入れているが、掲載の第1、4、5号は未所蔵。2、6-8号はあり。これらを確認する。
『研究報告 2号』「関宿領水土功績者船橋随庵(その2)」
『研究報告 6号』「船橋随庵著作(その4)」
『研究報告 7号』「船橋随庵関係文書目録(2)」
『研究報告 8号』「船橋随庵関係文書目録(3)」
がそれぞれ所収されている。
前掲の『田法獨合點』(「田法独合点」)および「古今田制通考」を自館目録で検索する。
『日本農民史料聚粋 6』の内容細目に「田法独合点」(鄭鄙人)あり。
前掲『近世の日本農業』p247の記述より、「農一戸業之事」は『日本農民史料聚粋 6』には所収されていない。
上記『研究報告 8号』に千葉県立関宿城博物館所蔵の寄託文書目録があり。これを紹介し、詳細は同館に直接問い合わせの旨を連絡する。
- 事前調査事項
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県立図所蔵の以下の郷土資料に記述があり。林保「関宿領水土功績者船橋随庵」(『論集・江戸川』p248-258)p256に記述あり。
- NDC
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- 河海工学.河川工学 (517 9版)
- 農業経済・行政・経営 (611 9版)
- 参考資料
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- 『開削決水の道を講ぜん、幕末の治水家・船橋随庵』(高崎哲郎 鹿島出版会 2000)
- 『近世の日本農業』(岡光夫 農文協 1981)
- 『研究報告 2号、6号、7号、8号』(千葉県立関宿城博物館)
- キーワード
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- 治水
- 農業-歴史-江戸時代
- 伝記
- 船橋 随庵(フナハシ ズイアン)
- 関宿-千葉県
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵機関調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000071154