レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20191116
- 登録日時
- 2019/12/26 00:30
- 更新日時
- 2020/03/26 10:58
- 管理番号
- 0401001198
- 質問
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解決
フグを調理する時に使う包丁を「てっさ包丁」というが、その名前の由来を知りたい
- 回答
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①『ふぐの文化』青木義雄/著,成山堂書店,1999年
p.4「ユニークなふぐの異名」という章に、その特徴や体形、毒を持つことから多くの異名がつけられ「その中でも有名なのが「テッポウ」」で「ふぐ刺身のことを「テッサ」、ふぐちり鍋のことを「テッチリ」と呼ぶ」とある。また「テッポウという異名は江戸時代には全国で使われ」ていたと書かれていて、その由来は「テッポウという呼び名は、テッポウもふぐも当てれば死ぬという洒落から生まれました」とある。
②『ふぐ』朝日新聞西部本社社会部/著,朝日新聞社,1982年
p.148には「「てっさ」「てっちり」の語源も、禁止令下の名残りという。大阪では当たると死ぬことから、フグをテッポウ(鉄砲)と呼んでいた。が、禁止令で堂々と扱えなくなって、暗号で「てつ」と呼んだ」「鉄砲刺し身がてっさに(略)」と書かれている。
③『よくわかる日本料理用語事典』遠藤十士夫/監修,旭屋出版,2018年
p.211「てっさ[鉄刺]→フグの刺身」とあり。また「てっちり[鉄ちり]→フグのちり鍋。鉄は鉄砲のことで、当たれば死ぬことから毒を持つフグを指す」とあり。更に「てっぽう[鉄砲]→フグの隠語で、当たったら命を落とすことをかけた洒落の表現。略してテツともいい、鉄刺はフグの刺身(略)」と載っていた。
以上から、フグをテッポウと呼ぶことからその刺身をテッサと呼び、それを作る包丁なのでてっさ包丁と呼ぶようである、と上記3冊の該当ページを紹介して回答とした。
なお、参考文献に登録した④~⑤の包丁に関する資料も調べたが、「てっさ包丁」では載っておらずいずれも「ふぐ引包丁」という名称で載っていた。
- 回答プロセス
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ふぐの文化的な事柄に関する資料、料理道具、包丁に関する資料などからフグの別名や呼び名の由来等を調べて回答した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 漁労.漁業各論 (664)
- 金属製品 (581)
- 参考資料
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- ふぐの文化,青木 義雄/著,成山堂書店,1999.11 (0117367326|/664.6/ア/)
- ふぐ,朝日新聞西部本社社会部/著,朝日新聞社,1982年 (0110617172|/664.6/ア/)
- よくわかる日本料理用語事典,遠藤 十士夫/監修,旭屋出版,2018.2 (0119645547|R/596.2/エ/)
- 包丁と砥石大全,日本研ぎ文化振興協会/監修,誠文堂新光社,2014.8 (p.14-15 ふぐ引包丁の説明と写真あり|0141421057|/581.7/ニ/)
- 包丁大全,ワールドフォトプレス,2012.7 (p.49 和包丁の種類の中に「ふく引き」とあり。p.50,p53にも「フグ引」「ふぐ引き」という名称で写真あり|0119609238|/581.7/ホ/)
- 庖丁,信田 圭造/著,ミネルヴァ書房,2017.6 (p.151 ふぐ引き庖丁|0141632869|/581.7/シ/)
- キーワード
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- てっさ包丁
- ふぐ引包丁
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000271567