レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/8/22
- 登録日時
- 2015/09/17 00:30
- 更新日時
- 2015/09/17 18:13
- 管理番号
- B150809181416
- 質問
-
解決
CR発振回路(RC発振回路)の一種であるザルツァ発振回路の原理を解説した資料があれば紹介してください。
- 回答
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お問い合わせの事項について、以下の通り回答します。(【 】内は当館請求記号です。)
資料(1)の「11.6 CR発振回路」(pp.204-207)に、「代表的なものに,(中略)サルツァ発振回路(Sulzer oscillator)などがある。」(p.205)とありました。この記述に基づき、「ザルツァ発振回路」、「サルツァ発振回路」、「Sulzer oscillator」、「CR発振回路」、「RC発振回路」等をキーワードとして、調査を行いました。
European Patent Office(欧州特許庁)(http://www.epo.org/)が提供しているEspacenet(http://worldwide.espacenet.com/)を調査したところ、ザルツァ発振回路についての特許(2)が見つかりました。
その他の当館所蔵資料を調査したところ、ザルツァ発振回路の原理に関すると思われる記述のある資料(3)-(5)が見つかりましたので、ご紹介します。また、ザルツァ発振回路に関する何らかの記述がある資料(6)-(10)が見つかりましたので、こちらも参考としてご紹介します。
(1)
『電子回路. アナログ編』(尾崎弘 [ほか]共著 共立出版 1989.5 【ND386-E64】)
p.206に、サルツァ発振回路の周波数条件と振幅条件が記載されています。
(2)
Bibliographic data:US2764643 (A) ― 1956-09-25
Title:Oscillators
Inventor(s):SULZER PETER G
Applicant(s):FRANK H MCINTOSH
Classification:- international:H03B5/20
- cooperative:H03B5/20
Application number:US19540418149 19540323
Priority number(s):US19540418149 19540323
United States Patent and Trademark Office(http://www.uspto.gov/)が提供しているUnited States Patent and Trademark Office Patent Full-Text Databases(http://patft.uspto.gov/)のNumber Search(http://patft.uspto.gov/netahtml/PTO/srchnum.htm)を、特許番号「2764643」で検索すると明細書が閲覧できます。Sulzerが考案した発振回路について、「It is, accordingly, a broad object of my invention to provide a novel RC oscillator, having a high order of freedom from harmonic distortion, low output impedance, high output power, and high amplitude stability.」(5枚目)とあり、原理に関する解説及び真空管を用いた発振回路の回路図とトランジスタを用いた発振回路の回路図が掲載されていました。
(3)
黒田徹「実験TRアンプ設計講座 実用技術編--ザルツァ型発振器」(『ラジオ技術』 51(1)(678) 1997.1 pp.156-160 【Z16-286】)
※国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)(国立国会図書館内限定公開)
ザルツァ発振回路の原理について、次の3項目で解説を行っています。
「1. 原理回路」(pp.156-157)には、オペアンプを用いたザルツァ発振回路の回路図が掲載されており、周波数特性や位相特性等に関する記述及び図があります。「2. ザルツァ型発振器のひずみ」(p.157)では、ザルツァ発振回路のひずみ率の計算を行い、「3. 実験回路」(pp.157-158)には、理論通りのひずみ率が得られるかどうか、その実験結果が掲載されています。
(4)
『アナログ回路の実用設計 : 低周波領域における回路選択のポイント』(稲葉保 著 CQ出版 1981.3 【ND386-266】)
「ブリッジT型発振回路」(pp.155-156)の項目に、ザルツァ発振回路の原理に関する記述があります。p.155には、オペアンプを用いた発振周波数1kHzのザルツァ発振回路の回路図が掲載されています。
(5)
「定番エレクトロニクス回路140」(『トランジスタ技術』 41(1) (通号 472) 2004.1 pp.103-192 【Z16-316】 )
p.124に、「[6] 電球で振幅を安定化したザルツァ型正弦波発振回路」及び「[7] FETで振幅を安定化したザルツァ型正弦波発振回路」との項目があります。それぞれの回路について、原理に関する解説と回路図が掲載されています。
(6)
高頭弘正「広帯域・低歪率CR発振器の製作(Ⅱ)ザルツァ回路で低歪化」(『無線と実験』 56(10)(557) 1969.8 pp.150-155 【Z16-268】)
※国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)(国立国会図書館内限定公開)
p.151に、真空管を用いたザルツァ発振回路の回路図が掲載されており、この回路の動作結果に関する記述がありました。
(7)
『図解アナログICのすべて : オペアンプからスイッチドキャパシタまで』(白土義男 著 東京電機大学出版局 1986.11 【ND386-438】)
pp.171-172に、「7-4 T型ブリッジ発振回路」との項目があり、p.172では、TブリッジR型発振回路を実用回路とした例として、ツェナー・リミッタによるTブリッジR型(ザルツァ)発振回路が紹介されています。ザルツァ発振回路の帰還率と波形のひずみの関係について解説しており、回路図も掲載されています。
(8)
黒田徹「低歪率 正弦波発振器の製作」(『トランジスタ技術』 15(10) (通号 169) 1978.10 pp.283-300 【Z16-316】)
pp.283-284では、「発振振幅の安定度と良い波形とをどのようにして両立させるか」(p.283)について、ザルツァ型発振器を例に解説しており、ザルツァ型発振器の回路図(p.283)及び振幅制御回路を付加したザルツァ型発振器の回路図(p.284)が掲載されています。また、pp.284-286には、ザルツァ型発振器に用いられるブリッジドT回路の設計に関する記述があります。
(9)
土屋赫「ザルツア方式のディケード型低周波発振器」(『自作できる測定器 : バルボルからオッシロまで』 誠文堂新光社 1967 pp.37-45 【541.5-Se118z】)
※国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)(国立国会図書館/図書館送信参加館内公開)
ディケード型低周波発振器の製作に関する記事であり、真空管を用いたザルツァ発振回路の回路図(p.38)及びトランジスタを用いたザルツァ発振回路の回路図(p.39)が掲載されています。pp.39-43では、この回路に実装する部品(トランジスタや抵抗、コンデンサ等)の選択及び製作上の注意について解説しています。
(10)
津野徹「発振回路」(『トランジスタ技術』 34(11) (通号 398) 1997.11 pp.341-349 【Z16-316】)
「・ザルツァー」(p.344)の項目があり、「T形ブリッジを利用したCR発振器です.ウィーン・ブリッジはバンドパス・タイプなので,フィルタ部は正帰還ループに挿入しますが,T形ブリッジは負帰還ループに挿入しますので,間違えないでください.」とあります。また、p.343には、「 CR発振器の種類」の図が掲載されており、ザルツァー発振回路に用いられるT型ブリッジの回路図があります。
[その他の調査済み資料及びデータベース]
末尾に"*"が付いている資料は、国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)(国立国会図書館内限定公開資料)です。
末尾に"**"が付いている資料は、国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)(国立国会図書館/図書館送信参加館内公開)です。
・土屋赫「ザルツア方式のディケード型低周波発振器」(『無線と実験』 53(9)(514) 1966.8 pp.37-45 【Z16-268】)*
※記事の内容は、資料(10)と同一でした。
・『速解電子回路 : アナログ回路の基礎と設計』(宮田武雄 著 コロナ社 1991.12 【ND386-E162】)
・『定本発振回路の設計と応用 : CR発振からディジタル・シンセまでを実験で解析』(稲葉保 著 CQ出版 1993.12 【ND394-E3】)
・『発振回路の完全マスター』(稲葉保 著 日本放送出版協会 1988.9 【ND394-E1】)
・『高周波回路の設計・製作 : 回路設計の基礎から実用回路の設計まで』(鈴木憲次 著 CQ出版 1992.10 【ND386-E192】)
・『発振回路と変換技術』(細田悦資 著 産報出版 1978.1 【ND394-4】)
・『最新電子回路入門』(藤井信生, 岩本洋 監修 ; 藤井信生 ほか著 実教出版 2004.4 【ND386-H68】)
・『高周波回路のトラブル対策 : フローチャートによる高周波回路トラブル診断技術』(岩田光信 著 CQ出版 1975 【ND513-20】)
・『ユビキタス無線工学と微細RFID : 無線ICタグの技術』(根日屋英之, 植竹古都美 著 第2版 東京電機大学出版局 2004.7 【ND575-H50】)
・『RF and microwave transistor oscillator design / Andrei Grebennikov.』(John Wiley & Sons c2007 【ND371-B35】)
・『エレクトロニクスの基礎』(二見一雄 著 コロナ社 1960 【549-H875e】)**
・『電気・電子辞典』(電気・電子辞典編集委員会 編 技報堂 1965 【540.33-D532】)**
・『電子工学辞典』(山本勇, 松平正寿 編 森北出版 1966 【549.033-Y319d】)**
・『ペンギン電子工学辞典』(David Howard [編] ; ペンギン電子工学辞典編集委員会 訳 朝倉書店 2010.5 【ND2-J19】)
・『電気電子用語大事典』(茂木晃 編 オーム社 1992.8 【ND2-E49】)
・『IEEE電気・電子用語辞典』(Frank Jay [編] ; 岡村総吾 監訳 丸善 1989.9 【ND2-E34】)
・『図説電気・電子用語事典』(新井芳明, 水谷徹博, 粉川昌巳, 坂田安永, 菅原博宜, 關敏昭, 並木正則 著 新版 実教出版 2009.2 【ND2-J11】)
・『絵とき電気電子情報基礎用語事典』(新電気編集部 編 オーム社 1999.11 【ND2-G50】)
・「すぐ使える*実用アナログ回路集」(『トランジスタ技術』 31(11) (通号 362) 1994.11 pp.219-312 【Z16-316】)
・久保大次郎「発振回路の基礎と設計」(『トランジスタ技術』 7(3) (通号 66) 1970.3 pp.153-159 【Z16-316】)
・NDL-OPAC(https://ndlopac.ndl.go.jp)
・国立国会図書館サーチ(http://iss.ndl.go.jp)
・国立国会図書館デジタルコレクション(http://dl.ndl.go.jp/)
・JDreamIII [当館契約データベース]
・Web of Science [当館契約データベース]
・EBSCOhost [当館契約データベース]
・ProQuest Central [当館契約データベース]
・雑誌記事索引集成データベース ざっさくプラス(皓星社)[当館契約データベース]
・CiNii Articles(http://ci.nii.ac.jp/)
・CiNii Books(http://ci.nii.ac.jp/books/)
・J-GLOBAL(http://jglobal.jst.go.jp)
・J-STAGE(https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja)
・Espacenet(http://worldwide.espacenet.com/)
・United States Patent and Trademark Office Patent Full-Text Databases(http://patft.uspto.gov/)
インターネット及びデータベースの最終アクセス日は2015年8月17日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 電子工学 (549 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- ザルツァ発振回路
- Sulzer oscillator
- CR発振回路
- RC発振回路
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000180003