レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年12月21日
- 登録日時
- 2012/12/21 19:56
- 更新日時
- 2012/12/28 13:07
- 提供館
- 京都市図書館 (2210023)
- 管理番号
- 右中-郷土-57
- 質問
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解決
京都の名産である鳴滝砥石(なるたきといし)と本阿弥家との関わりを知りたい。
- 回答
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鳴滝砥石は,京都市右京区の鳴滝・梅ケ畑・高雄周辺で産出する砥石で,古くから鳴滝砥(なるたきと)として珍重されてきました。黄褐色できめが細かく,適度な硬さと吸水性があり,ノミやカンナ,刀剣など鋭利な刃物の研磨用仕上げに最上のものとして全国的に有名です。
歴史は古く,鎌倉時代に梅ケ畑の郷士本間藤左衛門が,発掘した砥石を後鳥羽上皇に献上したと伝えられています。しかし,明治~昭和初期に最盛期を迎えた後は,人造砥石や電動工具の普及などで需要は激減し,採掘現場でも坑道の維持費,山の仕込費などの支出の悪化や公害病のため,多くの砥石山は徐々に閉山されました。
本阿弥光悦で有名な本阿弥家は,刀剣の研磨・浄拭・鑑定を家業にしており,近世以前から鳴滝の砥石を研磨に使用していたとされています。
また,慶長12年(1607)には,徳川幕府より鳴滝・中野・高雄・栂尾・梅ケ畑内の5ヶ所の採掘権を与えられ,それは明治維新まで続きました。本阿弥家が砥石山を支配するようになってから,幕府に上納した残りを売り捌いてよいことになり,最初は刀剣専用だった砥石が,カミソリ,ノミ,カンナなどにも使用されるようになったと伝えられています。
- 回答プロセス
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●砥石の歴史より
【資料1】…京都の天然砥石全般(歴史,現状,砥石の研ぎ方,保存方法,砥石用語,砥石山位置図,図版等)について詳しい。本阿弥家についても記述あり。
【資料2】【資料3】…京都を含めた砥石の歴史,業界の現状をわかりやすく解説。【資料1】を出典にした記述も多い。
●鳴滝,京都市右京区の歴史より
【資料4】…砥石山の家督を委譲された本阿弥家について「京都御役所向大概覚書」の記述あり
【資料5】…p169〈砥石山と本阿弥家〉
【資料6】…砥石と本阿弥家の関わりについて「雍州府志」「京都御役所向大概覚書」の記述あり
【資料7】…砥石山や本阿弥家についての記述あり
【資料8】…宇多野(鳴滝)地域と高雄地域の砥石について
- 事前調査事項
- NDC
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- 鉱物学 (459 9版)
- 近畿地方 (216 9版)
- 機械工作.工作機械 (532 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『京都天然砥石の魅力』(京都天然砥石組合記念誌編集委員会/編集 京都天然砥石組合 2003)
- 【資料2】『大工道具・砥石と研ぎの技法』(大工道具研究会/編 誠文堂新光社 2011) p20~41,143~151
- 【資料3】『道具・砥石と研ぎの技法』(築地正本/監修 誠文堂新光社 2010) p42~54,146~147
- 【資料4】『史料京都の歴史 14 右京区』(京都市/編 平凡社 1994) p305,318
- 【資料5】『常磐野郷土史』(常磐野郷土史編纂委員会/編 常磐野教育後援会 1974) p167~169
- 【資料6】『宇多野小史』(小野恵美子/著・刊 1979) p44,107~108
- 【資料7】『京都鳴滝史蹟案内』(下村 さとし/編著 下村睿 1997) p199~204
- 【資料8】『右京 区制五十周年記念誌』(右京区制五十周年記念会 1983) p84,101
- 【資料9】『京都大事典』(佐和 隆研/[ほか]編集 淡交社 1984) p698 “鳴滝砥石”
- キーワード
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- 砥石
- 天然砥石
- 鳴滝砥
- 合砥
- 鳴滝
- 宇多野
- 梅ケ畑
- 高雄
- 本阿弥家
- 研磨
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000116457