レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年10月11日
- 登録日時
- 2019/12/24 12:40
- 更新日時
- 2020/01/04 11:58
- 提供館
- 岐阜県図書館 (2110001)
- 管理番号
- 岐県図-2533
- 質問
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「さより飯」の「さより」は、サンマだけではなく細長い魚一般をさした方言だと聞いたが、根拠となる資料があるか。
- 回答
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1 中日新聞2017年3月29日朝刊・岐阜地域面(p.19)に、「さよりめし家で簡単に 可児の「まる耕」 動画でレシピ紹介(ぎふ経済)」との記事があり、以下のような記載がある。
-----(以下引用)-----
さよりめしはサンマの炊き込みご飯で、戦前には宮内庁の「日本五大名飯」に選定された。細長い魚一般を「さより」と呼んだのが名の由来とされる。市史によれば「秋になると心待ちにする何よりの味覚」だったが、近年はあまり食べられなくなっているのが実状だ。
-----(引用ここまで)-----
ただし、この記事以外に細長い魚一般を「さより」と呼んだとする記載は見つけられなかった。
2 可児市教育委員会が刊行している『可児市のじまんとほこり』では、「海が近くにない可児の人は、海の魚について細かな区別をせず、本当は「さんまめし」であっても「さよりめし」と呼んでいたようです。」との記載がある(参照URL下記)。また、東白川村教育委員会が刊行している「ふるさとのことば」では、「さより」の項目で「さんまの異称」、「さんま」の項目で「さよりの誤称」としており、両者が厳密に区別されていなかったとは言えると考えられる。
可児市のじまんとほこり:http://www.city.kani.lg.jp/14595.htm (2019年10月確認) PDFファイルのp.21にさよりめしの記述。
- 回答プロセス
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上記以外に以下の資料を参照。
・『岐阜県方言辞典』(山田敏弘編著 岐阜大学,2017年刊)…
「さより」の項目に県内各地の用例が記されているが、すべて「さんま」のこととしており、細長い魚一般をさしているとの例はなかった。
・『日本のまん真ん中 岐阜県方言地図 第1集』(加藤毅編 岐阜県方言研究会・岐阜県老人クラブ連合会,1984年刊))
・『わたしのまわりの魚たち 岐阜県魚類方言集』(金古弘之編 白鳥町,1984年刊)
・『岐阜県方言集成』(瀬戸重次郎著 大衆書房,1934年刊)
・『聞き書岐阜の食事』(農山漁村文化協会,1990年刊)
・『可児町史 通史編』(可児町,1980年刊)
・『可児市史 民俗編』(可児市,2007年刊)
・『御嵩町史 民俗編』(御嵩町史史編さん室,1985年刊)
- 事前調査事項
- NDC
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- 食品.料理 (596 9版)
- 衣食住の習俗 (383 9版)
- 方言.訛語 (818 9版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000271291