レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/07/10
- 登録日時
- 2020/09/16 00:30
- 更新日時
- 2020/09/16 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-200099
- 質問
-
解決
アグリッパが製作したとされる「オルビス・テッラルム」という世界地図の写真・図が見たい。
- 回答
-
「オルビス・テッラルム」という世界地図は見当たりませんでた。
参考までに,下記資料1-3にアグリッパが制作に関わったとされる地図についての記載がありましたので御案内します。※【 】は当館請求記号です。
資料1 ジェリー・ブロットン 著, 齋藤公太 [ほか]訳『地図の世界史大図鑑』河出書房新社, 2015【448.9/15Y/タR】
p.31「古典古代の地図」の「地図の背景」の項
地図と下記の解説が記載されています。
「この円形の世界図は,将軍マルクスウィプサニウス・アグリッパが紀元前20年頃に作成を命令した,古代ローマの軍事地図の写しである。原本は残っていない。」
資料2 マイケル・サウスワース, スーザン・サウスワース 共著『地図』築地書館, 1983【448.9/1983】
p.23「2.6 ローマの世界図」の項
地図が記載されています。
p.25「道中図(ルート・マップ)」の項
「(前略)ローマと地中海が中心にすえられ,左にヨーロッパ,東のオリエントを上に,そしてアフリカを右にした環がそのまわりをかこんでいる。ローマ帝国はその地域の5分の4をしめているのに,インド,スキタイおよびサルマチア(ロシア)は不つりあいに狭く(2.6)なっている。このような地図がマルクス・アグリッパス(紀元前63~12年)の指示で大理石にきざまれ,ローマの威信の象徴としてローマ公会の広場ちかくにすえられていた。(後略)」
写真や図はありませんが,資料3にアグリッパが制作に関わった地図についての記述があります。
資料3 ジョン・ノーブル・ウィルフォード 著, 鈴木主税 訳『地図を作った人びと』河出書房新社, 1988【448.9/ウ1】
p.79「第4章 神話とドグマの世界」の項
「(前略)アウグストゥス(カエサル・オクタヴィアヌス)は,女婿のマルクス・アグリッパ(紀元前六三年-一二年)を責任者として地図づくりの計画を実行に移したが,測量士たちはおよそ二〇年の歳月を費やしてそれを完了した。(中略)アグリッパの測量士たちは何千キロという街道
を調査し,その対象はブリタニアから中東へ及んだ。街道に沿って,測量士たちは里程標を設置したが,これはローマの道路の基本水準標である。測量が終わると,アグリッパは当時のローマ人たちに知られていた世界の原図をつくった。円形のその地図は大理石に彫られ,ローマ広場の近くに展示された。それは人びとの情報源になると同時に,ローマ帝国の広さを如実に示していたので,ローマ人の誇りをかきたてもした。地図は,その後のすべての帝国で,このような二重の役割を果たしたのである。(後略)」
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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アントニー・エヴァリット著『アウグストゥス』に「アグリッパのオルビス・テッラルム」の復元図が掲載されていた。
ウィプサニア列柱廊の壁に刻まれたとされているが,現存しているかは不明。紀元前12年頃に作られたものだと思われる。
- NDC
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- 地球.天文地理学 (448 9版)
- 参考資料
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- ジェリー・ブロットン?著 齋藤/公太?[ほか]訳. 地図の世界史大図鑑. 河出書房新社, 2015.11【448.9/2015.Y/タR】:
- マイケル・サウスワース/共著 スーザン・サウスワース/共著. 地図. 築地書館, 1983.5【448.9/1983.5】:
- ジョン・ノーブル・ウィルフォード/著 鈴木 主税/訳. 地図を作った人びと. 河出書房新社, 1988.5【448.9/ウ1】:
- キーワード
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- 世界地図--歴史
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000287154