レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年2月7日
- 登録日時
- 2021/03/16 15:38
- 更新日時
- 2021/09/18 11:53
- 管理番号
- 中央-1-0021477
- 質問
-
未解決
1800年代から1900年代にかけて記された古文書(原文ラテン語)の中に、次に記したような、分数と共に記載された日付があった。
辞書検索では1886年2月しか分からず、分数のように記載されている数字の意味については分からなかった。
このような古い海外の暦について調べるうえで参考になる資料を教えてほしい。
4
― Fevrier 1886
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- 回答
-
暦に関する本を調査したが、分数で記された日付について書かれている本は見つからなかった。
調査の過程でグレゴリオ暦とユリウス暦についての記述を調べていたところ、
『現代こよみ読み解き事典』岡田芳朗/編著 阿久根末忠/編著 柏書房 1993年 にて
1582年、それまで使われていたユリウス暦からグレゴリオ暦(現在も使われている太陽暦)に改暦され、カトリック諸国でただちに採用される中、プロテスタント諸国ではグレゴリオ暦を受け入れず、ヨーロッパでは二つの暦法が採用されていた ということが分かった。
また、インターネット上の参考情報とはなるが、日付の表記でスラッシュを用いる場合の解説として、以下の記述があった。
「ヨーロッパ諸国では、ユリウス暦からグレゴリオ暦への移行時期に、混乱を防ぐため、ユリウス暦とグレゴリオ暦の日付をスラッシュをはさんで併記した」
(ウィキペディア フリー百科事典 「スラッシュ(記号)」 1 国際的な用法 1.1 日付 より) ※最終アクセス確認日 2021年3月20日
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5_(%E8%A8%98%E5%8F%B7)
同じくウィキペディアの「ユリウス暦」のページからは、1800年代のユリウス暦とグレゴリオ暦の日付のずれが12日であることが分かり、質問にある分数はユリウス暦とグレゴリオ暦をスラッシュを挟んで併記したものではないかと推定することができる。
ただし、図書館資料から導いた明確な答えではなく、あくまでも推定である。
- 回答プロセス
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今回の調査に使用した本を参考までに紹介した。
下記の本を調査に使用したが、回答につながる情報は載っていなかった。
(1)『暦の歴史』ジャクリーヌ・ド・ブルゴワン/著 池上俊一/監修 南条郁子/訳 創元社 2001年
(2)『中世の時と暦 ヨーロッパ史のなかの時間と数』アルノ・ボルスト/著 津山拓也/訳 八坂書房 2010年
(3)『世界の暦文化事典』中牧弘允/編 丸善出版 2017年
(4)『西暦はどのようにして生まれたのか』H.マイアー/著 野村美紀子/訳 教文館 1999年
(5)『カレンダーから世界を見る』中牧弘允/著 白水社 2008年
(6)『古代中世暦 和暦・ユリウス暦月日対照表』日外アソシエーツ編集部/編 日外アソシエーツ 2006年
(7)『暦の大事典』岡田芳朗/編者代表 朝倉書店 2014年
(8)『暦の百科事典』暦の会/編 新人物往来社 1986年
- 事前調査事項
- NDC
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- 時法.暦学 (449 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- グレゴリオ暦
- ユリウス暦
- 暦
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000295285