レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008年09月10日
- 登録日時
- 2008/09/10 18:40
- 更新日時
- 2008/09/10 18:40
- 管理番号
- 富山市-2008-05
- 質問
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解決
岐阜県飛騨古川へ行ったときに新酒ができた印として酒蔵に杉で作った玉を吊るす習慣があると聞いたが、この名称について知りたい。
- 回答
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『日本大百科全書』には、【杉(スギ)】の項目があり、造酒屋のしるしとして、杉の葉を丸く集めたものを軒先に掲げる風習が各地にみられると解説がある。この名称の記述はない。
『日本を知る事典』では、日本で新酒が出ると杉を束ねた酒ばやしを軒に吊るす蔵が少なくないと書かれている。
『日本酒大事典』では、【杉(すぎ)の門(もん)】の項目があり、酒(さか)林(ばやし)という杉の葉で玉をこしらえて酒店で新酒発売の合図としたといわれる。以前には杉の門を建てたという。また、【酒(さか)林(ばやし)】の項目には、はじめは三輪(みわ)の甘酒という意味で、三輪の神杉の枝を酒屋の軒につるしたのが、いつの間にか丸い玉にして新酒の出来たしるしに酒造家の軒につるしたとある。【杉】の項目には、日本酒と杉の関係はかなり根の深いものがある。新酒の看板として使われた酒(さか)林(ばやし)(杉玉ともいう)など伝説にまつわるものが多いと書かれている。
『日本の酒文化総合辞典』では、【酒屋の看板】の章によると、名称については「酒林」のほか「酒(さか)箒(ぼうき)・酒葉・杉葉・杉の丸・杉玉・杉林」など類称が多いとあり、酒林の形の変遷図が載っている。「酒林」については、江戸初期に現れた酒屋の目印で、杉の葉を束ねて球状に細工をし、軒先に吊り下げたものである。由来には諸説があるが、中国から伝えられたものとする説が多いと
書かれている。
- 回答プロセス
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①総合百科事典の役割をもつ『日本大百科全書』で調査をする。
②民俗学の視点から専門事典の役割をもつ『日本を知る事典』で調査をする。
③日本酒の視点から専門事典の役割をもつ『日本酒大事典』で調査をする。
④新しい情報を探すために専門事典の役割をもつ『日本の酒文化総合辞典』で調査をする。
- 事前調査事項
- NDC
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- 衣食住の習俗 (383 8版)
- 食品工業 (588 8版)
- 参考資料
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- ①『日本大百科全書 12』 小学館/発行 1986年
- ②『日本を知る事典』 平凡社/発行 1971年
- ③『日本酒大事典』 彩光社/発行 1979年
- ④『日本の酒文化総合辞典』 柏書房/発行 2005年
- キーワード
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- 新酒
- 杉の門
- 杉立てる門
- 酒林
- 杉玉
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 衣食住の習俗 食品工業(日本酒)
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000047258