レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年01月19日
- 登録日時
- 2020/01/19 14:23
- 更新日時
- 2020/03/06 15:35
- 提供館
- 京都市図書館 (2210023)
- 管理番号
- 右中ー郷土ー134
- 質問
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解決
賀茂の斎院(さいいん)について知りたい。
- 回答
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賀茂の斎院は“いつきのみや”ともいい,賀茂別雷(かもわけいかずち)神社(上賀茂神社),賀茂御祖(かもみおや)神社(下鴨神社)からなる賀茂社に奉仕する,未婚の内親王または女王のことです。【資料1・2・4~6,8】
“斎院”という呼び名は,人と,その住まいの両方に用いられました。【資料1~3,5】
始まりは,平安時代に嵯峨天皇が,兄である平城天皇との対立の克服を賀茂神社に祈願し,皇女を“阿礼乎止女(あれおとめ)”と呼ばれる神に仕える女性として献上したことによるとされています。【資料1・2・5~7・8】
斎院は,天皇即位の後に,内親王または女王のなかから占いによって定められます。
賀茂川で禊を行い,宮中で約2年間,心を清め,肉食を禁止するなどの潔斎生活を送ります。
その後,再び賀茂川で禊をしてから紫野にある斎院に入り,年中祭儀や賀茂社での葵祭などに奉仕しました。【資料1~3,5~9】
この制度は9世紀初めから13世紀初めまでの約400年間続き,35人が斎院をつとめました。【資料1・2・4・5】
都にある斎院には来訪者も多く,“女流文学サロン”を形成していた例も多くみられています。例えば,『源氏物語』や『狭衣物語』などの成立も斎院と関係していると考えられています。【資料1・2】
- 回答プロセス
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●歴史関係の事典を確認・・・【資料1・2】
●京都関係の事典を確認・・・【資料3】
●“賀茂 斎院”“斎王”で京都市図書館所蔵資料を検索・・・【資料4・5】
●【資料1・2】の参考文献を確認・・・【資料6~8】
●【資料1・2・4】の記述より王朝文学関係の事典を確認・・・【資料9】
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 9版)
- 法制史 (322 9版)
- 日本文学 (910 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『国史大辞典 6』(国史大辞典編集委員会/編 吉川弘文館 1985)p120~122“斎院”
- 【資料2】『平安時代史事典 本編 上』(古代学協会/編,古代学研究所/編 角川書店 1994)p962“斎院①”“斎院②”,p528“賀茂神社”
- 【資料3】『京都大事典』(佐和 隆研/[ほか]編集 淡交社 1984)p414 “斎院・斎宮”
- 【資料4】『斎王の道』(村井 康彦/監修,宮田 恵子/編集 向陽書房 1999)p83~93 “賀茂祭と斎院”
- 【資料5】『角田文衞の古代学 1』(角田 文衞/著,古代学協会/編 古代学協会,吉川弘文館 2018)p107~119“賀茂の斎院をめぐって”
- 【資料6】『古事類苑 [7] 神祇部』(吉川弘文館 1977)p1169~1240“神祇部六十四 賀茂神社四 齋院”
- 【資料7】『官職要解』(和田 英松/著 明治書院 1976)p169~170“五四 齋院司”
- 【資料8】『延喜式 上』(虎尾 俊哉/編 集英社 2000)p355~388“延喜式 巻第六 神祇六 斎院司”
- 【資料9】『王朝文学文化歴史大事典』(小町谷 照彦/編著,倉田 実/編著 笠間書院 2011)p476~479“斎院”
- キーワード
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- 斎院
- 斎王
- 賀茂神社
- いつきのみや
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000272754