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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
愛知淑徳大学図書館 (3310015)管理番号
(Control number)
ASN2019-05
事例作成日
(Creation date)
2019年11月15日登録日時
(Registration date)
2019年12月05日 14時58分更新日時
(Last update)
2019年12月12日 13時49分
質問
(Question)
10世紀のイギリス民法の一覧や辞典が見たい。また、10世紀周辺(中世)の民法の内容が知りたい。
当館に所蔵があればうれしいが、公立図書館所蔵でもかまわない。

【情報源】
ディケンズ・フェロウシップ日本支部   http://www.dickens.jp/
 電子アーカイヴ  「総 合」
  松岡光治「ディケンズにおける自殺の諸相」 [PDF]
   TOP画面 「論文」 > 「目次」の「総合」クリック > 該当論文の[PDF]

「イギリスの民法では10世紀から、自殺者は心臓に杭を打ちつけて十字路の脇に葬られ、財産はすべて国王に没収された」という記述がある。文末に引用文献、参考文献の記載が無いため、真偽を確かめたい。
情報源には、このほかキリスト教の影響についても言及している。
回答
(Answer)
法律は国によって考え方や体系が異なります(日本とイギリスでは法の体系が異なります)。
知りたい国の法律が、どのような体系なのか理解することが必要です。また、法律は時代によって変化していきます。近代以前の法律を知りたい場合は、その国の「法の歴史」という視点から調べるとよいでしょう。
詳細は回答プロセスを参照ください。
回答プロセス
(Answering process)
1.基本情報を確認する
1-1. レファレンス資料から探す  <分類:19(キリスト教)、20(歴史学)、322(法制史)>
JapanKnowledge [契約データベース] <キーワード:民法>
「民法」(『日本大百科全書(ニッポニカ)』)
 小項目「法典法国と判例法国」に、法典法国(成分法国=フランス、ドイツ、スイス、日本など)と
 判例法国(=イギリス、アメリカ)の法の体系の違いについて解説

【★1】『英米法辞典』
 巻末 「和英法律用語索引」より目的の英単語を探す。  「自殺」→「suicide」 「民事法」→「civil law」
 p.824-825 「suicide」  自殺。「コモン・ロー上はfelony(重罪)とされ、自殺者の動産はforfeiture(没収)された
                ほか、死体の埋葬について不名誉な扱いをされた」
 p.147 「civil law」 1.大陸法 ヨーロッパ大陸諸国において行われている法。英米法(common-law)と対比して
              使われる。 2.民事法 3.国内法
 p.165 「common law」  1.コモン・ロー。「中世以来国王のcommon-law court(コモン・ロー裁判所)が発展させて
                 きた法分野」 3.英米法。判例法だけでなく制定法も含めた英米法の全体
 p.166 「common-law crime」  コモン・ロー上の犯罪

『歴史学事典』
 別巻『総索引』より目的の言葉の掲載場所を探す。  例: 「自殺」→2巻p.273、9巻p.289 
 【★2】第2巻『からだとくらし』  p.273-275  「自殺」 ・・・ 参考文献あり
 【★3】第9巻『法と秩序』  巻頭の「項目分類目次」、各項目の関連項目も参照する
  p.132-133 「近代法3(英米法)」・・・ ローマ法を継受して制定法主義をとる大陸法に対し、中世以来、
                         コモン・ローの伝統をひきつぎ判例法主義をとるイギリス法。
  p.232-234 「コモン・ロー」 ・・・ 参考文献あり。関連項目「キリスト教会法」「慣習法」など
  p.289-290 「自殺」 ・・・ 参考文献あり。関連項目「キリスト教会法」
  p.603-606 「民法」・・・ [形式的意味の民法] 日本を含むヨーロッパ大陸法系諸国で、近代に国会制定法として
                 制定した「民法典」という大部分の法典。

『オックスフォードキリスト教辞典』(E.A. リヴィングストン編;木寺廉太訳 教文館 2017.1 190/L75)
 p.353-354  「自死(自殺)」 6世紀には、教会法は自死者に通常の埋葬と祈りを否定した。
 p.225  「教会法」  信仰・道徳・規律に関して教会権威者により課される教会の規則や法律の総体。

次の資料にも同様の記載あり。
『岩波キリスト教辞典』(大貫隆 [ほか] 編集 岩波書店 2002.6 190/O68)
 p.468 「自殺」
 p.118 「教会法」
『Encyclopedia of early Christianity 2nd ed』
(editor, Everett Ferguson ; associate editors, Michael P. McHugh, Frederick W. Norris Garland 1997 190/E58/*)
 Vol.2 p.1094-1095  「Suicide」                            など


2.図書資料を確認する
2-1. [1-1]より参考文献を確認する
【★4】『自殺論 改版』
 p.554-620 「第3編 社会現象一般としての自殺について 第2章 自殺と他の社会現象との関係」
          イギリスが、自殺者を犯罪者と同列にしている、記載あり。

『イングランド憲法史』(F.W.メイトランド著;小山貞夫訳 創文社 1981.3  322/MA311-1)
 p.3-10 「第一期 A イングランド法の一般的特質と立法の概観 (i)1066年に至るまで」
        1066年までのイングランドの法律の流れを確認できる。            など

次の資料は当館に所蔵がないため、確認する必要あり。
 『イングランド法の形成と近代的変容』(小山貞夫著 創文社 1983.4)
 『絶対王政期イングランド法制史抄説』(小山貞夫著 創文社 1992.10)
 『イギリス法制史:總説篇』上下(プラクネット[著];イギリス法研究會譯 東京大學出版會 1959.1-10)
 『イングランド法制史概説』(J.ベイカー著 小山貞夫訳 創文社 1975)
 『The history of English law before the time of Edward I 2nd ed.』
  (Sir Frederick Pollock and Frederic William Maitland. Cambridge University Press 1968)
 『Historical foundations of the common law 2nd ed』(S.F.C. Milsom. Butterworths 1981)
 『The history of English law : centenary essays on 'Pollock and Maitland'』
  (edited by John Hudson. Published for the British Academy by Oxford University Press c1996)

他機関の所蔵は次のサイトで確認できる。
 ・CiNii Books   https://ci.nii.ac.jp/books/
 ・愛蔵くん   https://www.aichi-pref-library.jp/?page_id=72  (愛知県内の公共図書館の横断蔵書検索システム)

2-2.OPAC検索 <キーワード:イギリス△法律、イギリス、歴史、宗教、刑罰、ヨーロッパ△歴史、教会法 など>
A.『先史~中世』世界歴史大系 [イギリス史;1](青山吉信編 山川出版社 1991.2  233/I242/1)
 p.275-277 「第7章 王権と諸侯  補足16 イギリス法のおこり」
         初期のコモン・ローの解説書として『イングランドの法と慣習』またの名を『グランヴィル』が
         1187年~89年ごろに書かれたとの記載あり。

『イギリス宗教史:前ローマ時代から現代まで』
(シェリダン・ギリー,ウィリアム・J・シールズ編;赤江雄一[ほか]訳 法政大学出版局 2014.10  16233/G45)
 p.31-58 「第Ⅰ章 改宗とキリスト教世界 第2章 アングロ=サクソン期イングランドの宗教」
       イングランド初期の宗教の歴史を確認できる。また、書籍後半の文献案内(p.29)に
       第2章の参考文献が掲載。

『私有教会・教会法史』(U.シュトゥッツ著;増淵静四郎,淵倫彦訳 創文社 1972.4  195/Sh99)
 p.179  原注 [129・7] イギリスの教会法については「Friedberg,Lehrbuch S.5」を見よの記述あり。
               ・・・ データベースなどで書誌事項の確認を試みたが、発見できず。      など

次の資料から、該当情報を確認することができなかった。
 『名もなき中世人の日常:娯楽と刑罰のはざまで』
  (エルンスト・シューベルト著;藤代幸一訳 八坂書房 2005.3  230/A41/3)
 『中世ヨーロッパにおける死と生』(水田英実[ほか]著 溪水社 2006.9  2304/MI97)
 『王権とその支配』(ハンス・K・シュルツェ著;小倉欣一,河野淳訳 ミネルヴァ書房 2013.11  2304/SC8/3)
 『イングランド人民の歴史』(A.L.モートン/著,鈴木亮/〔等〕訳 未来社 1972  233/MO79)
 『西洋の自死:移民・アイデンティティ・イスラム』
  (ダグラス・マレー著;町田敦夫訳 東洋経済新報社2018.12  3023/MU79)
 『ディースターヴェーク/ロングマン英米制度・習慣事典』(中島文雄編 秀文インターナショナル 1978.9 30233/F47)
 『イギリスの市民社会:変わりゆくものと変わらざるもの』(武居良明著 未來社 1991.12  30233/TA62)
 『社会と犯罪:英国の場合:中世から現代まで』
  (ジョン・ブリッグス[ほか]著;吉村伸夫訳・注 松柏社 2003.10  322/B73)
 『拷問と刑罰の歴史』(カレン・ファリントン編著;飯泉恵美子訳 河出書房新社 2004.5  322/F15)
 『イギリス法入門』(田島裕著 有斐閣 1991.5  322/TA26)
 『イギリス憲法』(J.A.G.グリフィス, T.C.ハートレー共著;浦田賢治,元山健共訳 三省堂 1987  323/G85)

2-3.国立国会図書館デジタルコレクション   http://dl.ndl.go.jp/    <キーワード:教会法△自殺 など>
『世界自殺物語』(山名正太郎 雪華社 1964 書誌ID:000001055514 図書館送信参加館公開)
 p.54-62 「キリスト教と自殺」  
       自殺の禁止はアウグスティヌスから、452年アルルの宗教会議で自殺は犯罪だと宣言されたなど、
       関連情報を確認できる。


3.論文資料を確認する
3-1. CiNii Articles   https://ci.nii.ac.jp/
<キーワード:教会法△自殺、市民法△自殺 など> ・・・ 0件

<キーワード:キリスト教△自殺> ・・・ 17件
次の資料は当館に所蔵がないため、確認する必要あり。
 吉田 浩二 “自殺者のキリスト教葬儀”自殺予防と危機介入33(1) p.53-56 2013.3   など

3-2. 国立国会図書館デジタルコレクション   http://dl.ndl.go.jp/   <キーワード:教会法△自殺 など>
 安井光雄“自殺と教会法”世紀 24(260) p.54-55 1972 (書誌ID:000000012860 図書館送信参加館公開)
  ・・・ アウグスティヌスの見解が教会法にも影響を与えた、452年のアルルの公会議で自殺を罪とした、
      など、関連情報を確認できる。

3-3. 調査の過程で発見  <キーワード:イギリス△教会法、イギリス△教会法△自殺  など>
○国士舘大学 学術情報リポジトリ   https://kokushikan.repo.nii.ac.jp/
 【★5】五十子 敬子“英国における死をめぐる自己決定について”
    自殺処罰の歴史的変遷を確認できる。文末に参考文献あり。
    注釈(10)のGlanvilleWilliams The Sanctity of Life and The Criminal Law, Faber&FaberLtd., 1958, p.294
    が関係ありそうだが、翻訳書は確認できなかった。
      TOP画面左「インデックスツリー」から「法学部」→「比較法制研究」→「more・・・」→「第22号」を選択
      > 該当論文をクリック > 「本文」のリンクをクリック

○『宗教法』 論文データベース   http://religiouslaw.org/journal/
 宗教法学会が発行している機関誌『宗教法』に収録された論文等の書誌情報を検索できる。
 また、全文をPDFで確認できる。
  石村耕治“イギリスの宗教法文献紹介(1)” 宗教法(27) p.203-284 2008.11
    イギリスの宗教に関連する法律の文献が紹介されている。
      TOP画面上検索欄で「イギリス 宗教法」と入力し、検索 > 該当する論文を選択
       > 「全文ファイル:(pdf)」の「PDFアイコン」をクリック


4.[2-2-A]より、『イングランドの法と慣習』および『グランヴィル』を確認する
<タイトル:イングランドの法と慣習、グランヴィル>
4-1. CiNii Books    https://ci.nii.ac.jp/books/
次の資料から、該当情報を確認することができなかった。
 『中世の法と権力』(木村尚三郎 [ほか] 編 學生社 1985.4 2094/KI39/4)  など

以下の資料は当館に所蔵がないため、確認する必要あり。
 『中世イングランド王国の法と慣習 : グランヴィル』(松村勝二郎訳 明石書店 1993.4)

4-2. 国立国会図書館デジタルコレクション   http://dl.ndl.go.jp/
『イングランドの法と慣習』および『グランヴィル』そのものの資料を確認することができなかった。
次の論文に『グランヴィル』の解説書を邦訳した内容が掲載されていましたが、該当情報は確認することができなかった。
 ラナルフ グランヴィル著,松村 勝二郎訳
 “イングランド王国の法と慣習-1-” 海技大学校研究報告 (31) p.73-130 1988/03
 “イングランド王国の法と慣習-2-” 海技大学校研究報告 (32) p.117-142 1989/03
 B. “イングランド王国の法と慣習-3-” 海技大学校研究報告 (33) p.99-162 1990/03 ・・・ 参考文献あり
(『海技大学校研究報告』は、国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧可能です。
 (書誌ID:000000003132  図書館送信参加館公開))

4-3. [4-2-B]より参考文献を確認する
次の資料から、該当情報を確認することができなかった。
 『綜合研究中世の文化』(片野達郎編 角川書店 1988.2 041/KA82)


5.著者情報から確認する
5-1.著者のWebサイト
名古屋大学 松岡光治 研究室    http://victorian-studies.net/matsuoka.html
 「松岡光治業績一覧」  [PDF]
  p.4 “ディケンズの作品における自殺諸相”『年報』第29号
      (ディケンズ・フェロウシップ日本支部 2006年10月) 40-49頁 ・・・ 情報源と論文タイトルが類似している
     TOP画面>真ん中の「出版物」アイコン

5-2. [5-1]より文献を確認する
ディケンズ・フェロウシップ日本支部   http://www.dickens.jp/
『年報』 
 ディケンズ・フェロウシップ日本支部が発行している『年報』の目次とPDF化された本文を確認できる。

 松岡光治“ディケンズの作品における自殺諸相”年報(29) p.43-52  [PDF]
   本文を確認したところ、情報源と同一の論文であった。参考文献の掲載はなかった。
     TOP画面右メニュー「年報」 > 「29」 > 「第29号(平成18年度)」 の「PDF版」


以上
<Web最終確認日:2019/12/06>


(2019/12/12追記)
情報提供により、次の資料でも該当情報を確認できることがわかった。
(情報提供者:国立国会図書館レファレンス協同データベース事業サポーター様)

○東京大学学術機関リポジトリ   https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/
松永 幸子"近世イングランドにおける初期自殺論の特性--ジョン・シムとジョン・ダンの場合"
東京大学大学院教育学研究科紀要 42 p.1-20 2002

○同志社女子大学学術リポジトリ   https://dwcla.repo.nii.ac.jp/
近藤千代"The Chimesの教育書としての可能性"Asphodel (45) p.76-93 2010/07/26
ディケンズおよびその時代における自殺に関する記述あり。

○当館に所蔵が無いため、確認する必要あり。
『世紀末自殺考 : ヴィクトリア朝文化史』(バーバラ.T.ゲイツ 著;桂文子他訳 英宝社 1999 ISBN: 4269810424)
事前調査事項
(Preliminary research)
インターネット、当館OPACで「イギリス△民法」などのキーワードを使って探してみたが、
該当する時代のもので良さそうなものを見つけることができなかった。
NDC
社会病理  (368 10版)
法制史  (322 10版)
イギリス.英国  (233 10版)
参考資料
(Reference materials)
【★1】田中英夫 [ほか]編 , 田中, 英夫, 1927-1992. 英米法辞典. 東京大学出版会, 1991.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002111819-00 , ISBN 4130311395 (当館請求記号:322/E37)
【★2】尾形勇 [ほか]編 , 尾形, 勇, 1938- , 樺山, 紘一, 1941-. 歴史学事典 第2巻. 弘文堂, 1994.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002419399-00 , ISBN 4335210329 (当館請求記号:203/R251/2)
【★3】尾形勇 [ほか]編 , 尾形, 勇, 1938- , 山本, 博文, 1957-. 歴史学事典 第9巻. 弘文堂, 2002.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003072527-00 , ISBN 4335210396 (当館請求記号:203/R251/9)
【★4】デュルケーム 著 , 宮島喬 訳 , Durkheim, Émile, 1858-1917 , 宮島, 喬, 1940-. 自殺論 改版. 中央公論新社, 2018. (中公文庫 ; テ4-2)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I029197489-00 , ISBN 9784122066427 (当館請求記号:3683/D98)
【★5】五十子, 敬子 , 五十子, 敬子. 英国における死をめぐる自己決定について. 國士舘大學比較法制研究所, 1999. 比較法制研究 22 p.169-192
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000025-I005156132-00
キーワード
(Keywords)
イギリス
10世紀
法律
民法
教会法
自殺者
刑罰
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
法律
質問者区分
(Category of questioner)
学生
登録番号
(Registration number)
1000269890解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
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