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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
埼玉県立久喜図書館 (2110009)管理番号
(Control number)
埼熊-2012-249
事例作成日
(Creation date)
2013年01月18日登録日時
(Registration date)
2013年03月12日 15時45分更新日時
(Last update)
2013年05月31日 11時50分
質問
(Question)
フランス革命の頃の王室費を調べるため、以下のデータを探している。
1  18世紀後半の他国(イギリスなど)王室費の国全体の支出に対する割合
2  フランスにおける、そのほかの時代の王室費割合
回答
(Answer)

1 18世紀後半の他国(イギリスなど)王室費の国全体の支出に対する割合
イギリス
以下の資料に「通常15パーセント以下にすぎなかった」との記述があった。
『財政=軍事国家の衝撃 戦争・カネ・イギリス国家1688-1783』(ジョン・ブリュア著 名古屋大学出版会 2003)
 p49 図2-1「国家歳出総額(1691-1785年)」のグラフがあり、軍事費・国債費・文政費(宮廷費)の占める割合が示されている。
 p49-50 「図2-1をみると、18世紀のイングランド政府が内政にほとんどお金を出していなかったことも歴然としている。文政費支出-実際には君主と宮廷の経費を意味し、「シヴィル・リスト」とよばれた-はこの時期をつうじてほとんど横這いで年にわずか100万ポンド以下に始まり、1780年代までに年150万ポンド足らずになったにすぎない。陣笠議員は君主と宮廷の金遣いの荒さに何かと文句をつけたものだが、実際のシヴィル・リストは、政府の支出総額のわずかの部分(通常15パーセント以下)にすぎなかった。」との説明あり。
 p50 表2-2「政府歳出総額に占める軍事費支出(1688-1783年)」による18世紀後半の歳出総額は以下のとおり。
 1756-63年 116,664千ポンド  1775-83年 178,482千ポンド
上記の政府歳出総額に占める文政費支出を仮に150万ポンドとして計算してみると、1756-63年が約13%、1775-83年が約8%となる。ただし、実際の文政費は「1780年代までに年150万ポンド足らずになった」とあるのみ。
 

ドイツ
18世紀前半については、宮廷費(宮廷金庫への振込金)が中央王領地金庫への送金の半分近くを占めたとする記述が見られた。
『ドイツ財政史研究 一八世紀プロイセン絶対王制の財政構造』(久保清治著 有斐閣 1998)
 p39 第二-2表「1713/14年度~1739/40年度における財政支出」及び第二-3表「1713/14年度~1739/40年度におけるGDK支出」に、各会計年度の「宮廷・民事費」のパーセンテージあり。(GDKは「中央王領地金庫」の略称)
第二-2表では最高17.1%最高32.1%、第二-3表では最高59.5%最低31.0%となっている。
 p40に第二-3表の説明として、「宮廷費(宮廷金庫への振込金)は通常30~50万ターラと半分近くを占め」との記述がある。
 p300-301 第八-8表「1786年から1795年までの国庫金の収支状況」の1789/90年度の支出の部(小計12,477,447ターラー)に、「宮廷用(1790年4月28日の国王命令による)4,663,883」とあり。
p40、139の記述から「民事費」は干拓事業等の非軍事的支出に向けられた。
 

2 フランスにおける、そのほかの時代の王室費割合
いくつかの時代の王室関係の支出についての記述あり。
『中世史講座 6 中世の政治と戦争』(木村尚三郎〔ほか〕編 学生社 1992)
 p320-343「フランス絶対王政の財政」の節に、「表1・A、B歳出の規模と構成」の表あり、王室関係の支出については「1600-09年 約1/3(30)[%]」「1661-83年(コルベール期) 12-14[%]」「1788年 6[%]以下(非軍事計23.2[%]」。(出典はP.Goubert、L'ancien regime、2、pp136-138)
 p329 フランス絶対王政の歳出の規模や構成の全容を明かすことが難しいとし、「この困難は、単に史料上の制約に因るだけではなく、予算制度の欠如、通常収支と臨時収支との区別の不明確さ、財政機構における公私の未分離など絶対王政の財政のあり方そのものに根ざした問題に関わっているので、収支の規模や構成を正確な計数で示すのは殆ど不可能である。」とあり。
 p330「歳出の構成から次の点を指摘できるであろう。(1)宮廷濫費が財政難の原因といわれることが多いが、王室関係の支出の比率は低く、歳出増加に大きな責任を負っていないこと(略)」とあり。
『フランス史 2 16世紀-19世紀なかば 世界歴史大系』(柴田三千雄〔ほか〕編 山川出版社 1996)
 p178「図8 1600~53年の支出項目別変動」(〔出典〕 F.Bayard、op.cit.、p33)に、宮廷費も含めた支出の折れ線グラフあり。
 p219「図12 歳出全体に占める軍事費と債務返済金」(〔出典〕 A.Corvisier、op.ct.、p428)に、1683~1707年の歳出、陸軍.要塞、海軍、債務返済の折れ線グラフあり。(宮廷費は含まれていない。)

回答プロセス
(Answering process)

その他の調査資料と経過は次のとおり。
 
参考資料
『ヨーロッパ歴史統計国家・経済・社会 1815-1975 上』(ペーター・フローラ編 竹岡敬温監訳 原書房 1985)
 p345-449「政府支出」の章あり、各国の支出総額と部門別支出の百分比あるが、年代が違う。
 p376-382「フランス」の項あり。p382に「支出総額に対する部門別支出の百分比」あり1822年から1912年の数値あり。(王室費という区分はない)
『マクミラン世界歴史統計 1 ヨーロッパ篇』(B.R.ミッチェル編 原書房 1984)
 p733-741「中央政府の支出総額」の表あり。ヨーロッパ各国の支出総額の表あり(フランスは1815年から。)支出総額なので、王室費の割合はわからない。
『歴史学事典 12 王と国家』(尾形勇〔ほか〕編 弘文堂 2005)
 p96「王室費」の項あり。イギリスの王室費のしくみについて記述あり。18世紀の王室費やその割合については記述なし。
 

〈イギリス〉〈財政史〉
『イギリス財政思想史 重商主義期の戦争・国家・経済』(大倉正雄著 日本経済評論社 2000)
 巻末索引〈シヴィル・リスト(王室費、文政費〉から
 p242 1727年にイギリスのジョージ1世が死去した際、即位したジョージ2世にも先王と同じ80万ポンドを与えるべきという提案をウォルポールがしたという記述あり。
 p266 ジョージ2世に王室費80万ポンドが給付されたという記述あり。
『イギリス財政史』(ヒックス著 遠藤湘吉共訳 東洋経済新報社 1961)
 イギリスの行財政についての記述はあるが、王室費に関する記述なし。
『財政思想史 財政学説・思想の史的研究』(坂入長太郎著 酒井書店・育英堂 1989)
 財政の学説や思想について述べられており、フランスや他国の財政の数字は記述なし。
 

王室関係資料
『王の奇跡』(マルク・ブロック著 刀水書房 1998)
 p483-502「補論1 英仏の財政記録に見る王の奇跡」があり、p483に、フランスの行政帳簿は、1737年の火災により「ほとんど灰燼に帰した」とある。18世紀の記述は見あたらず。
『ヨーロッパの王室』(田口省吾著 世界の動き社 1993)
 ヨーロッパ各国の王室について記述があるが、財政や予算には触れていない。
『イギリス王室の社会学』(マイケル・ビリッグ著 社会評論社 1994) 現代王室へのインタビュー
『英国王室史話 下 中公文庫』(森護著 中央公論新社 2000)
 18世紀ころの記述
 p157「1727年ジョージ2世が即位したとき、ウォルポールが議会に先ず諮ったのは、ジョージ1世時代の宮廷費70万ポンドを83万ポンドとする思い切った増額案であった。」
『イギリス王室物語 講談社現代新書』(小林章夫著 講談社 1996)
 18世紀ころの記述
 p126-127 1720年の「南海泡沫事件」(バブル崩壊)について記述あり。
 p149-150 皇太子ジョージ(後のジョージ4世)が結婚にあたり要求した金額あり。「歳費6万ポンド増の年間12万5000ポンド、支度金その他が7万9000ポンド、皇太子妃の歳費5万ポンドで、しめて25万ポンドを超える。国王の1年間の宮廷費が83万ポンドだそうだから、これはなかなかの高額である。」
 

〈フランス史〉
『フランス革命はなぜおこったか』(柴田三千雄著 福井憲彦編 山川出版社 2012)
 p32-33 1788年のフランス「会計報告」の記述あり。
 p35 同時代のイギリスの財政について記述あるが、具体的な数値はなし。
  
関連の記述なし。
『フランス史 新版世界各国史 12』(福井憲彦編 山川出版社 2001)
『フランス史 世界各国史 2』(井上幸治編 山川出版社 1968)
 

関連の新聞記事
《Google》を〈マリー・アントワネット & 浪費〉で検索したところ、次の新聞記事がヒット
「浪費家じゃなかった?マリー・アントワネット」(『朝日新聞 2012年8月6日朝刊p31』)( http://www.asahi.com/culture/intro/TKY201208050239.html 朝日新聞社 2013/01/15最終確認)
『朝日新聞縮刷版 2012年8月』「1788年度を例にあげれば、フランスの国家予算に占める王室費などの割合は約6%」という記述あり。

事前調査事項
(Preliminary research)
「歴史学事典 1 交換と消費」(横山絋一著 弘文堂 1994)〈王室財政〉の項目
「英国王室史話」(森護著 大修館書店 1987)
1589年にイギリス国王ジェイムズ一世と結婚した王妃ア・オブ・デンマークは非常に浪費家で、イングランド王室の財源さえおびやかした。
NDC
財政史.事情  (342 9版)
フランス  (235 9版)
参考資料
(Reference materials)
『財政 軍事国家の衝撃 戦争・カネ・イギリス国家1688-1783』(ジョン・ブリュア著 名古屋大学出版会 2003)
『ドイツ財政史研究 一八世紀プロイセン絶対王制の財政構造』(久保清治著 有斐閣 1998)
『中世史講座 6 中世の政治と戦争』(木村尚三郎〔ほか〕編 学生社 1992)
『フランス史 2 16世紀-19世紀なかば 世界歴史大系』(柴田三千雄〔ほか〕編 山川出版社 1996)
キーワード
(Keywords)
フランス-政治-歴史-18世紀
財務行政-フランス
フランス革命
財務行政-イギリス
財務行政-ドイツ
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
図書館
登録番号
(Registration number)
1000128769解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
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