レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年09月28日
- 登録日時
- 2014/03/20 11:05
- 更新日時
- 2014/03/20 14:06
- 管理番号
- 千県中千葉-2014-5
- 質問
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解決
現在供用されている千葉県道路公社管理の房総スカイラインは、半島の中央部に約10kmあるだけですが、当初は房総半島を横断する道路として計画されていたようです。
いつ、どのような議論を経て、当初の計画が変更(縮小)されたのか、房総半島を横断する道路の代替計画がなされたのかについて調べています。
これらの事柄について述べている資料がありますか。
- 回答
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房総スカイラインの計画変更に関しては、【資料1~7】等がありました。天然記念物に指定されているニホンザルの生息地等への影響が懸念されることから建設反対運動がおこり、審議会等を経て計画が変更された経緯が読み取れます。
房総スカイラインの基本情報は、『千葉県の有料道路』【資料1】に掲載されています。
路線名:県道南房総公園線、位置:君津市西粟倉から君津市片倉まで、工期:昭和48年2月~昭和54年3月、供用開始:昭和54年3月12日等。
県の5か年計画に見る変遷は、以下のとおりです。
・『千葉県第3次総合5か年計画』(昭和45年6月)【資料2】
p25事業名「房総スカイライン(1期)、君津郡清和村鹿野山附近から君津郡上総町の県道千葉・鴨川線に接続するまでの間20キロメートルについて、幅員6.5メートルで建設。
P26事業名「房総スカイライン(2期)」、建設区間:鹿野山、高宕山、清澄山等の拠点を結ぶ外房海岸勝浦市に至る観光道路の延長部分について調査。
・『千葉県第4次総合5か年計画』(昭和48年6月)【資料3】
P186事業名「南房総公園線(1期)」として、君津市西倉から片倉までの延長10kmを昭和50年度完成目標に建設。総幅員9m、2車線。
第2期(君津市片倉~勝浦)を昭和53年度以降整備。
・『千葉県新総合5か年計画』(昭和51年9月)【資料4】
P252事業名「南房総公園線(1期)」上記と同一区間について、総幅員8m2車線、昭和53年度完成目標に建設。
第2期については、「計画期間内調査」。
・『千葉県第2次新総合5か年計画』(1981年4月)【資料5】
南房総公園線(2期)等、房総スカイライン関係の道路は整備計画にあがっていません。
スカイラインの代替として計画されたかはわかりませんが、房総を横断する道路として、「房総横断道」が計画にあがっています。
P270事業名「房総横断道」、木更津方面と外房方面を結ぶ道路。有料道路と一般道路との組み合わせで事業を進めることを前提に調査をすすめ、一般道路区間の事業化を図る、とあります。
道路建設反対運動に関しては、次の資料があります。
『房総の自然を守るために 房総スカイライン建設反対に関する資料』【資料6】
p37~38「経過報告」では、東大理学部助手の投書をきっかけに、県内の各団体や千葉大、京大、東大等広範囲におこった建設反対運動の様子がわかります。
資料には各団体等からの要望書や房総スカイライン問題審議会(1回~3回)の内容等も掲載されています。
『千葉県関係新聞記事索引』昭和46年~48年(千葉県立中央図書館)から主な関連記事を抜粋するとおおよその経過がわかります。
・ 県、南総スカイライン再検討、途中にサル(天然記念物)生息地 1971.1.10(千葉日報)
・ 来年度着工する 房総スカイラインで知事語る 自然保護派ショック1971.12.14(産経新聞)
・ 紛糾の房総スカイラインに終止符 審議会近く県に正式答申1972.3.30(千葉日報)
・ 房総スカイライン 年度内に着工したい 知事表明1972.5.19(朝日新聞千葉版)
・ 「サル」避けた新ルート設定 房総スカイライン1972.12.24(千葉日報)
・ 房総スカイライン 南房総公園線で再生1973.6.1(千葉日報)
『千葉県議会史 第八巻』【資料7】には次の関連記事がありました。
・p484 議事概要(昭和46年)6月定例県議会
自由民主党の野口岡治から房総スカイライン早期建設を要求。
・p529 議事概要(昭和46年)12月定例県議会
土屋米一、三浦正行(ともに自由民主党)より房総スカイラインについて質問、友納知事が来年着工したいと回答しています。
- 回答プロセス
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『千葉県土木史』を確認。opacを「房総スカイライン」で検索、【資料6】ヒット。県5か年計画、新聞記事、議会史等調査。
- 事前調査事項
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『千葉県土木史』(千葉県県土整備部県土整備政策課 2007)p1-159の「房総スカイライン有料道路」の説明文には、「内房の一般国道127号と外房の一般国道128号を短絡する道路の一部として房総スカイラインを建設し」という記述があります。
また、同書p1-18の「千葉県新長期計画(昭和44年3月)」などの当時の計画図では、東京湾口道路と富津岬で連絡し、磯根崎、鹿野山、清澄山などの山岳地帯を経て東海岸の勝浦へ至る計画道路として「房総スカイライン」が記載されています。
- NDC
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- 行政 (317 9版)
- 道路工学 (514 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『千葉県の有料道路』(千葉県・千葉県道路公社 1979)(9200335908)
- 【資料2】『千葉県第3次総合5か年計画』(千葉県企画部企画課 1970)(9200158349)
- 【資料3】『千葉県第4次総合5か年計画』(千葉県企画部企画課 1973)(9200158367)
- 【資料4】『千葉県新総合5か年計画』(千葉県企画部企画課1976)(9200158474)
- 【資料5】『千葉県第2次新総合5か年計画』(千葉県企画部企画課1981)(9200309327)
- 【資料6】『房総の自然を守るために 房総スカイライン建設反対に関する資料』(岩本久美子・小畠裕子編 [197-])(9200298312)
- 【資料7】『千葉県議会史 第八巻』(千葉県議会 2003)(0200781728)
- キーワード
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- 千葉県-道路
- 自然保護
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000150960