レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年02月03日
- 登録日時
- 2013/03/12 16:17
- 更新日時
- 2013/06/04 15:42
- 管理番号
- 埼熊-2012-257
- 質問
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解決
文久2年(1862)の長州藩の石高と人口を知りたい。
- 回答
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長州藩の表高(知行充行状や知行目録に書き載せられた禄高。実際の収入高とは相違した)は、慶長18年(1613)から変わらず36万9411石、実高は『国史大辞典 11』に宝暦年間(1751-1763)に「総石高70万9078石を得た。」また、『幕末の長州 維新志士出現の背景 中公新書 86』には「天保十一年(1840)には89万石余となり、明治初年には98万8千余石」との記述が見られた。
人口については、『藩政一覧』に「人口は6万463人」とあるが、『藩史大事典 6 中国・四国編』の「全領46万7132人(天保期) 出典:「防長風土注進案」」とは、大きなずれがある。『幕末の長州 維新志士出現の背景 中公新書 86』には明治政府に藩が届け出たものとして「明治元年(1868) 農商その他114,604戸 人口504,921人」との記述があるが、文久2年の数値は見つからなかった。『藩史大事典 6 中国・四国編』(木村礎〔ほか〕編 雄山閣出版 1990)
p347-370「萩藩(別称長州藩)」の章あり。
p353「藩主一覧」の〈毛利敬親〉(在任期間が天保8(1837)-明治2年)の項が該当。
石高(表高)36万9411石(慶長期から変わらず)
p349〈藩の居城〉の項に人口は 全領46万7132人(天保期) 出典:「防長風土注進案」 とあり。
同じ頁に文久三年に山口藩と称するようになった旨の記述もあり。『日本史籍協会叢書 173 藩制一覧』(日本史籍協会編 東京大学出版会 1967)
p360-363〈山口藩〉の項、p361「人口は6万463人」とあり。『国史大辞典 11』(国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館 1990)
p490-493〈萩藩〉の項、「相談のうえ同十八年に総石高の70%にあたる36万9411石余を防長領国の石高として幕府へ報告した。これが毛利氏の表高(公称高)となり、明治維新に至るまで続いた。」「この検地(宝暦検地)は同13年5月に完了し、総石高70万9078石を得た。」『藩史総覧』(新人物往来社 1977)
p349-351〈長州藩〉の項あり。
「藩の表高(公称高)は、慶長15年に完了した藩内総検地により36万9411石余と確定し」『幕末の長州 維新志士出現の背景 中公新書 86』(田中彰著 中央公論社 1983)
p12-20〈長州藩のあらまし〉の項あり。
p14「江戸時代のこの藩の表高は、36万9411石余、(略)幕末に下るにつれてこの藩の実高は増加し、天保十一年(1840)には89万石余となり、明治初年には98万8千余石で、表高の三倍に近い実高を持っていたのである。」
p17「長州藩の農商人口」あり。「文政9年(1826) 農11万1675戸 商3400戸 人口45万0309人」「明治元年(1868) 農商その他11万4604戸 人口50万4921人」(維新政府に藩が届け出たもの)
- 回答プロセス
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回答資料以外の調査経過は次のとおり。
以下の資料には人口の記載なし
『新編物語藩史 9』(新人物往来社 1976)
p345-396〈長州藩〉の項あり。
p347に「藩の表高(公称高)は、慶長15年に完了した藩内総検地により36万9411石余と確定し、内高(実高)は、慶長年中約52万石であった。」とある。
『藩史事典』(藩史研究会編 秋田書店 1977)
p435-438「萩藩(長州藩)」
p436上段「…厳しい検地の結果、総石高52万余石を得た。幕府はこの検地高の約七割に当たる36万9千余石を、毛利氏の朱印高とした。」(検地は慶長13-15年)
『近世史ハンドブック』(児玉幸多〔ほか〕編 近藤出版社 1984)文献多数
p108〈長州藩〉の項あり。
「毛利氏は、関ヶ原の役に西軍に属したため、周防・長門二カ国36万石の外様大名となり」とある。
『藩と城下町の事典 国別』(工藤寛正編 二木謙一監修 東京堂出版 2004)
p519-523〈萩藩〉の項あり。
「厳しい検地の結果、総石高52万八千石余であった。幕府はこの検地高の約七割に当たる36万9千石余を萩藩の朱印高と確定した。」(検地は慶長13-15年)「宝暦十一年に慶長検地以来の本格的検地を実施し、この検地によって防長二ヵ国の総石高は約71万石(支藩領を除く)となり、4万石余の増徴となった。」
- 事前調査事項
- NDC
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- 予算.決算 (344 9版)
- 日本史 (210 9版)
- 九州地方 (219 9版)
- 参考資料
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- 『藩史大事典 6 中国・四国編』(木村礎〔ほか〕編 雄山閣出版 1990)
- 『日本史籍協会叢書 173 藩制一覧』(日本史籍協会編 東京大学出版会 1967)
- 『国史大辞典 11』(国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館 1990)
- 『藩史総覧』(新人物往来社 1977)
- 『幕末の長州 維新志士出現の背景 中公新書 86』(田中彰著 中央公論社 1983)
- キーワード
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- 山口県-歴史-江戸時代
- 山口県-人口
- 長州藩
- 萩藩
- 山口藩
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 地名
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000128779