レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/12/16
- 登録日時
- 2015/08/25 11:45
- 更新日時
- 2015/11/16 14:57
- 管理番号
- 埼久-2015-048
- 質問
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解決
ドイツのクリスマス雑貨に煙だし人形というお香を立てるものがあるらしい。それについて詳しく知りたい。
- 回答
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回答プロセス以下の資料を提供した。
- 回答プロセス
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『世界大百科事典 2005年改訂版 9』(平凡社 2005)
「煙だし人形」の項目なし。
《Google》を〈ドイツ & 煙 & 人形〉で検索する。
《ドイツ雑貨通販のショップ ダンケ》(http://www.office-danke.com/shop/doll/ 2014/12/16最終確認)
「煙だし人形」あり。人形の上半身を取ると、中にお香を立てる場所があり、お香をたいて上半身を取り付けると、口から煙が出ているような絵になる人形である。
「煙だし人形は、ドレスデンなどのあるザクセン州のエルツ山脈のふもとで、古くから作られている木彫りの人形です。ザイフェンが特に知られていますが、このあたり一帯には、多くの木彫りの工房があります。昔、鉱山で栄えた村も、冬には深い雪で閉ざされるため、村人は、現金収入を得るため、菩提樹やもみの木でから【原文ママ】、木工品とおもちゃ作りに活路を見出しました。(中略)日本では、スモーカーとか、パイプ人形と言われることもありますが、一番ポピュラーになった煙出し人形の名前で、お届けします。」との記述あり。
《アロマショップ マチャムマチャム》(http://www.macam.jp/p_01.html 2014/12/16最終確認)
上記と同じような人形を取り扱っているが、「パイプ人形香炉」という名前である。「ドイツではクリスマス飾りとしても愛されています」との記述あり。
《Google》を〈ドイツ & 木工 & 煙 & クリスマス〉で検索する。
《ドイツ生活・DER DIE DAS》の「ドイツのクリスマス雑貨・KWOの「煙だし人形」「煙吐き人形」」のページ(個人ブログ 2014/12/16最終確認)
「ドイツではロイヒャーマン(Rauchermann)と呼ばれています。人形の体の中でお香でお香を焚くと、口から煙を吐き出す仕組みになっています。もともとこの人形は「パイプをくゆらすトルコ人」がモデルだとか、、、画像前半は「KWO」の「煙出し人形(煙吐き人形)」です。」
また、「KWO」はエルツ地方の木工民芸品を扱う最大級のメーカーとの説明あり。
《お香人形》(http://www.wohlfahrt.jp/55-0-raeuchermaennchen 2014/12/16最終確認)
煙だし人形(このウェブサイトではお香人形)の由来についての記述あり。
ドイツ語:ロイヒャーマンRauchermann ロイヒャーメンヒェンRauchermannchen
日本語:煙出し人形 煙吐き人形 お香人形 お香焚き人形 パイプ人形 スモーカー人形 エルツ人形
上記を《国会図サーチ》で検索したが、該当なし。
《クリスマスの装飾》(http://www.japan.diplo.de/Vertretung/japan/ja/08-kultur-und-bildung/feste-traditionen/Weihnachten-D/Weihnachtsschmuck.html ドイツ連邦共和国大使館・総領事館 2014/12/16最終確認)
「くるみ割り人形やスモーカー人形などもクリスマスの装飾にはかかせません。(中略)スモーカー人形は丸い口から白い煙を出すお人形です。人形はお腹のところで上下二つに分かれるようになっており、お人形の下の部分にお香を置き、火を点けてから、お人形の上の部分を戻すと、口からもくもくとお香の煙りが出るしかけになっています。お香にもさまざまな種類があり、グリューワインの香りがするものまであります。」
《コレクション紹介③パイプ人形》(http://erz-museum.org/archives/464 エルツおもちゃ博物館 軽井沢 2014/12/16最終確認)
「パイプ人形はお香を焚くための人形です。(中略)エルツ地方では、1856年か1857年に、フェルディナンド・フロースとその甥であるゴットヘルフ・ハウシュタインがハイデルベルクという小さな村でパイプ人形を作ったと言われています。」
《Erzgebirgische Volkskunst Collection クリスマスにゆかりの深いドイツ・エルツ地方の木工芸品に魅せられて》(http://homepage2.nifty.com/erz-collection/contents2.rauchmann.html 2014/12/16最終確認)
《小さなミュージアム》(https://www.cal-ny.com/products/list.php?category_id=8 2014/12/16最終確認)
煙出し人形の写真多数あり。
《CiNii Articles》を検索する。
〈ザイフェン〉で検索すると3件ヒット。
古川裕朗、古川順子著「ザクセン・エルツ山地の人形玩具産業(2)-ザイフェンのウェブサイト"Kleines Lexikon der Holzkunst"に基づいた製品の紹介」(「修道商学 52(1)」p167-183 広島修道大学 2011)
オープンアクセス閲覧可能。
相原恭子著「<私の好きなヨーロッパの田舎 (3)>クリスマスの村 (ドイツ) : ザイフェン」(『三田評論 1008』p76-79 慶應義塾大学 1998)
p77 木工品の種類として「ロイヒャーマン(木製人形の胎内で香を焚き、口から煙が出る)」が挙げられている。
〈エルツ & 人形〉で検索する。
磯村梓著「博物館紹介 ドイツで生まれた木の博物館--エルツおもちゃ博物館・軽井沢」(『人形玩具研究 16』p297-299 日本人形玩具学会事務局 2005)
軽井沢にあるエルツおもちゃ博物館の紹介。「口からお香の煙を吐き出す『パイプ人形』」という文章と写真あり。
〈ロイヒャーマン〉〈ロイヒャーメンヒェン〉〈煙出し人形〉〈煙吐き人形〉〈お香人形〉〈パイプ人形〉〈スモーカー人形〉〈エルツ人形〉で検索するが該当なし。
所蔵資料を確認する。
『クリスマスの文化史』(若林ひとみ著 白水社 2004)
p140に、エルツ山地のおもちゃとして「パイプ人形」の名称だけ出てくる。
『ドイツ・おもちゃの国の物語』(川西芙沙文 一志敦子絵 東京書籍 1996)
p105に「パイプ人形は、口にくわえたパイプからぷかぷかと本物の煙を出す。仕掛けは簡単だ。人形の足の部分に、円錐形の、日本の小さなお香のようなものをのせて、それに火をつけ、中が空洞になっている人形の本体を上にかぶせればいい。このパイプ人形には、奇術師やら山男やら料理番やらがいて、男ならだれでもよさそうだが、最初はトルコ人だったらしい。ろくろを使ってつくるエルツ山地の人形には、手彫りのものとはまたちがう味わいがある。」とあり。
p101、115に煙をだすパイプ人形のイラストあり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 人形.玩具 (759 9版)
- 年中行事.祭礼 (386 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 煙だし人形
- お香人形
- パイプ人形
- エルツ人形
- 玩具
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000178936