レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/06/20
- 登録日時
- 2020/07/03 00:30
- 更新日時
- 2020/07/03 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-200079
- 質問
-
解決
国籍の選択について調べている。
1「重国籍(外国の国籍を有する日本国民)の場合,国籍を選択しなければならない」という法律の条文を知りたい。
2定める期間内に国籍を選択しない者に対しての罰則を知りたい。
- 回答
-
以下の資料に記載がありました。
1法律の条文について
資料1 宇賀/克也?編集代表. 『六法全書,平成31年版 』有斐閣,2019.3【320.91/193/1R】
p.51国籍法(国籍の選択)第十四条第一項「外国の国籍を有する日本国民は,外国及び日本の国籍を有することとなった時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに,その時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に,いずれかの国籍を選択しなければならない。」と記載があります。
資料2 高橋/和之?編集代表『法律学小辞典, 第5版』有斐閣,2016.3【320.33/163/R】
p.432「 国籍 意義 国家の所属員としての資格。(中略)国民たる資格は法律で定められるものとされ〔憲法10条〕,国籍法(昭和25法147)が制定されている。」
p.432「 国籍の得喪 国籍の取得原因としては,出生(国籍2),認知(国籍3),帰化(国籍4~10),再取得(国籍17)の4つがある。出生によるものは,原則として父母両系(血統)主義が採用され,生地主義で補充されている。(中略)国籍の喪失原因としては,自己の志望による外国国籍の取得(国籍11-1),外国国籍の選択,(国籍11-2),国籍の不留保(国籍12),離脱(国籍13-1),国籍選択の懈怠(国籍15-3),国籍喪失宣告(国籍16)(後略)。」
p.605「 重国籍 国籍の抵触の1つで,人が同時に複数の‘国籍’を有すること,すなわち国籍の積極的抵触。(中略)重国籍者の発生は好ましくないものと考えられ,国籍唯一の原則(全ての個人が必ず1個の国籍を有し,かつ2個以上の国籍を有しないという原則)が唱えられた。(中略)日本の国籍法は,国籍選択制度(国籍14~16),帰化要件としての国籍の喪失(国籍11-1),外国への帰化による日本国籍の喪失(国籍5-1-5),外国への帰化による日本国籍の喪失(国籍11-1)などの規定により,重国籍の発生の回避や,解消に努めている。(中略)日本と外国との重国籍者については,日本法が本国法となる。(法適用38-1)」と記載があります。
2罰則について
上記資料1 p.51の(罰則)第二十条には,第十四条についての罰則の記載は,ありませんでした。
参考までに以下をご案内します。
上記資料1
p.51(国籍の選択)第十五条第一項
「 法務大臣は,外国の国籍を有する日本国民で(中略)期間内に日本国籍の選択をしないものに対して,書面により,国籍の選択をすべきことを催告することができる。」
p.51(国籍の選択)第十五条第二項
「前項に規定する催告は,これを受けるべき者の所在を知ることができないその他書面によってすることができないやむを得ない事情があるときは,催告すべき事項を官報に掲載してすることができる。この場合における催告は,官報に掲載された日の翌日に到達したものとみなす。」
p.432(国籍選択の懈怠)第十五条第三項
「前二項の規定による催告を受けた者は,催告を受けた日から一月以内に日本の国籍の選択をしなければ,その期間が経過した時に日本の国籍を失う。(後略)」
資料3 奥田安弘『家族と国籍』明石書店, 2017【329.91/177】
p.206-207「(前略)日本の法律には「国籍選択の義務がある」と書かれているのですが,法律の世界では「義務に違反したらどうなるのか」が重要です。しかし,「国籍選択を怠っている場合は,日本政府が催告(督促)をすることができる」ということしか書かれていないんです。さらに,国籍法改正から30年以上経っていますが,実はこれまで一度も催告をしていません。(中略)ですから,中身は勘違いをされて「両方の国籍を持つのは法律違反なのでは」と思われる方が非常に多いです。(後略)」
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 国際法 (329 9版)
- 参考資料
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- 宇賀/克也?編集代表 中里/実?編集代表. 六法全書 平成31年版1. 有斐閣, 2019.3【320.91/2019.3/1R】:
- 高橋/和之?編集代表 伊藤/眞?編集代表. 法律学小辞典. 有斐閣, 2016.3【320.33/2016.3/R】:
- 奥田/安弘?著. 家族と国籍. 明石書店, 2017.7【329.91/2017.7】:
- 国籍問題研究会?編. 二重国籍と日本. 筑摩書房, 2019.10【329.91/2019.X】:
- キーワード
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- 国籍法
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000283949