レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年12月01日
- 登録日時
- 2021/03/10 17:07
- 更新日時
- 2021/08/21 14:28
- 管理番号
- 埼久-2020-071
- 質問
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解決
江戸時代の武士と刀の関係を知りたい。特に、戦乱がなくなって武士が刀を抜かなくなり、武士の意識が変わってきた(戦を好まなくなり、刀が武器から飾り物に変わった)ことについて記されている資料を見たい。
- 回答
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以下の資料を紹介した。
『江戸の日本刀 新刀、新々刀の歴史的背景』(伊藤三平著 東洋書院 2016)
p11-26「1章 江戸時代における刀剣の位置づけ」に、武器、身分制の象徴、贈答、趣味等の刀剣の役割についての解説あり。
p27-33「2章 江戸時代の武士にとっての刀剣使用」
p31-32「武士は刀を一度抜けば[中略]難しい局面に追い込まれるのは目に見えており、刀はできるだけ抜かないで済ませる知恵(例えば「見て見ぬふりをする」「戦ったふりをして、相手が逃げたと主張する」など)が発達したのが江戸時代である。」とあり。
巻末に参考文献の紹介あり。
『刀と首取り 戦国合戦異説』(鈴木眞哉著 平凡社 2000)
p199-200「徳川幕府というのは(中略)戦国の遺風に連なることは、つとめて排斥しようとした。(中略)こういう空気のもとでは、刀はどうしても儀礼ないし装飾のためのものと見られがちになる。」とあり。
『日本刀が語る歴史と文化』(宮﨑政久著 雄山閣 2018)
p167-189「第八章 江戸期の刀剣文化」に該当記述あり。
『大江戸復元図鑑 武士編』(笹間良彦著画 遊子館 2004)
p60「武士の意地と敵討ち」に、「泰平の江戸時代でも、武士は必ず大小二刀を腰にさしていた。ただし、武士といえどもやたらと刀を抜いて人を斬ることは許されず、刀を抜くのは刀の手入れか鑑賞のときくらいであった。」とあり。
p62「武士の刀の長さ」に、「泰平が続くうちに武士もしだいに平和に慣れ、長い刀によって威武を示す必要がなくなった。」とあり。
- 回答プロセス
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1 参考図書を調べる。
2 自館目録を〈日本 & 刀〉〈江戸 & 武士〉〈武士 & 生活〉〈無礼討ち〉〈フルテキスト:武士 & NDC分類:1(前方一致)〉〈フルテキスト:刀 & NDC分類:1(前方一致)〉〈フルテキスト:刀 & NDC分類:2(前方一致)〉で検索する。
3 NDC分類〈756.6〉〈789〉〈210〉〈382〉の棚を確認する。
ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2020年12月1日。
- 事前調査事項
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『武士道考』(谷口眞子著 角川学芸出版 2007)
『お江戸の武士の意外な生活事情』(中江克己著 PHP研究所 2005)
『刀の明治維新』(尾脇秀和著 吉川弘文館 2018)
- NDC
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- 金工芸 (756 9版)
- 日本史 (210 9版)
- 風俗史.民俗誌.民族誌 (382 9版)
- 参考資料
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- 『江戸の日本刀 新刀、新々刀の歴史的背景』(伊藤三平著 東洋書院 2016),ISBN978-4-88594-502-1
- 『刀と首取り 戦国合戦異説』(鈴木眞哉著 平凡社 2000),ISBN978-4-582-85036-7
- 『日本刀が語る歴史と文化』(宮﨑政久著 雄山閣 2018),ISBN978-4-639-02538-6
- 『大江戸復元図鑑 武士編』(笹間良彦著画 遊子館 2004),ISBN9784-946525-56-4
- キーワード
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- 刀剣
- 武士-歴史-江戸時代
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 風俗 歴史
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000295000