レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2021/11/07 13:29
- 更新日時
- 2022/03/20 17:21
- 管理番号
- 愛知県図-03633
- 質問
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日本で生まれた母子手帳が発展途上国に普及した経緯や、普及に貢献した人の話が知りたい。
- 回答
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日本の母子手帳はドイツの「ムッター・パス」(Mutterpass.母親手帳)を参考に、1948年に生まれた。当時既にあった「妊産婦手帳」を一歩前進させ、母親の妊娠~出産に加え、子の出生~小学校入学までを1冊で管理するという新しいアイデアを基に作成されたものである。【資料1】【資料2】
<図書>
【資料3】第2章「インドネシアで育った母子手帳」p53~
著者の中村安秀(なかむらやすひで)(医師)が国際協力機構(JICA)のプロジェクトでインドネシアに赴任した際の活動が書かれている。当時、母子手帳のなかったインドネシアで活動する中で、日本の母子手帳のすばらしさを痛感し「インドネシア版母子手帳」を作成(1988年)。
その後、この母子手帳を原型として、JICAのプロジェクト(1993年~)により「インドネシア版母子手帳」の開発が進んでいった。
p89にインドネシアの母子手帳普及に貢献した人物として佐藤善子(さとうよしこ)、渡邉洋子(わたなべようこ)、尾崎敬子(おざきけいこ)、p191には母子手帳の普及と開発の仕事で活躍した人物として當山紀子(とうやまのりこ)の名前あり。
p98、99に、2021年現在の海外での母子健康手帳の導入状況が分かる一覧と地図の掲載あり。
p105~「世界各国のさまざまな母子手帳」にベトナム、タイ、ラオス、フィリピン、ケニア、パレスチナ難民、ユタ州(アメリカ)、オランダの母子手帳普及について記述あり。
【資料4】p140~144 第7章「戦後日本における母子保護 2.母子保健水準向上への取り組み 3)母子健康手帳 (5)世界に広がる母子健康手帳」に海外での母子健康手帳の導入状況、海外での普及プロジェクトに携わった筆者のコラム等がある。
<雑誌記事>
【資料5】1993年にインドネシアで始まった母子手帳プログラムについての記事
【資料6】インドネシアの母子手帳導入、普及に関する記事
【資料7】1998年から始まったJICAの「母と子の健康手帳プロジェクト」に携わった著者による活動報告
【資料8】インドネシア、ケニア、ユタ州(アメリカ)、オランダの普及の経緯が書かれている。
【資料9】アフリカの母子手帳普及について中村安秀氏へのインタビュー
<Webサイト>
【資料10】「JICA 独立行政法人国際協力機構」ホームページ
①日本発の母子手帳 世界へ
https://www.jica.go.jp/activities/issues/health/mch_handbook/index.html
②各国の事例(アフガニスタン、アンゴラ、インドネシア、ガーナ、パレスチナ、フィリピン、ブルンジ、ベトナム)
https://www.jica.go.jp/activities/issues/health/mch_handbook/case.html
【資料11】「特定非営利活動法人 HANDS」ホームページ
母子健康手帳
https://www.hands.or.jp/activity/boshitecho/
- 回答プロセス
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1.当館OPACにて「母子手帳」と検索 →【資料3】
2.【資料3】の著者「中村安秀」で検索→【資料4】
3.CiNii Articlesで雑誌記事を検索。キーワード「母子手帳」「世界」→【資料1,5~9】
4.インターネットで「母子手帳 日本」と検索→【資料10】【資料11】
- 事前調査事項
- NDC
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- 衛生学.公衆衛生.予防医学 (498)
- 経済政策.国際経済 (333)
- 参考資料
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【資料1】神馬 征峰. 世界に届け! Boshi-Techo(第1回)日本の母子手帳,世界へ : Boshi-Techoの誕生. 2019-11. 公衆衛生 = The journal of public health practice 83(11) p. 840-845
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I030056420-00 -
【資料2】和歌山県庁秘書課. 県民の友 昭和23年. 和歌山県, 1948-06-01.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000040-I000154817-00 (http://www.big-u.jp/prefg/000200/kenmin/s22_23/pdf/s230601.pdf(last access 2022/2/6)) -
【資料3】中村安秀 著, 1952-. 海をわたった母子手帳 : かけがえのない命をまもるパスポート. 旬報社, 2021.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I031617551-00〈当館資料ID:1111907371〉 , ISBN 9784845117086 -
【資料4】中村安秀 編著 , 石川信克, 佐藤寛, 大石和代, 坂本真理子, 小川寿美子, 當山紀子 著 , 中村, 安秀, 1952- , 石川, 信克 , 佐藤, 寛, 1957- , 大石, 和代. 地域保健の原点を探る : 戦後日本の事例から学ぶプライマリヘルスケア. 杏林書院, 2018.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I029067442-00〈当館資料ID:1111615232〉 , ISBN 9784764405387 -
【資料5】尾崎 敬子 , 中村 安秀 , 渡辺 洋子 他. インドネシアにおける母子健康手帳プログラムの拡大展開. 1998-10. 国際協力研究 / 国際協力機構国際協力総合研修所 編 14(2) (28) p. 9~20
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I4641583-00 -
【資料6】佐藤 善子 , 中村 安秀. 世界のフィールドから 健康づくりはボーダレス(6)ピンクの母子手帳--インドネシアの母子保健活動. 1999-09. 保健婦雑誌 55(9) p. 786-789
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I4843505-00 -
【資料7】當山 紀子. 海外での土地柄に適した保健活動 インドネシアの母子健康手帳の普及をとおして. 2008-09. 保健の科学 50(9) p. 621-625
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I9640472-00 -
【資料8】篠原 都. 母と子のいのちと健康を守る,海外の母子健康手帳. 2012-03. (特集 次世代を育む母子健康手帳) 保健の科学 54(3) p. 175-180
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I023579144-00 -
【資料9】中村 安秀 , 堀内 伸介 , 鈴木 優梨子. 巻頭INTERVIEW 大阪大学大学院教授 中村安秀氏 母子手帳国際会議(ケニア)報告. 2012. Africa = アフリカ / アフリカ協会 編 52(4) (554) p. 2-7
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I024206308-00 -
【資料10】「JICA 独立行政法人国際協力機構」ホームページ
①日本発の母子手帳 世界へ
https://www.jica.go.jp/activities/issues/health/mch_handbook/index.html
②各国の事例(アフガニスタン、アンゴラ、インドネシア、ガーナ、パレスチナ、フィリピン、ブルンジ、ベトナム)
https://www.jica.go.jp/activities/issues/health/mch_handbook/case.html
(last access 2022/2/6) -
【資料11】「特定非営利活動法人 HANDS」ホームページ
母子健康手帳
https://www.hands.or.jp/activity/boshitecho/
(last access 2022/2/6)
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【資料1】神馬 征峰. 世界に届け! Boshi-Techo(第1回)日本の母子手帳,世界へ : Boshi-Techoの誕生. 2019-11. 公衆衛生 = The journal of public health practice 83(11) p. 840-845
- キーワード
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- 母子手帳
- 母子健康手帳
- 母子保健
- 母子衛生
- 国際協力
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000307257