レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20140819
- 登録日時
- 2015/03/28 00:30
- 更新日時
- 2020/04/17 09:21
- 管理番号
- 中央-2014-15
- 質問
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解決
明治から昭和初期にかけての女中(下女)の給金がわかる資料はあるか。金額の変遷と、給与事情が知りたい。
- 回答
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(1)給与額の変遷
資料1~3に、女中(下女)の給金の長期統計が収録されている。
資料1、p.938「全国諸傭平均賃銀累年表(5)」に、明治15~20、25、27~44年、大正1~15年、昭和1~2年の「下女」の月給の統計がある。明治15年から大正7年までは「上等」「普通」「下等」に分かれている。なお、この統計の出典は、『日本帝国統計年鑑』(東京統計協会)である。都立中央図書館では、複製版(1~59回(明治15年~昭和15年))を所蔵している。
資料2、p.243-245「第3部資料 Ⅳ賃金 第25表 職種別賃金(A系列)」の表に、「下女(月給)」の項目があり、1880(明治13)年から1933(昭和8)年の値が掲載されている。ただし、1881、1888~1891年は空欄である。
資料3、p.276-277「Ⅳ-8-2 諸傭賃金」に、明治33年から大正9年(上期)までの下女の月給が掲載されている。
資料4には、『賃金表』明治33年~大正11年(農商務大臣官房統計課 大正10-12年刊)、および、『賃銀統計表』明治33年乃至昭和4年(商工大臣官房統計課編纂 東京統計協会 昭和5年刊)が収録されており、下女の全国平均賃金、主要都市の賃金等が掲載されている。
(2)給与事情
<女中><下女><使用人><婦人労働>等のキーワードで、所蔵資料を調査したところ、資料5~8があった。
資料5には、以下の記事が掲載されている。
p.370-379「女中」(杉本文子著)に、公設職業紹介所で就職した女中の日給・月給の分布表(大正12年~昭和5年)が掲載されており、月給については住込と通勤の別で示されている。
p.380-421「女中に関する調査」(中村雄著)に、初任給や現在給料の調査結果も含まれている。調査時期は、昭和13年11月中旬である。
資料6、p.29-46「第1編 第2章 第4節 4.紹介機関と雇用関係」、「同 第5節 雇傭関係事項」に、給料に関する記述がある。
p.52-109「第二編 統計」には、「雇傭主の職業と其の地位より観た女中の給料」、「雇傭主の職業より観た給料の昇減状況」等、給料に関する統計が掲載されている。
資料7、p.36-48「第1章 女中が身近だった時代 3 社会調査からみた女中の実態」に、年齢別平均月給のグラフや、小遣いや貯金、仕送りに関する記述がある。
資料8、p.32-36(554-558)「家事労働の変動とその要因(第2報)女中と家事」(大森和子、加藤悦著)に「6)給料」の項目があり、調査結果の概要と雑誌『婦人之友』の記事から計算した給料の平均額(大正9、15年、昭和7年)が掲載されている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 経済 (330 9版)
- 労働経済.労働問題 (366)
- 参考資料
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- 【資料1】明治・大正期日本経済統計総観 下巻 / 朝日新聞社/編 / 並木書房 , 1999.10 <R/ 330.5/ 5003/ 2>
- 【資料2】物価 / 大川一司/[等]著 / 東洋経済新報社 , 1973 ( 長期経済統計 8 ) <3305/ T996/ T1-8>
- 【資料3】日本労働運動史料 第10巻 統計篇 / 労働運動史料委員会/編集 / 労働運動史料刊行委員会 , 1959 <3666/ R649/ N1-10 >
- 【資料4】賃金統計表集成 1 賃金表 / クレス出版 , 1998.7<R/ 3664/ 3226/ 1 >
- 【資料5】戦前婦人労働論文資料集成 第3巻 農業婦人、職業婦人 / 赤松 良子/監修 / クレス出版 , 2002.7 <366.3/ 5112/ 3>
- 【資料6】東京市女中に関する調査 : 昭和十一年三月 / [東京市社会局/編] / 東京市社会局職業課 , 1936 <T/ 0・366/ 3205/ >
- 【資料7】女中がいた昭和 / 小泉 和子/編 / 河出書房新社 , 2012.2 ( らんぷの本 ) <366.3/ 5492/ 2012>
- 【資料8】家政学雑誌 27巻 8号 通巻154号 (1976年12月) / 日本家政学会
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000169975