レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008年06月08日
- 登録日時
- 2008/06/08 10:29
- 更新日時
- 2018/03/07 17:03
- 管理番号
- 8606
- 質問
-
解決
高松藩5代藩主松平頼恭(よりたか)について書かれた資料や頼恭の命により作られた図譜「衆鱗図」を解説した資料として、
どんなものを所蔵しているのか知りたい。
- 回答
-
1 松平頼恭について書かれた資料
当館所蔵資料には次のようなものがある。
・「増補穆公遺事」
「新編香川叢書 史料編(1)」(香川県教育委員会/編 新編香川叢書刊行企画委員会
1979年発行)の29~93頁に掲載されている。
「増補穆公遺事」は、高松藩記録所役の瀧信彦が、藩主頼恭(穆公)の没後、その言行について
儒学者後藤芝山著の「穆公遺事」を元に補筆する形で書き上げたもの。
・「増補高松藩記」(永年会/編 永年会 1932年発行)
「高松藩記」は、儒学者片山冲堂の書いた歴代藩主の履歴や治世の概要と旧藩士綾野弥八郎の書いた
歴代藩主の事跡の二つを底本として、上野幽叟が加わって討論、校訂して1882(明治15)年に完成した
編年体の歴史書。
1932(昭和7)年に出された「増補高松藩記」には、「穆公」の章が169~267頁にある。
なお、記述の多くは漢文となっている。
・「博物好きの藩主松平頼恭」(城福勇/著)
「香川大学教育学部研究報告 第1部(通号 36)」(1974年発行)の 1~17頁に掲載されている。
・「草木衆帳と衆芳画譜-博物趣味の殿さま松平頼恭公」
(竹内乕夫/著 「植物と文化(第11号)」の抜刷で発行年不明)
・「香川県史 3(通史編 近世1)」(香川県/編 四国新聞社 1989年発行)
松平頼恭について、「頼恭と青葉士弘」の項(655~657頁)に頼恭と儒教に関する記述がある。
・「香川県史 4(通史編 近世2)」(香川県/編 四国新聞社 1989年発行)
「文人趣味の普及」の項(684~690頁)に、頼恭や頼恭が重用した藩儒らによって確立した讃岐における文人
趣味についての記述がある。
また、「五代頼恭と栗林荘」の項(716頁)に頼恭と栗林公園について、「漢詩の流行」の項(736~740頁)
に頼恭の作詩についての記述がある。
・「讃岐人物風景 4(松平十二万石の領主たち)」(四国新聞社/編 大和学芸図書 1981年発行)
松平頼恭について、11~13、86、122、128 134の各頁に記述がある。
・「讃岐人物風景 6(俊英の系譜)」(四国新聞社/編 大和学芸図書 1981年発行)
松平頼恭について、8、12、15、17~25、29~46、49、70、71、81、87~91、94~96、
99、102、133の各頁に記述がある。
・「讃岐人物風景 7(花開く東讃文化)」(四国新聞社/編 大和学芸図書 1982年発行)
松平頼恭について、12、14、16、21~26、33、50、51、81、104~110、115の各頁に記述がある。
なお、松平頼恭を研究している団体としては、香川県立ミュージアム(平成20年3月末までは香川県歴史博物館)が
あげられる。
同館は、過去に高松松平家に関する企画展を数多く開催しているので、歴代藩主についても調査・研究の対象に
しているものと思われる。
また、香川県立ミュージアムでは、香川県の歴史に関する質問に電話や電子メールで応じ、担当の学芸員が回答して
くれる。
〔香川県立ミュージアムのURL(2008年6月8日最終確認)〕
http://www.pref.kagawa.jp/kmuseum/
2 衆鱗図を解説した資料
当館所蔵資料には次のようなものがある。
・「衆鱗図 高松松平家所蔵 第四帖」(香川県歴史博物館/編 香川県歴史博物館友の会博物図譜刊行会
2004年発行)
論文2題「「衆鱗図」とその転写」(磯野直秀/著)(54~57頁)と「「衆鱗図」という奇蹟-江戸博物学
史上における意味」(今橋理子/著)(58~62頁)が掲載されている。
・「衆鱗図 高松松平家所蔵 研究編」(香川県歴史博物館/編 香川県歴史博物館友の会博物図譜刊行会
2005年発行)
「「衆鱗図」について」(磯野直秀/著)(6~17頁)が掲載されている。
・「松平頼恭と三木文柳」(木村陽二郎/著)
「江戸の動植物図-知られざる真写の世界」(朝日新聞社/編 朝日新聞社 1988年発行)の18~19頁に
掲載されている。
- 回答プロセス
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「松平頼恭」に関する資料は、レファレンス協同データベース登録の管理番号1355をもとに「増補高松藩記」と
「香川県史 3(通史編 近世1)」を紹介するとともに、当館業務用端末で、「松平頼恭」あるいは、諡である「穆公」で
書名や件名検索を行なった結果を合わせて案内した。
図譜「衆鱗図」を解説した資料については、「衆鱗図」をキーワードに書名検索した結果、「衆鱗図 高松松平家所蔵」の
所蔵があり、それぞれ現物を確認したところ、回答で示した資料に解説が収録されていた。
また、「松平頼恭と三木文柳」については、「衆鱗図 高松松平家所蔵」に参考文献として紹介されていて、当館に
所蔵があったものである。
- 事前調査事項
- NDC
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- 個人伝記 (289 8版)
- 脊椎動物 (487 8版)
- 参考資料
- キーワード
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- 松平頼恭
- 衆鱗図
- 香川県
- 衆鱗手鏡
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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(定番事例)
2011/12にも次のような質問あり。
「松平頼恭が魚の図鑑を書いたが、所蔵しているか。」
(関連情報)
・高松藩の衆鱗手鑑 東大で発見か(2009年9月27日四国新聞掲載)
http://www.shikoku-np.co.jp/feature/tuiseki/481/
「江戸中期、高松藩が編集した魚の図鑑。瀬戸内海などに生息する魚類を網羅した内容もさることながら、その美しさが話題を呼び、将軍への献上品にまでなった。「衆鱗手鑑[しゅうりんてかがみ]」と名付けられたこの図鑑、約200年前に江戸城から消え、そのまま行方不明になっていたのだが、最近それらしき絵が見つかった。発見場所は神奈川県三浦半島にある東大の研究施設。一体どんないきさつがあったのか。・・・」
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000044664