レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2020/10/27 15:01
- 更新日時
- 2020/11/15 10:21
- 管理番号
- 2020-10.8
- 質問
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古代中国の「楚」ではどのような農業がおこなわれていたのか。
- 回答
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火耕水耨(かこうすいどう)と称される古代農法が行われていたとの記述あり。以下の資料を提供。
■図書
『中国江南の稲作文化』
(渡部 忠世/編 桜井 由躬雄/編 日本放送出版協会 1984年)
第一章「火耕水耨をめぐって」に記述がある。参考文献あり。
『農耕空間の多様と選択』
(農耕文化研究振興会/編 大明堂 1995年)
p131~p162「火耕水耨の議論によせて」に記述がある。参考文献あり。
■web論文
「先秦楚國農業小考 : 兼ねて孫叔敖の水利事績を論ず」澁澤尚
(『福島大学教育学部論集 人文科学部門』第76号)
- 回答プロセス
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この時代を知る史料はあまり残されていないそうで、断片的な記述が多かった。調査の過程で「火耕水耨」(かこうすいどう)と呼ばれる中国古代の農法があったことが判明。楚でも行われていたようなのでそのまま調査を進め、利用者に提供した。
■中国史(222)、農業史(612)、稲作(616)の書架をブラウジング。
『中国史 1 先史〜後漢 世界歴史大系』
(松丸 道雄/編 池田 温/編 山川出版社 2003年)
p228「彼らの勢力圏であった長江中流域や淮水以南は稲作地域である。」
p244「また鉄器の犂を利用した牛耕が全六世紀には開始されている。」
『中国古代遺跡が語る稲作の起源』
(岡 彦一/編訳 八坂書房 1997年)
p40「孔子以前の東周初期には山東一帯では貴重な食糧として米を生産した。当時の稲作は黄河流域だけでなく、また稲作の開始は春秋戦国以前であり、西周時代にすでに相当に発達していたと推定される。」
『中国古代社会論』
(渡辺 信一郎/著 青木書店 1986年)
p181「八世紀までの江南農業については、史料の制約もあって、これまで漢代の史料に散見する“火耕水耨”とそこに付された先人の注釈とをめぐって研究が展開されるにすぎなかった。」
→古代中国に「火耕水耨」(かこうすいどう)と呼ばれる農法があったとの記述あり。巻末の引用文献も参考に「火耕水耨」について所蔵調査。
■火耕水耨を事典で調べる
『世界大百科事典』
(平凡社 2009年)
「中国、古代の長江(揚子江)流域に行われた農法。漢武帝の前115年の詔に、〈火もて耕し、水もて耨る〉原始的農作業を示すものとして初見する。あまりに巧みな表現なので、江南の遅れた農法を包括的に表す名句として唐初まで使われたのであって、歴史的技術的に一義的な規定を与えることはできない。」
■火耕水耨の記述がある図書
『中国江南の稲作文化』
(渡部 忠世/編 桜井 由躬雄/編 日本放送出版協会 1984年)
『農耕空間の多様と選択』
(農耕文化研究振興会/編 大明堂 1995年)
■火耕水耨に関する論文
“火耕水耨”“楚”“農業”“中国古代”“稲作”などを組合わせてインターネットで論文検索。
「先秦楚國農業小考 : 兼ねて孫叔敖の水利事績を論ず」澁澤尚
(『福島大学教育学部論集 人文科学部門』第76号」)
- 事前調査事項
- NDC
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- 中国 (222)
- 農業史.事情 (612)
- 食用作物 (616)
- 参考資料
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渡部忠世, 桜井由躬雄編 , 渡部, 忠世 , 桜井, 由躬雄. 中国江南の稲作文化 : その学際的研究. 日本放送出版協会, 1984.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I000697480-00 , ISBN 4140090898 -
農耕文化研究振興会 編 , 農耕文化研究振興会. 農耕の世界,その技術と文化 1 (農耕空間の多様と選択). 大明堂, 1995.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002420021-00 , ISBN 447004007X
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渡部忠世, 桜井由躬雄編 , 渡部, 忠世 , 桜井, 由躬雄. 中国江南の稲作文化 : その学際的研究. 日本放送出版協会, 1984.
- キーワード
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- 楚
- 農業
- 火耕水耨
- 中国
- 古代農法
- 稲作
- 照会先
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- 福島大学学術機関リポジトリ【http://www.lib.fukushima-u.ac.jp/repo/repository/fukuro/?lang=0】2020/10/31確認
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000288696