レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年06月11日
- 登録日時
- 2017/01/28 16:50
- 更新日時
- 2019/07/31 14:21
- 管理番号
- 島根郷2015-06-002
- 質問
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解決
昭和31年12月に発生した島根県庁舎の火災について詳しく知りたい。
- 回答
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当館所蔵資料より、下記の資料を紹介し回答。
資料1:p76に「新庁舎が完成して僅か数年後の三十一年十二月十三日、原因不明の失火によって県庁舎は再び焼失した」という一文はあるが、詳細については記述なし。
資料2:p457「島根県庁」に、「旧庁舎は昭和二十年八月二十四日焼打ちされたため一時木造の仮庁舎で凌いでいたが、その庁舎もまた三十一年十二月十三日失火で全焼した」とあるが、詳細についてはなし。
資料3:地元新聞の「山陰新報」から該当記事を探す。
12月14日の1面に「昨夜、島根県庁を全焼」「厚生部薬務課から出火」の見出しと、燃える県庁舎の写真を載せる。火元の木造二階建て一棟を全焼したのち、強風にあおられて本庁舎に火が移り、本庁舎も全焼した。隣接する売店・印刷所・診療所などの建物も全焼し、議事堂と土木部の一部が残った。5面では「失火?放火?漏電? 宿直員から事情聴取」とあり、宿直員・守衛各2名と当日残業していた火元の薬務課職員に事情を聴いているとしているが、「火災の原因究明は非常に難しく、明らかになるまでにはなお数日を要する見込みである」としている。
15日3面「悪夢の一夜明けて」として県庁の焼け跡の写真を載せる。1面見出しには「県庁舎再建構想決まる」として、6千坪に鉄筋3階建ての新庁舎を建築することを発表。
16日2面「1956年山陰の10大ニュース」のトップに「島根県庁の全焼」が写真入りで載る。5面に「合同捜査本部を設置 県庁火災事件 原因究明に乗出す」。松江署では関係者約60名に事情を聴いたほか、火元とみられる薬務課付近の建物設備などの調査をしているとのこと。
17日3面の「週間展望」に「一夜に焼失した県庁 県の前途に大きな重石」というコラムが載る。5面に「怠慢な火気の取締まり 食違う検証と供述」として、事情聴取した職員の供述と現場検証の結果に多くの食い違いがあり、また過去に薬務課隣接の焼却炉から出火したり、職員が無断で火鉢を持ち込んでいたりと、ずさんな管理が浮き彫りとなっている。
18日5面「当局有力証拠握る? 出火は午後九時と推定」とあり、当日巡回していた守衛の証言とタイムカードの食い違いなどから、「出火の原因は日を追ってはっきりしてきている」とする。
19日5面「出火場所は炊事室か 薬務課の北側に位置」とあり、火元は炊事室でほぼ断定されたとしている。また、出火後に停電したのは、中電職員が危険防止のため消防署横の電柱のスイッチを切り、また県庁正面の動力機を切断したためで、漏電による出火の可能性は低くなったとしている。
25日5面「遂に失火と断定 近く化学的実験行う」。捜査本部は協議の結果、原因は失火と断定したが、失火と見せかけた放火の可能性も排しきれないため、放火・漏電の可能性を完全に否定できる納得のゆくところまで捜査を行う方針となった。失火と断定したのは現場検証の証拠品と参考人の供述がほぼ一致したことと、専門家の意見が一致したことによるとする。
28日5面「難しい火災原因調査 物証も丸焼け」の見出しで、火事全般の原因究明の難しさを載せる。県庁火災も「大きくいえば不注意によるもの」とするが、捜査では事情聴取した県職員の口が堅く、捜査が難航していたとする。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 中国地方 (217 8版)
- 行政 (317 8版)
- 参考資料
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【資料1】島根県 編 , 島根県. 新修島根県史 通史篇 3. 島根県, 1967.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I003930855-00 (当館請求記号 092/63/3 ※貸出禁止資料) -
【資料2】松江市誌編さん委員会 編 , 松江市. 新修松江市誌. 松江市, 1962.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001042391-00 (当館請求記号 郷貸出217.3/マ62) - 【資料3】山陰新報 昭和31年12月14日~28日 ((マイクロフィルム))
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【資料1】島根県 編 , 島根県. 新修島根県史 通史篇 3. 島根県, 1967.
- キーワード
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- 島根県
- 松江市
- 島根県庁舎
- 火災
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000207484