レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年07月29日
- 登録日時
- 2012/09/24 11:40
- 更新日時
- 2012/11/28 13:46
- 管理番号
- 埼熊-2012-135
- 質問
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解決
江戸時代に家の密集している集落等で、火消がどのように行われたかを体系的・全国的に知りたい。
たとえば「消防百年史」といったようなもので、江戸時代版の資料はないか。
火消し道具として大団扇等も使われたようだが、どのような使われ方をしたのか。
- 回答
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江戸時代の消防について、以下の資料を紹介した。
『消防の歴史四百年』(魚谷増男著 全国加除法令出版 1966)江戸だけではなく、都市や村落の消防組織についての記述があった。
p22-140「江戸の消防」の章あり。「江戸」の消防の組織や形態のほかに、「日光東照宮」「京都」「長崎」「堺」「大坂」「城下町」「村落」についても記述あり。
p119-「消防の道具と消防水利」の節あり。「竜吐水」「水鉄砲」「天竜水、水車樋」「水運び道具」「団扇」「破壊用の消防道具」「用水桶」などについて記述あり。
『写真図説日本消防史』(国書刊行会 1984)
p11-64「江戸時代の消防」の章あり。p14-15〈破壊火消〉の項あり。〈大団扇〉は図にあるが解説なし。
『国史大辞典 11』(吉川弘文館 1990)p872-873〈火消〉の項あり。
江戸時代の火消(道具など)についての資料
『江戸火消年代記』(藤口透吾編著 創思社 1962)
『江戸の火事と火消』(山本純美著 河出書房新社 1993)大団扇については、p109に「火の粉を払う大うちわ」とある。
『人間と文化 教養講演集 45 三愛新書』(新書編纂所編 三愛会 1988)
p39-70「江戸の火消し」(白井和雄著)
p44〈消防器具と火の見櫓〉の項に、「火消しの七ツ道具」の記述あり。「なぜ大団扇などが道具に入っているのかと不思議に思われるでしょうが、これは飛び火を防ぐために使われた」とあり。大団扇以外の道具についても使い方の記述あり。
『江戸の火事 同成社江戸時代史叢書 4』(黒木喬著 同成社 1999)
p94-「町火消の組織と装備」の節あり。
p105「団扇で火の粉をあおり返すこともやった。明暦の大火(1657)では約2メートル、直径約90センチという大団扇まで登場している」とあり。
『江戸・東京の地震と火事』(山本純美著 河出書房新社 1995)
『ヴィジュアル百科江戸事情 3 政治社会編』(NHKデータ情報部編 雄山閣出版 1992)
『町火消たちの近代 東京の消防史 歴史文化ライブラリー 80』(鈴木淳著 吉川弘文館 1999)
p27-37「火消の装備と技術」の項あり。
- 回答プロセス
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参考図書から
『国史大辞典 11』(吉川弘文館 1990)
p872-873〈火消〉の項あり。参考文献に『江戸火消年代記』、「江戸火消制度の成立と展開」(『江戸町人の研究 5』所収)
上記参考文献を調査する。
『江戸火消年代記』(藤口透吾編著 創思社 1962)
p166に、「延焼を防ぐための破壊消防」や、ふたをかぶせる「窒息消防」、水をかける「冷却消防」について記述あり。p55-57「火消の名人浅野内匠頭長直」の項に、破壊消防の事例について記述あり。
『江戸町人の研究 5』(西山松之助編 吉川弘文館 1978)
p91-169「江戸火消制度の成立と展開」(池上彰彦著)制度についてなので、道具の使い方、消火方法についての記述なし。
〈消防史〉から
『写真図説日本消防史』(国書刊行会 1984)記述あり。
上記『写真図説日本消防史』にあった「防火策図解」を確認する。
『江戸科学古典叢書 19 太極地震記』(青木国夫〔ほか〕編集 恒和出版 1979)
p305-464「防火策図解」鉄鎖等様々な道具が図解されているが、いずれも「防火」のためのもので、「消火」ではない。
p396に防火用桶の図あり。
自館目録〈江戸 & 火消〉で検索した結果
『江戸の火事と火消』『人間と文化 教養講演集 45 三愛新書』『江戸の火事 同成社江戸時代史叢書 4』『江戸・東京の地震と火事』『ヴィジュアル百科江戸事情 3 政治社会編』『消防の歴史四百年』『町火消たちの近代 東京の消防史 歴史文化ライブラリー 80』
その他調査済み資料
雑誌
西坂 靖著「大坂の火消組合の機能と運営」(『三井文庫論叢 18』三井文庫 1984)
高山 慶子著「江戸町火消の経費--本所深川十六組を中心として」(『地方史研究 308』 地方史研究協議会 2004.4)
〈江戸〉に関する資料
『江戸の大変 天の巻 地震・雷・火事・怪物』(平凡社 1995)
『江戸を知る事典』(加藤貴編 東京堂出版 2004)
- 事前調査事項
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郷土資料等で単発的には調べている。「畠の土をかけて消した」とする資料や「屋根の上に桶を置いた」とする資料もあった。
- NDC
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- 行政 (317 9版)
- 日本史 (210 9版)
- 参考資料
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- 『消防の歴史四百年』(魚谷増男著 全国加除法令出版 1966)
- 『写真図説日本消防史』(国書刊行会 1984)
- 『国史大辞典 11』(吉川弘文館 1990)
- 『江戸火消年代記』(藤口透吾編著 創思社 1962)
- 『江戸の火事と火消』(山本純美著 河出書房新社 1993)
- 『人間と文化 教養講演集 45 三愛新書』(新書編纂所編 三愛会 1988)
- 『江戸の火事 同成社江戸時代史叢書 4』(黒木喬著 同成社 1999)
- 『江戸・東京の地震と火事』(山本純美著 河出書房新社 1995)
- 『ヴィジュアル百科江戸事情 3 政治社会編』(NHKデータ情報部編 雄山閣出版 1992)
- 『町火消たちの近代 東京の消防史 歴史文化ライブラリー 80』(鈴木淳著 吉川弘文館 1999)
- キーワード
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- 消防-歴史
- 火災-歴史
- 江戸
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000111737