レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年07月10日
- 登録日時
- 2020/05/26 14:55
- 更新日時
- 2021/03/31 16:45
- 管理番号
- 埼久-2020-048
- 質問
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解決
江戸時代享保年間に作られた象洞(ぞうほら)という薬の名前の由来を知りたい。
- 回答
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下記の資料を提供した。
加藤曳尾庵著「我衣 巻一上」(『日本庶民生活史料集成 第15巻 都市風俗』p9 谷川健一〔ほか〕編集 三一書房 1971)
「二八 (前略)象の糞は牛の如く生にてゆるく下す故に洞と云、疱瘡の藥とて賣たれども、功を見たるもの壹人もなし、賣たき故に(の)談なるべし。(頭書-番尿(フン)ノ事ナリ、ユルキヲ洞ト云)」とあり。
『大漢和辞典 巻6 木部-水部 縮写版』(諸橋轍次著 大修館書店 1980)
p1097「洞」の意味のなかに「くだる。くだり。下痢。」とあり。
- 回答プロセス
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1 自館目録を〈江戸 & 象〉で検索する。
『享保十四年、象、江戸へゆく』(和田実著 岩田書院 2015)
p111「象洞」に「武州多摩郡押立村の平右衛門、中野村の源助、柏木村の弥兵衛の3名が幕府に対して「象洞」と(後略)」あり。
巻末に参考文献あり。
2 1の参考文献『武蔵野24巻5号』を確認する。
廣澤金次郎著「随筆 享保奇話 象を飼ふ男」(『武蔵野 24巻5号』p238-239 武蔵野会 1937.7)
p238-239に「江戸の醫師尾曳庵南竹(本名加藤元悦)といふ人の随筆『我衣』には、「象洞十六文づ々に賣る・・・・・・象の糞は牛の如く、生にてゆるく下す故に洞と云、痘瘡の藥とて賣たれども、功を見たるもの壹人もなし、賣たき故の談なるべし。」とあり。
3 自館目録を〈我衣〉で検索する。
4 「洞」の意味について参考図書を調査する。
ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2019年7月9日。
- 事前調査事項
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『古事類苑 方技部』(吉川弘文館 1996)p1054
『内閣文庫所蔵史籍叢刊』(汲古書院 1984)の「憲教類典」に享保17年壬子年(みずのえねとし)4月に象洞という薬を作った百姓の名前と疱瘡や麻疹用の薬として幕府で許可した御触れについて記述あり。
- NDC
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- 日本史 (210 9版)
- 薬学 (499 9版)
- 参考資料
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- 『日本庶民生活史料集成 第15巻 都市風俗』(谷川健一[ほか]編集 三一書房 1971)
- 『大漢和辞典 巻6 木部-水部 縮写版』(諸橋轍次著 大修館書店 1980)
- キーワード
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- 薬学-日本-歴史-江戸時代
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 健康・医療
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000282433