レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 牛久市立中央図書館 (2310059) | 管理番号 (Control number) | 牛久-1710 | |||||||||||||
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事例作成日 (Creation date) | 2020/11/10 | 登録日時 (Registration date) | 2020年12月22日 00時30分 | 更新日時 (Last update) | 2020年12月22日 00時30分 | |||||||||||
質問 (Question) | 兵庫県の宝殿駅近くに、確か百人一首に出てくる石の宝殿がある。その生石(おおしこ)神社についての資料はないか。 | |||||||||||||||
回答 (Answer) | 生石(おおしこ・おうしこ)神社の石の宝殿は、日本三大奇石の一つで、生石神社の社伝に、大穴牟遅神と少毘古那神の二神による伝説がある。また巨大な直方体の石のことが『播磨国風土記』(印南郡)に、聖徳太子の時代に、弓削大連が造った石であるとの記載がある。 ○次の資料を紹介する。 ・『日本の神仏の辞典』(大島建彦[ほか]編/大修館書店/2001.7)…p215 ・『人づくり風土記 28 ふるさとの人と知恵 兵庫』(農山漁村文化協会/1998.10)…p53、p322-326 ・『郷土資料事典 28 兵庫県』(人文社観光と旅編集部編/人文社/1989)…p81 ・『郷土資料事典 28 兵庫県』(ゼンリン/1997.10)…p97 ・『兵庫県の歴史散歩 下』(兵庫県の歴史散歩編集委員会編/山川出版社/2006.6)…p30 ・『風土記』(沖森卓也編著/山川出版社/2016.1)…p260、p305 | |||||||||||||||
回答プロセス (Answering process) | 1. 全国の神社についての資料から探すため、請求記号「R175」の棚をブラウジングし、次の資料にあたる。 (1)『神社辞典』(白井永二編/東京堂出版/1979.12) (2)『全国神社大要覧』(リッチマインド出版事業部/1989.8) →2冊とも、該当する神社はなし。 2. 「兵庫県」「生石神社」のキーワードでGoogle検索。「生石神社」のホームページがヒット。 (3)「日本三奇 石乃宝殿 生石神社」ホームページ ( http://www.ishinohouden.jp/index.html ) …生石(おうしこ)神社は、兵庫県高砂市阿弥陀町に鎮座する神社。日本三奇。 地元では、石宝殿(いしのほうでん)と呼ばれると記述あり。 「生石」の読みは「おうしこ」であると判明。 3. 再度請求記号「R1--」の棚をブラジングし、キーワード「おうしこ」で資料を探す。 (4)『日本の神仏の辞典』(大島建彦[ほか]編/大修館書店/2001.7) …p215に「生石神社」の項あり。兵庫県高砂市阿弥陀町生石の旧県社。祭神は大穴牟遅(おおなむちの)命・少彦名(すくなひこの)命。社名の由来である境内の石宝殿は日本三大奇石の一つとの記述あり。生石神社の社伝に、大穴牟遅神と少毘古那神の二神による伝説が伝えられている 4. 兵庫県の歴史資料にあるのではないかと考え、請求記号「2--」の棚をブラウジングし、次の資料にあたる。 (5)『人づくり風土記 28 ふるさとの人と知恵 兵庫』(農山漁村文化協会/1998.10) 事項索引で「石の宝殿」のキーワードで検索。 …p53に山陽道沿いに石の宝殿が存在。「石の宝殿」の注記9に「生石神社(高砂市)の神体となる古代の石造物。巨大な直方体の石で、『播磨国風土記』にも記されているとの記述あり。 …p322-326の「9 創意工夫で帆布を改良した工楽松右衛門(くらくまつうえもん)」の項のp325に松右衛門が文化元年(1804年)から箱館(函館)港の構築に従事したときに、高砂の石の宝殿から堅牢で耐久力のある竜山石を自分の所有する船で箱館まで運んだとの記述あり。 …p326の注記3に、石の宝殿は、生石神社の神体として祀られているもので、家屋を横倒しにした形の巨大な石造品。付近から竜山石(りゅうざんせき)を産出するとの記述あり。 (6)『郷土資料事典 28 兵庫県』(人文社観光と旅編集部編/人文社/1989) …p81の「石の宝殿」の項に生石(おおしこ)神社の背後の山腹にある高さ7.8m、幅6.3m、奥行5.5mもある巨岩で生石神社の御神体とされている。側面から見ると、神殿を横倒しにしたように見えるのでこの名があり、大己貴(おおなむち)命と少彦名命が一夜のうちに宝殿をつくろうとしたが、夜が明けたので、そのままになったのだという伝説があるとの記述あり。 (7)『郷土資料事典 28 兵庫県』(ゼンリン/1997.10) …p97「石の宝殿」の項に(6)と同様の記述あり。 (8)『兵庫県の歴史散歩 下』(兵庫県の歴史散歩編集委員会編/山川出版社/2006.6) …p30「生石神社と石の宝殿」の項に日本三奇の一つ。巨石は浮いているように見えることから浮き石ともよばれる。高さ5.7m、幅6.4m、奥行7.2m、推定重量500tとあり、社伝の内容の記述あり。『播磨国風土記』には、聖徳太子の時代に弓削大連(ゆげのおおむらじ)(物部守屋)がつくったと記されているとあり、製作の目的・用途は不明との記述あり。 5. 「石の宝殿」をキーワードでGoogle検索をし、ヒットしたウィキペディアホームページを閲覧。 (9)「ウィキペディア(Wikipedia)」ホームページ内「石の宝殿」 ( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3%E3%81%AE%E5%AE%9D%E6%AE%BF ) …概要、形状、特徴、伝説についての記述あり。 …生石神社の社伝に、大穴牟遅神と少毘古那神の二神による伝説があり、南北朝時代の地誌『峯相記』に解説があり、『播磨國風土記』の印南郡大國里條に記述あるとの記載あり。 6. (5)(8)(9)から、「播磨国風土記」をフリーワードに入れて自館資料検索し、2冊ヒット。(9)より「印南郡」の項を見る。 (10)『風土記』(沖森卓也編著/山川出版社/2016.1) …「三 播磨風土記」の p260「訓読文編 Ⅱ印南郡」の項、及びp305「本文編 Ⅱ印南郡」の項に記載あり。 …p305本文編には「原南有作石。 形如屋。 長二丈、 広一丈五尺、 高亦如之。 名号曰大石。 伝云、聖徳王御世、弓削大連所造之石也。」と記載あり。 (11)『風土記を読む』(中村啓信編/おうふう/2006.6) …p95-134に「播磨風土記」はあるが、「印南郡」についての記載はなく、該当資料なし。 →以上の結果より、生石神社の石の宝殿について記載のあった(4)(5)(6)(7)(8)(10)の資料を紹介する。 また、生石神社の社伝に、大穴牟遅神と少毘古那神の二神による伝説と、『播磨風土記』の印南郡に記述はあったが、百人一首に関連する資料は見つからなかった。 ※最終アクセス日は全て2020年11月10日 | |||||||||||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | ||||||||||||||||
NDC |
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参考資料 (Reference materials) |
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キーワード (Keywords) |
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照会先 (Institution or person inquired for advice) | ||||||||||||||||
寄与者 (Contributor) | ||||||||||||||||
備考 (Notes) | ||||||||||||||||
調査種別 (Type of search) | 文献紹介 | 内容種別 (Type of subject) | 言葉 | 質問者区分 (Category of questioner) | 社会人 | |||||||||||
登録番号 (Registration number) | 1000291209 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) | 解決 |