レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015/03/30
- 登録日時
- 2016/12/24 00:30
- 更新日時
- 2024/01/18 14:38
- 管理番号
- 横浜市中央2467
- 質問
-
解決
明治時代に横浜市瀬谷区にあった製糸工場「相州改良社」の事業内容(生産規模、従業員数等)について
知りたい。特に、事業が盛んだったと思われる明治30年(1897年)前後の状況について知りたい。
- 回答
-
「相州改良社」は神奈川県鎌倉郡中川村阿久和(現在の横浜市瀬谷区阿久和東)にて、明治20年(1887年)創業、明治24年(1891年)に「改良合名会社」として事業規模を拡大し、明治25年(1892年)~明治38年(1905年)頃の全盛期を経て、大正元年(1912年)に廃社となるまで、26年の間、操業しました。(※下掲資料5-(2)、6参照。)
おたずねの同社の事業内容ですが、生産高、職工(工女)数などについて、統計資料等により確認することができました。ここでは全盛期とされる、上記の明治25年(1892年)~明治38年(1905年)の状況について確認することのできる資料について、当館所蔵のものからご紹介します。
なお、同じ資料ですが、図書のほか、マイクロフィルム、当館デジタルアーカイブ「都市横浜の記憶」、国立国会図書館デジタルコレクションなど、異なるメディアでご覧いただけるものがありますので、それらもあわせてご紹介します。
1 「神奈川県統計書」明治25年(1892年)~明治38年(1905年)
同社の業別、所在地のほか、資本金・経費金・収入金、機関の種類、製出高、代価などの記載があります。
(1)所蔵図書
ア 『神奈川縣統計書』明治24~26年 神奈川県 1895年(横浜市図書館で複写・製本したもの)
イ 『神奈川県統計書』明治30年 神奈川県 1899年
(2)所蔵マイクロフィルム
ア 『明治年間府県統計書集成(増補)』雄松堂書店 〔1964年〕
内容:明治24~38年各年の統計あり。
(3)横浜市立図書館デジタルアーカイブ「都市横浜の記憶」
https://archive.lib.city.yokohama.lg.jp/museweb/
ア 「神奈川県統計書 明治30年」神奈川県 1899年
(4)国立国会図書館デジタルコレクション
ア 「神奈川県統計書」神奈川県 明治24~38年各年の統計あり。
2 「全国製糸工場調査表」第一次(明治28年(1895年)刊)~第四次(明治40年(1907年)刊)
年次により記載項目に異同がありますが、同社各年の釜数、繰湯・繰転等の別、繭使用高、
生糸製造高、製造費、工女の数などの記載があります。
(1)所蔵図書
ア 『明治前期産業発達史資料 別冊63-1』明治文献資料刊行会 1970年
内容:第一次全国製糸工場調査表(農商務省農務局明治28年刊の複製)、
第二次全国製糸工場調査表(農商務省農務局明治31年刊の複製)
イ 『明治前期産業発達史資料 別冊63-2』明治文献資料刊行会 1970年
内容:第三次全国製糸工場調査表(農商務省農務局明治35年刊の複製)、
第四次全国製糸工場調査表(農商務省農務局明治40年刊の複製)
(2)国立国会図書館デジタルコレクション
ア 「全国製糸工場調査表 第1、2次」(農商務省農務局 1902年)
イ 「全国製糸工場調査表 第3次」(農商務省農務局 1913年)
ウ 「全国製糸工場調査表 第4次」(農商務省農務局 1913年)
3 「工場通覧」明治37年(1904年)刊、明治39年刊(1906年)刊
同社の製造品種、所在地、創業、持主のほか、蒸気力、職工数などの記載があります。
(1)所蔵図書
ア 『工場通覧 Ⅰ 明治37年刊』後藤靖/編 柏書房 1986年
イ 『工場通覧 Ⅱ 明治39年刊』後藤靖/編 柏書房 1986年
(2)国立国会図書館デジタルコレクション
ア 「工場通覧 明治35年(37年刊)」(農商務省商工局 1906年)
イ 「工場通覧 明治37年(39年刊)」(農商務省商工局 1906年)
4 「生糸貿易の変遷」明治35年(1902年)刊
全国製糸場の場名と個数(生糸梱包の個数で1個は9貫目)の記載があります。
(1)所蔵図書
ア 『明治前期産業発達史資料 別冊60-3』明治文献資料刊行会 1970年
内容:生糸貿易之変遷(橋本重兵衛著、丸山舎本店明治35年刊の複製)
(2)国立国会図書館デジタルコレクション
ア 「生糸貿易之変遷」橋本重兵衛・著(丸山舎 1902年)
このほか、改良合名会社に関する記述のある資料について、ご紹介します。
5 『横浜開港資料館館報「開港のひろば」 1』横浜開港資料館/編 横浜開港資料館 1992年
(1)p.240 (第30号)「横浜新風土記稿10 横浜市域の製糸工場」井川克彦
(2)p.252 (第31号)「横浜新風土記稿11 横浜の養蚕製糸業」齋藤多喜夫
(3)p.264 (第32号)「横浜新風土記稿12 横浜市域の製糸工場〔続〕」井川克彦
6 「わがまち瀬谷 第2号」瀬谷区生涯学級「わがまち瀬谷」/編集・発行 2001年
p.3 「その3.相州改良社」
7 「横浜市史」
(1)『横浜市史 第三巻 下』横浜市/編集 横浜市 1963年
p.709 「第六編地租改正と農業の動向 第三章農業生産の諸相 二蚕糸業」
(2)『横浜市史 第四巻 上』横浜市/編集 横浜市 1965年
p.711 「第二編諸産業の発展 第二章商工業の発展 (二)製糸業の動向」
8 『戸塚区史』戸塚区史刊行委員会/編 戸塚区史刊行委員会 1991年
p.354 「第5章諸産業の変遷 第2節養蚕と製糸業 製糸工場の発展」
9 『とみづか 第18号』戸塚歴史の会 1992年
p.52 「<資料紹介>瀬谷・戸塚・泉区域の製糸場」有馬純律
10 『いずみいまむかし 泉区小史』
泉区小史編集委員会/編 泉区小史発行委員会
p.153 「第2章地区別小史 17中川村の製糸場」
11 『横浜瀬谷の歴史 瀬谷区制30周年記念出版』
「横浜瀬谷の歴史」編集委員会/編 横浜市瀬谷区役所地域振興課 2000年
p.142 「第四編近代 第三章暮らしを支える産業 第二節製糸業」
12 『泉区域の近代地場産業 泉区歴史の会・下記シンポジューム 平成16年
明治中期から昭和初期にかけての泉区域の製糸業』泉区歴史の会 2004年
13 『記録にみる明治・大正・昭和初期の郷土 「むら」から「村」へ』
有馬純律/編 有馬純律 2011年
p.27 「第2章暮らしを支える産業 第3節製糸業 2泉区域の製糸場」
14 『蚕糸王国日本と神奈川の顛末 蚕糸業史』小泉勝夫/編 小泉勝夫 2006年
p.241 「第4章近代の蚕糸業 8製糸業の動向 (2)神奈川の製糸業の動向」
(URL最終確認日:2023年12月26日)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 製糸.生糸.蚕糸利用 (639 8版)
- 蚕糸業史.事情 (632)
- 関東地方 (213)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000204690