レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年10月18日
- 登録日時
- 2017/12/21 17:22
- 更新日時
- 2017/12/21 17:46
- 管理番号
- 横浜市中央2505
- 質問
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解決
戦後の横浜市中区本牧地区における、アメリカ軍による接収について知りたい。
- 回答
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【概要】
終戦後、横浜市内ではアメリカ軍による接収が行われ、横浜市中区本牧地域の接収地「横浜海浜住宅地区(Yokohama Beach DH-Area)」は、米海軍横須賀基地横浜分遣隊の管理下のもと、横浜市内や横須賀の米軍施設に勤務する軍人・軍属とその家族の居住用にあてられました。住宅のほか、発電所、学校、郵便局、銀行、物品の販売所、娯楽施設等が建設され、日本人の立ち入りは禁止されていました。本牧地域における接収は、約70万平方メートルに及び、1946(昭和21)年から1982(昭和57)年にわたって続きました。
【主な出来事】
1945(昭和20)年5月29日 横浜大空襲。本牧の大部分も大きな被害を受ける。
同年8月15日 終戦
同年8月30日 マッカーサー厚木飛行場到着、横浜へ進駐。
同年9月2日 降伏文書調印、米第8軍が横浜に上陸。
1946(昭和21)年10月1日 米軍家族第一陣が入居。
1982(昭和57)年3月31日 本牧米軍接収地返還の調印式。接収地の住宅や施設の解体工事開始。
記載のある資料は、以下の通りです。
1 地図
(1)『神奈川県史 資料編12 近代・現代(2)』神奈川県企画調査部県史編集室/編 神奈川県 1977年
付録「横浜港隣接地帯接収現況図」(昭和26年8月現在)より、接収地域を確認することができます。
(2)『横浜タイムトリップ・ガイド』横浜タイムトリップ・ガイド制作委員会/編著 講談社 2008年
p.46「横浜はアメリカになった?」
本牧周辺の接収地図が掲載されています。住宅地として接収された地域「シーサイドパーク(SEASIDE PARK)」、「ナスグブビーチ(NASUGBU BEACH)」が確認できます。
2 関連図書
(1)『横浜・中区史 人びとが語る激動の歴史』中区制50周年記念事業実行委員会/編著 中区制50周年記念事業実行委員会 1985年
Ⅱ地区編 第8章「本牧地区」第3節「最大な接収地区」
p.694~ 土地の接収と住民の立ち退きについて記載があります。
p.704~ 接収地区の一号地区(エリア・ワン)と二号地区(エリア・ツウー)に該当する町名の記載があります。
p.714~ 接収解除運動について記載があります。
p.720 接収解除運動が略年表にまとめられています。
(2)『本牧のあゆみ』本牧のあゆみ研究会/編 新本牧地区開発促進協議会事業部 1986年
p.92~94 「20. 接収―本牧のなかのアメリカ」
本牧地区の接収の概要と写真が掲載されています。
(3)『横浜市と米軍基地』横浜市総務局渉外部/編
横浜市内の米軍施設の沿革、横浜市の米軍施設に関する取組などが紹介された広報印刷物です。現在は横浜市政策局基地対策課が発行しています。横浜市立図書館では1970(昭和45)年以降のものを所蔵しています。
接収施設・区域の現況、接収解除の経過、跡地利用計画などを確認することができます。
(4)『横浜の空襲と戦災 5』横浜市,横浜の空襲を記録する会/編 横浜市 1977年
p.77 接収の状況として、区ごとの接収面積、接収住宅戸数について記載があり、本牧地区で接収を受けた住宅居住者についても記載があります。
(5)『報告書 占領軍のいた街 戦後横浜の出発』
横浜市ふるさと歴史財団近現代歴史資料課市史資料室担当/編 横浜市史資料室 2014年
p.73 進駐・占領関係新聞記事として、1946年8月9日神奈川新聞の記事「本牧の海岸にスマートな米人文化住宅」が引用されています。
(6)『米軍基地と神奈川 有隣新書』栗田尚弥/編著 有隣堂 2011年
p.25~27 根岸・本牧地区の接収について記述があります。
3 写真
(1)『本牧波瀾の100年』横浜市中図書館/編 横浜市中図書館 1998年
p.29 第3章「昭和21年10月1日、米軍家族第一陣入居」に米軍住宅、米軍PX等の写真が掲載されています。
(2)『昭和の横浜 写真集』 横浜市史資料室/編 横浜市史資料室 2009年
p.186~ 接収と家族住宅について、写真が掲載されています。
p.194 「ナスグブ海浜地区のレイノルズ少佐宅」1946(昭和21)年12月9日
p.195 「小港の米軍家族住宅」1950(昭和25)年
p.361 「本牧の米軍住宅」1965(昭和40)年9月13日、1981(昭和56年)10月
(3)『フェンスの中のアメリカ 〈写真集〉本牧米軍ベースキャンプ60’sの記憶 1959-1964』
Daddy’s Press 2014年
本牧米軍ベースキャンプ内での生活の様子をとらえた写真が掲載されています。
(4)『横浜ノスタルジア 昭和30年頃の街角 広瀬始親写真集』 広瀬始親/〔撮影〕 横浜開港資料館/編 河出書房新社 2011年
p.75~84 本牧宮原のPX(駐留軍の購買部)、米軍住宅の写真があります。
(5)『横濱ナイト&デー A Yokohama story night & day.』 町田昌弘/著 日本カメラ社 2009年
p.50~61 「フェンスの向こうはアメリカだった 在りし日の本牧・米軍横浜海浜住宅」
1980年代の写真が掲載されています。
(6)『まかど 新校舎落成・創立五十周年記念誌 1980.5.17』
創立50周年記念誌編集委員会/編 横浜市立間門小学校 1980年
p.70~71 「空から見た本牧」
昭和29年、39年の本牧地区の航空写真が掲載されています。
4 当時の市民による証言
(1)上記2(1)『横浜・中区史 人びとが語る激動の歴史』
Ⅲ市民編 第3章「接収の街で」
p.1011~ 占領下の市民生活について記載があり、本牧地域の住民の証言もあります。
(2)『中区わが街 中区地区沿革外史』“中区わが街”刊行委員会 1986年
p.191~194 本牧地区の接収についての住民の談話が掲載されています。
(3)『パネルディスカッション あの頃の、ヨコハマは… 記録集 横浜市立図書館創立90周年記念』
横浜市中央図書館企画運営課/編 横浜市中央図書館サービス課 横浜市中央図書館企画運営課 2011年
p.38 「進駐軍による接収」に、当時の本牧地区の住民の証言が記載されています。
P.71 資料集「エピソード一覧」に、本牧地区におけるエピソードが集められています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 関東地方 (213 8版)
- 外交.国際問題 (319 8版)
- 国防政策.行政.法令 (393 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000227096