レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年9月5日
- 登録日時
- 2013/09/05 19:03
- 更新日時
- 2013/12/26 12:13
- 管理番号
- 名古屋市鶴-2013-011
- 質問
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解決
八事山興正寺は桜の名所として有名だが、その桜がいつ植えられたものか知りたい。
- 回答
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1688年の創設時より山桜が本堂および池周辺に植えられていました。
その後、明治大正時代の名古屋市市電の開通に合わせて桜とかえでが植樹されました。
さらに昭和40年代以降にも植樹があり、現在の形となりました。
- 回答プロセス
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八事山興正寺は1688年に創設されました。
(1)『八事山興正寺境内絵図面』(1696年)には、桜と確認できる木はありませんでした。(『猿猴庵の本 絵本音聞山』p.5)
(2)横井也有の著作『小革籠』(1765年頃)には「千もとの桜を移し植えて矢八事を花の山となしけるとかや」という
記述があり、八事が花見の行楽地であったことがわかります。(『名古屋叢書三編第18巻(2)』p144)
(3)前述の『絵本音聞山』(1818年頃)には八事山全図や興正寺のにぎわいが描かれていますが、桜の木々は確認できませんでした。
『尾張名所図会』(1844年)の八事興正寺の項にも、桜の記述はありませんでした。
(4)『幕末・維新期の八事山興正寺』の「境内其他什物等取調書」p.386(1875年)には《立木204本 内松174本 杉無 雑木30本》の記載はありますが、桜についてはわかりませんでした。
(5)『昭和区誌』p.272-274に、「八事案内絵図」(1927年)に八事山は梅桃桜の行楽地であったと書かれている旨の記述があります。
(6)中日新聞・朝日新聞記事のデータベースでは、該当の記事はありませんでした。
以上、資料を当たりましたが、桜の植樹規模などは不明のため、興正寺に電話で問い合わせて回答を得ました。
- 事前調査事項
- NDC
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- 寺院.僧職 (185)
- 植物学 (470)
- 参考資料
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- 『猿猴庵の本 絵本音聞山』 高力猿猴庵/著 名古屋市博物館/編 名古屋市博物館 2011年
- 『名古屋叢書三編第18巻(2)』 名古屋市蓬左文庫/編 名古屋市教育委員会 1985年 p.144
- 『尾張名所図会』 岡田啓著 1844年
- 『幕末・維新期の八事山興正寺』 阿部英樹/著 勁草書房 2011年 p.386
- 『昭和区誌』 昭和区制施行50周年記念事業委員会/編 昭和区制施行50周年記念事業委員会 1987年 p.272-274
- キーワード
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- 八事山興正寺
- 興正寺
- 桜
- 名所
- 神社・寺院―名古屋市
- 動・植物―名古屋市
- 照会先
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- 八事山興正寺
〒466-0825 愛知県名古屋市昭和区八事本町78
- 八事山興正寺
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000136754