レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016/8/26
- 登録日時
- 2016/09/21 17:20
- 更新日時
- 2020/04/15 08:51
- 管理番号
- 16-04
- 質問
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解決
改造文庫で、林羅山『本朝神社考』の翻刻を見たが、気になる漢字があるので版本を確認したい。信頼できる版本を探してほしい。
- 回答
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回答プロセス参照
- 回答プロセス
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1.『本朝神社考』や林羅山関連の研究の調査
CiNii Articlesや神奈川大学図書館OPACを検索したが、『本朝神社考』に関する詳細な史料研究は見当たらなかった。参考情報として、以下の資料が見つかった。
・木場貴俊「林羅山『本朝神社考』「僧正谷」を読み解く」(『書物・出版と社会変容』5号 2008年)
→ 神道大系収録の翻刻を使用
・鈴木健一『林羅山年譜稿』(ペリカン社 1999年)
→ 寛永15年の項に以下の記述があった。
「この年から正保二年までの間に、『本朝神社考』が成り、刊行された。(上村次郎右衛門板)」
2.翻刻版などの底本の調査
『国書総目録』『林羅山年譜稿』などによれば、『本朝神社考』は以下の形で刊行されている。
〔影印〕
『本朝神社考 ; 神社考詳節』続日本古典全集(現代思潮社 1980年)
〔翻刻〕
『日本思想闘諍史料』1巻(名著刊行会 1969年)
『神道大系』論説編20(神道大系編纂会 1988年)
『日本庶民生活史料集成』26巻(三一書房 1983年) ※書き下し文での収録
『日本精神文献叢書』7・8巻(大東出版社 1938‐1940年)
『本朝神社考』改造文庫(改造社 1942年)
『国民思想叢書』第5巻神道篇(国民思想叢書刊行会 1929年‐)
『大日本風教叢書』7輯(大日本風教叢書刊行會 1917年‐)
『本朝神社考 ; 神社考詳節』は、入手できず未確認。
それ以外の資料を確認したが、底本について記載があったのは『神道大系』のみ。
『神道大系』の解題に、以下のような記述があった。
・「二条通玉屋町 上村次郎右衛門」板の影印本を底本に使用
・板本は上村板の他に「京都寺町五条 玉水屋北尾八兵衛」板があり、どちらも刊年の記載がないが、
上村板の方が早いと思われる
・同じ上村板でも、二種類の板本がある
1・2の調査結果より、上村板を探すことにした。
3.国文学研究資料館 日本古典籍総合目録データベースを確認
『本朝神社考』の版本・写本の画像が数点公開されていた。
このうち盛岡市公民館(書誌ID:100116081)、金城学院大学(書誌ID:100232571)
名古屋大学(書誌ID:100159382)、東京大学(書誌ID:100185064)所蔵の資料には
「上村次郎右衛門」との刊記があった。
1・2の調査結果と、3の上村板を利用者に案内。
日本古典籍総合目録データベースでは北尾板も閲覧できるため、こちらもあわせて紹介した。
- 事前調査事項
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林羅山『本朝神社考』改造文庫(改造社 1942年)
- NDC
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- 神道 (17 9版)
- 日本史 (21 9版)
- 参考資料
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「本朝神社考」『国史大辞典』(Web版群書類従 群書類従 第2輯 神祇部, ネットアドバンス 2014年)
https://japanknowledge.com/lib/display/?lid=91011V020215 (2020年3月27日アクセス) - 薗田稔, 橋本政宣編『神道史大辞典』(吉川弘文館 2004年) , ISBN 4642013407
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木場貴俊「林羅山『本朝神社考』「僧正谷」を読み解く」(『書物・出版と社会変容』5号 2008年)
https://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/bitstream/10086/17076/1/syomotsu0000500450.pdf (2020年3月27日アクセス) - 『国書総目録』補訂版 7巻(岩波書店 1989年) , ISBN 4000086073
- 堀勇雄著 日本歴史学会編『林羅山』人物叢書(吉川弘文館 1964年)
- 鈴木健一『林羅山年譜稿』(ペリカン社 1999年) , ISBN 4831508888
- 鈴木健一『林羅山 : 書を読みて未だ倦まず』ミネルヴァ日本評伝選(ミネルヴァ書房 2012年) , ISBN 9784623064809
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「本朝神社考」『国史大辞典』(Web版群書類従 群書類従 第2輯 神祇部, ネットアドバンス 2014年)
- キーワード
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- 神道
- 本朝神社考
- 林羅山
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 教員 社会人
- 登録番号
- 1000197125