レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年12月24日
- 登録日時
- 2012/12/24 13:13
- 更新日時
- 2013/05/24 15:05
- 管理番号
- 長野市立長野-12-026
- 質問
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解決
「有権者は選挙のときだけ王様で、後は奴隷である」という言葉があるらしい。
ルソーの言葉だと聞いているが、正しいか。
また正確な文言がわかれば知りたい。
- 回答
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ルソーの「社会契約論」に
「イギリス人民は、自分たちは自由だと思っているが、それは大間違いである。
彼らが自由なのは、議員を選挙するあいだだけのことで、議員が選ばれてしまうと、彼らは奴隷となり、何ものでもなくなる。
自由であるこの短い期間に、彼らが自由をどう用いているかを見れば、自由を失うのも当然と思われる。」
という文がありました。
「自由」がどうして「王様」に変わったのかまではわかりませんでした。
- 回答プロセス
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名言集などにあるかと考え、R159の棚にあたる。
『世界名言事典』(明治書院 1988年)
『名言名句集成 欧米篇』(日本実業出版社 1993年)
『東西名言辞典』(東京堂出版 1982年)
などで、ルソーを検索するが該当するものなし。
インターネットで、「王様 奴隷 選挙」などと検索すると、確かに質問者の言っているものと同じ言葉がいくつかヒットするが、
ルソーが言っていたという記述は見つからない。
いくつか検索するなかで、「ルソー 普通選挙」と検索したところ、Yahoo!知恵袋にて
「ルソーは社会契約論の中でイギリス人民は、選挙期間中は自由でであるが、選挙が終わってしまうとたちまち奴隷の身となってしまう。
と説いているのですが、何故ですか?」
という質問を見つける。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1316374148 <最終確認:2012.12.24>
社会契約論に載っているということで資料を確認したところ、
『社会契約論/人間不平等起源論』p114 「第三篇 第十五章 代議士または代表者について」に
「イギリス人民は、自分たちは自由だと思っているが、それは大間違いである。
彼らが自由なのは、議員を選挙するあいだだけのことで、議員が選ばれてしまうと、彼らは奴隷となり、何ものでもなくなる。
自由であるこの短い期間に、彼らが自由をどう用いているかを見れば、自由を失うのも当然と思われる。」
という一文があった。
利用者に回答。
『世界の名著 30』p312-313にもほぼ同じ文章で掲載があり、「王様」ではなく、「自由」だった。
「自由」という言葉がどうして「王様」に変化したのかまではわからなかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 人生訓.教訓 (159)
- 政治学.政治思想 (311)
- 参考資料
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- 『社会契約論/人間不平等起源論』ルソー/〔著〕、作田 啓一/訳、原 好男/訳 白水社 1991.1 <311ル>
- 『世界の名著 30』ルソー/著 中央公論社 1978 <080セ30>
- キーワード
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- ジャン・ジャック=ルソー
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000117448